阿修羅内 悟道

コントグループ「シル」という7人組のリーダーをしています。主にコントを書いたり、上演し…

阿修羅内 悟道

コントグループ「シル」という7人組のリーダーをしています。主にコントを書いたり、上演したりです! 海老蔵の初舞台=緊張

マガジン

  • コント修行:アメリカ篇

    コント小説家の阿修羅内が単身アメリカにコント修行に。 その滴る汗と流した涙の忘備録です。 (こんなコント披露して来ましたとかを書きます)

最近の記事

「誰もが舞台でお話を作れる」そんな世界を目指してみたライブ

こんにちはの挨拶から こんにちは。 コメディアンのごどうです。 普段は即興でお話を作り、そのお話がお客様の心に届いた場合、とても喜んでいただける。そんなことを生業にしている人間です。 大仰なタイトルで始まりましたが、先月の6月3日に座・高円寺2という大きな会場でとあるライブを行いました。 タイトルは「ごどう寄席即興・座・高円寺」 この文章はそのライブにどんな気持ちを込めて実行したのか、そして、そのライブを行ったことでどんないいことが起こったのか、ぽちぽちと書き記して

    • 身近な誰かがいなくなっても、その時後悔しないために、いちコメディアンが毎日大切に思い続けていること

      重々しい文章で始まってしまった。 そんな風に映らないことを願います。 自己紹介をさせてください。 私はごどう、という人間です。 どこにでもいる、平穏な生活を心から望む、1人の人間です。 職業はコメディアンです。 コメディアンは日本語で言うと「芸人」です。 舞台で面白おかしい表現を提供して、その報酬として、ありがたいことにお金をいただき、日々の生活を送っています。 自分で自分のことを紹介する際に、「芸人」という言葉は使いません。 それは、私が従事している芸事が海外発祥の

      • 「こうちゃん」1/3000

        今日のキーワード「当たり前」 地元に帰る各駅列車の中で、窓際にほおづえをつきながら、こうちゃんのことを思い出してみた。 こうちゃんのことを”ふと”思い出すことはほとんどない。 いつも「思い出すか…」と口にしてみないと思い出せない。 能動的に思い出そうとしない限り思い出せないということは、あまり喜ばしくない記憶として脳内に保存されているんだと思う。 だから今日も「思い出すか…」と小さな声で口にした。 目の前に座っている女子高生がちらっとこちらを見た。 何も危害を加える

        • 書き出しコント小説『ドリとブル』

          こんにちは。阿修羅内です。 この小説はコントグループシルの『書き出しコント小説をつくろう』という生配信のなかで作った"書き出しのみ"の文章です。 ルールは2つだけ。 ①45分間で書いてみる ②お客様からもらった1つの単語で書いてみる 今回いただいたお題は「ドリブル」でした。 (配信アーカイブはこちら) 書き出しのみなので、読後感は無いに等しいですが、その広がりだけでも楽しんで頂けますと、、幸いです、、。 お題:「ドリブル」 『ドリとブル』 ニューヨークのビル群を抜

        「誰もが舞台でお話を作れる」そんな世界を目指してみたライブ

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        • コント修行:アメリカ篇
          4本

        記事

          「かご」

          今日のキーワード「かご」 子供時代の夢を見ることが人よりも多い気がする。 日常の会話で「あのー、普段どんな夢を見るんですかい?」なんて個人領域に踏み込んだ質問をするタイプではないので、正確な統計じゃないけど。体感の話。 それでも月に一度は同じような夢を見る。 これはどんな人から見ても不思議な現象なんじゃないかな。 そのシュチュエーションは判を押したように毎回同じもので、今日も僕は見慣れた道の途中にポツンと立っている。 それは小高い丘にするりと伸びる一本道。 中国の絵巻物

          「インプロスターとの遭遇」 10/10

          だいぶ久方ぶりの更新と相成りました。 こんにちは、阿修羅内です。 現在アメリカ・ニューヨークでコメディー修行を行なっております。 えー、あれですね。 季節の変わり目まっただなかですね、本当に。 東京の天気もかなりの荒れ模様ときいていますが、こっちもすごいです。 現状こちらは気温差、天候の変化、共に激しく風邪が大流行しています。 それに関連して先日こんなことがありました。 30度近い気温を叩き出した次の日に前日の体感温度のままTシャツで出かけたら、デイアフタートゥモローク

          「インプロスターとの遭遇」 10/10

          「ダンボール」

          今日のキーワード「ダンボール」 よく晴れた秋の日の午後の過ごし方について。 神様が人間をどこか天井奥地から見ていて、その人の価値について査定をするならこんな日の過ごし方を一つの基準にすると僕は思う。 唐突な話だけど、来年の新春に良いスタートが切れるかどうかはこの秋の日の、ランダムに選ばれたある一日の午後、この日の査定が大いに関係している、そんな風に思えて仕方がない。 この秋の日の午後をみんなはどんな風に過ごしているんだろう。 例えばこんな人もいるんだろうな。 僕は作業に集

          「ダンボール」

          「ココドコ」 9/12 美術館

          どうも、阿修羅内です。 ニューヨーク滞在3日目でございます。 えー 暑い。 非常に蒸し暑い。 ニューヨークは日本から比較的遠い距離にあるし、東京から少し離れてる那須高原などの避暑地ですら肌寒いんだから、こっちは15度くらいでデラ涼しいんちゃうのとか考えていたけど、チラッと見遣った温度計の数値は27度を指していた。 大誤算ですたい。 おまけに雨が多くてその湿度も日本とあまり変わらない。 こちらに来てからは道路が乾く間がないほど、ずっと雨に降られている。 ほぼ東京。 違いと

