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書き出しコント小説『ドリとブル』

こんにちは。阿修羅内です。
この小説はコントグループシルの『書き出しコント小説をつくろう』という生配信のなかで作った"書き出しのみ"の文章です。

ルールは2つだけ。
①45分間で書いてみる
②お客様からもらった1つの単語で書いてみる

今回いただいたお題は「ドリブル」でした。
(配信アーカイブはこちら)

書き出しのみなので、読後感は無いに等しいですが、その広がりだけでも楽しんで頂けますと、、幸いです、、。

お題:「ドリブル」

『ドリとブル』

ニューヨークのビル群を抜けると見えてくる、地上最後の庭園、セントラル・パーク。
この庭園には地球上の樹木をひた集めたかのように緑が茂り、目を疑うようなサイズの大馬(おおうま)が順路を闊歩する。
その大馬(おおうま)から生み出された馬糞が地面を湿らせ、セントラル・パークの樹木を活性化させる。
馬糞から樹木へ、樹木から馬糞へ、そんな馬糞が支える樹の下で愛を語り合うニューヨーカーたち。

このサイクルだけ切り取るならば、こんなに美しいものはないかもしれない。
自然文明と機械文明が織りなす壮大な一枚絵。
しかし、そんな一枚絵を汚す存在がこのセントラル・パークには存在する。
ドリとブルだ。

ドリとブルは二匹の陸ガメの総称である。
ウミガメの反対、陸ガメである。

ドリとブルは二匹の陸ガメガメではあるが、どちらも全く同じ見た目というわけではない。
まず、ドリは1メートル85センチの身長を誇る。
どの宗教の神がそうさせたのかは判らないが、生まれたときから異端児であった。
もう一つ、特筆する点があるとするならば英語も堪能である。

(続く)

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