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魔法の言葉=コピーライティング

こんにちは、貝津美里です。

このnoteは、「書くことがもっと上手になりたい人」に向けて、駆け出ライターの私が読んだ本の感想と内容を紹介していくマガジンです。

今回ご紹介する本は、「書かなきゃいけない人のためのコピーライティング教室」。著者は、株式会社Rockaku代表取締役コピーライターの森田晢生さんです。

社長さんが書く文章と聞くと、「専門的で難しそう......」と思う方もいらっしゃるかもしれませんが、心配は無用。森田さんのTwitterを覗いてみると、なんともキャッチーなアイコン!

コミカルなおじさんのようです。(もしかしたら失礼...

著者の遊び心は、本書の中にも。パラパラとページをめくると、かわいいイラストが盛りだくさん。専門用語を使わずに「コピーライティングの書き方・考え方の仕組み」を教えてくれます。

本書の特徴を踏まえ、今回この記事をお届けしたい人は、このあたり。

▼読んでもらいたい人
・コピーライティングに興味があるけど、どんな仕事内容かわからない人
・クリエイティブ系の仕事に興味のある人
・「メディア系部署に配属になったから勉強しなきゃ! 」と焦っている人

ひとつでも当てはまれば、お付き合いいただければと思います。

「そもそもコピーライティングってなに? 」「書ける人の頭の中ってどうなってるの?」などの渦巻いているモヤモヤしていた疑問が、記事を読み終えたあとに晴れていれば幸いです。

| コピー=「魔法の言葉」 |

著書では、コピーを「魔法」と定義しています。

ん?ちょっと唐突すぎてわかりにくい......コピーと魔法にどのような関係があるのか、具体例をみてみましょう。

コンビニの店長が売りたいスイーツがある

ポップに“期間限定”のコピーを書いて貼る

いつもは素通りだったお客が“期間限定”のコピーを見て購入する

魔法とは、「呪文を唱えて、目的を達成するもの」ですよね。たった一文字「期間限定」で人の行動を変える効果がある。それがコピーを魔法と呼ぶ理由なのです。

言葉ひとつで売り上げを上昇させたりファンを増やせる......!おそるべき、コピーライティングの魔力です。

| コピーには4つの属性がある |

次に4つに分けられるコピーの属性について紹介します。(魔法に属性......まるでハリーポッター! )属性を認識すれば、目的に合わせた書き分けが楽にできますよ。

属性1.【検索】
キーワードを的確に設定することで、ユーザーに発見されやすくします。

例えば、お店の売り上げをあげたいと考えたとき。まずはユーザーが、どのような検索キーワードでお店に来店しているのかを知る必要があります。

例)考えられる検索キーワード
「新宿 おしゃれ カフェ」
「貝津美里のカフェ 新宿」

もし「新宿 おしゃれ カフェ」と、調べて来店する人が多いのであれば、他店と比較して魅力的に映るコピーを書けば来店まで繋げられそうです。

一方、店名で検索されることが多いのであれば、お店の概要は認知されているということ。コピーには、具体的なメニューや、店のコンセプトなどを書いてアピールするが有効だと考えられます。

来店してほしいからといって、何でもかんでも情報を盛り込めばいいというわけではありません。ユーザーが抱える「課題」(何が知りたいのか)と求める「答え」を意識して作成する必要があるのです。

属性2.【演出】
SNSに投稿したときにいいね!がもらえるような、ぱっと見た目で惹かれるビジュアルが特徴です。

商品やブランド、企業に対する直感的な驚き、発見、共感をつくってファンを獲得するため、感情的かつ印象的な表現を使います。重要なのは、ユーザーがお店のHPやインスタグラムを見たとき「なんかオシャレ! 」「雰囲気良さそう! 」と印象に残ること。写真やイラストとの連動性が欠かせません。

属性3.【説得】
通販の商品ページや会員登録ページ・ブランディングページで「購入や加入を促す」効果があります。

「10%OFF」「売り上げ100万本突破! 」など数字を使い、わかりやすい判断指標を用いるのが特徴。演出が感情なら、説得は理性に訴えるコピーです。

価格や品揃えを比較検討して「それでもお得! 」「買いたい! 」と思わせる情報を散りばめましょう。

属性4.【誘導】
イベント概要・アクセスなどに使われるのコピーが、「誘導」です。ユーザーがサイトの中で迷わないよう目的地まで導く、ナビゲーションのような効果があります。