          「ココドコ」 9/12 美術館

          「下駄をたくさん持ってくればよかった」9/11・マンハッタン島

          9/11日 小雨がぱらつきそうな雰囲気の中、1日が始まった。 時間は朝の6時ごろ。 起き抜けにタバコを吸おうと、二階の居住スペースから一階を経て、外にでた。 (ニューヨークでは日本人の方が経営するユースホステルの二階に滞在している) 一吸いしたところで背後のドアあたりで物音がした。 一階の住人であるらしいインド人男性が同じく外に出て来たところだった。 カバンを持っていることから出勤前のリーマンパパさんらしい。 僕は「ヘろぅ」と流暢に声をかけた。 「ファック」 そんな始

          「下駄をたくさん持ってくればよかった」9/11・マンハッタン島

          「アメリカに来ております」

          初めまして。 普段はこちらのnote上でコント小説なるものを書いております、 阿修羅内悟道(あしゅらうちごどう)と申します。 プロフィール:https://twitter.com/jojo93510 noteを始めてからここまでの約一年間 コント調の小説、いわゆるコント小説以外は更新をしてこなかったのですが この度、とある事情のため忘備録調の記事を更新して行きたいと考えています。 というのも、阿修羅内、ただいまアメリカ合衆国に来ておりまして。 いえ、仕事等で

          「アメリカに来ております」

          「ねこ」

          今日のテーマ「ねこ」 ここは私の家。 広くもなく狭くもない日本家屋のこの家。 物心つく頃から住んでいる、古めかしいけど温かな家。 そこに今、私が一人いるだけ。父と母は出かけていない。だから、今は私の家。 昼過ぎのひと時を縁側で過ごす、それが私の流儀。プライド。 そんな午後の小旅行、旅のお供はこの子なの。 私が10歳の頃から飼っている、8歳のねこさん。 名前はあえてつけずに私はこの子を「ねこ」と呼ぶ。 愛称がある、そのことが弱さにつながると知っているから。 こういう

          「空き缶」

          今日のキーワード「空き缶」 人生にはイラッとする瞬間が数多く存在する。 そこから発生するストレスの大きい小さいは問題ではない。その回数が問題なんだ。 まあまあの頻度で、しかも確実に、イラっとする瞬間は訪れる。 その都度違った形をとりながら。 この辺りが巧妙でさらにイラっとするよね。 人は時たま訪れるこの悪質な波にうまーく対処して生きていかなければいけない。 これはどんな聖人であっても同じだ。 教育の大切さを説きながら、発展途上国に70棟の小学校を建てた聖人だって。 世界

          「日記」

          今日のキーワード「日記」 『7月30日』  家に帰るとそこにはサルがいました。 フローリング張りのリビングに、ぽつんとサルが座っていたのです。 僕はその光景を見て、小さな声で、「サルだ」とつぶやきました。 「なんで家にサルがいるんだろう」 そんな最初に思うべき疑問は、冷蔵庫を開け、ひょっとこ顔で麦茶を飲んでいる時にやっと追いついてきました。 人間、あまりの非日常が日常に紛れ込むと、思考のスピードがゆっくりになるみたいです。
麦茶を飲み終わってから、僕はもう一度サルを

          「四角」

          今日のキーワード「四角」 小学生の頃、四角いものを集めることが病的に好きだった。 正方形の弁当箱、角張った筆箱、消しゴムは使うと四角くなくなるから未使用のまま。 徹底して四角に心酔していた。 何かを病的に好む人の多くは、その理由をはっきりと説明できないことが多いと思う。あくまで個人的な感覚だけども。 だけど僕は違う。 自分がそうなった理由をはっきりと覚えてる。 10歳の頃の話だ。 父と2人で川崎の工場夜景を見にいったことがある。 そのとき、僕は`四角`に魅了されて

          「田んぼ」

          今日のキーワード「田んぼ」 ばあちゃんが死んだ。 秋の虫が表に出て来て、そろそろ羽音を立て始める頃だった。 ひっそりと誰にも気付かれず、生命力を放出し尽くして、ばあちゃんは向こう側にいってしまった。 その些細な変化に気づいていたのは、家の中でも中学生のワシだけだったかもしれない。 ワシは昔から大きな変化には疎いけど、物事の細かな移り変わりには敏感だったから。 例えば、同級生とたわいもない雑談に興じている時。 誰かが股間をモミモミとさすり出す。これは膀胱がパンパンになって

          「はさみ」

          「はさみ」 今日のキーワード「はさみ」 はさみは物を切ることが嫌いだった。 はさみのくせに生意気だと思われるかもしれないが、紙やビニールを切る瞬間の感触がどうしても好きになれなかった。 しかし、製鉄され、はさみとして生をうけてからは物を切ることが主な仕事だった。 残念ながらそれ以外の用途ではさみが使われることはほとんどなかった。 はさみにはトラウマがある。 あまり思い出したくもない記憶だが、頭から一向に離れてはくれない。 昔、和紙を切らされた時のことだ。 普通の紙は切