ポイントは、正確かつわかりやすくあること。項目化して箇条書きにするなど、情報の整理をすることでよりわかりやすいコピーになります。

| 情報とコンテンツの違いとは? |

コピーが4つの属性に分かれていると知ったところで、続いてはコンテンツについてご紹介します。とはいえ、そもそもコンテンツとはなんぞや?という方もいるはず。「情報」と「コンテンツ」の違いを比べながら解説していきます。

結論からいうと、「プレゼントになっているかどうか」が情報とコンテンツの違いです。

わかりやすいよう、例をみてみましょう。

▼上司から飲み物を買ってくるよう頼まれた場面

《パターンA》
「え、自分で行けばじゃん.....」と思いながら、とりあえずコンビニへ行く。

《パターンB》
「部長、疲れてそうだったなぁ。微糖のコーヒーがいいかな。今日は寒いから温かい飲み物の方が喜ぶかな...! 」と、相手を想像してコンビニへ行く。

違いは、一目瞭然ですね。

相手に言われた必要最低限を相手に届ける役割が「情報」であるなら、相手の気持ちを想像しプレゼントを渡すように工夫を凝らすのが「コンテンツ」なのです。

伝えたいことをそのままユーザーに渡しても読まれる可能性は低い。相手に喜んでもらえるよう想像力を働かせるからこそ、伝えたい内容は相手へ届くのです。

| 情報をコンテンツに変えるには? |

では実際、どのように「情報をコンテンツに変換」させるのでしょうか。難しそうですが、3つのステップを踏むことで、情報は簡単にコンテンツ化できますよ。

イベント告知を例に見ていきましょう。

ステップ1
【どう読まれるかを想像して書く】

必要な視点は、ターゲットとなるユーザーがイベント告知を「どう読むのか?」を先回りして読み解くこと。

伝えたいことをだけを並べるのでは単なる情報として素通りされてしまいます。まずはユーザーが「参加できそうか?」「参加したいと思えるか?」を判断する基準を、読み手に寄り添う形で書く(コンテンツ化する)ための下準備をしていきます。

▼想像される読者の読み方
・誰がやる?→信用できる主催者か判断する
・いつやる?→参加できる日程を確認する
・どこでやる?参加できる場所か確認する
・誰に向けてやる?→自分に関係あるイベントかチェックする
・どんなことが起きる?→本当に行きたいかな?
・何を得られる?→行く価値があるかな?

どのような情報があればユーザーは喜ぶか、想像しながら埋めていきましょう。

ステップ2
【ユーザーが求めている情報を的確に集める】

ユーザー視点に立って項目を埋めていけば、自然と求められている情報が見えてくるはず。それらを可視化するためのシートを作成していきます。イベント告知文を書きやすくするのが狙いです。

▼コンテンツに必要なシート
主催者名:株式会社A
開催日:7月7日
会場:スタジオB
ターゲット:可愛い雑貨が好きな女性
内容:キャンドルづくりが体験できる
参加特典:七夕限定の雑貨をプレゼント

相手を思いやる視点をゲットできれば、単なる情報から「コンテンツ」に変換されたも同然です。

ステップ3
【相手に届くコンテンツにする】

お待たせしました。ここまでのステップを踏んでいれば、イベント告知文をコンテンツとして書く準備が整っているはず。シートに記載してある内容が構成の役割を果たしてくれています。さぁ、あとは文章にして完成です。

***

いかがだったでしょうか。

読む側から逆算してコピーを設計していくことは、ライティングやキャンペーン企画、サイト全体の構成にも関係してくる大事な視点。スキルを磨くのはもちろんですが、「相手目線」があって初めて良いコンテンツになることがよくわかりました。

ふだん書く文章は、相手へのプレゼントになっているでしょうか。
伝わるコピーを書く心得やそのための準備を知ることこそ、情報をコンテンツ化する一歩目かもしれません。

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