「愛おしい」 をつくる紙屋中庄さん 刑部 渉

1783年から日本橋で商いを続ける紙屋。 今までの『コレ』にとらわれることなく、 「…

「愛おしい」 をつくる紙屋中庄さん 刑部 渉

1783年から日本橋で商いを続ける紙屋。 今までの『コレ』にとらわれることなく、 「愛おしい」と思える体験価値を より多くの方に届けていきたい。 担当の刑部(ぎょうぶ)のオモイを気ままに綴っています。web:https://nakasho.com/index.html

マガジン

  • 紙の遊園地

    創業1783年の紙屋中庄と「ワクワクをカタチに」をテーマに活動するアトリエヤマダが取り組む、紙の魅力を再発見するアートプロジェクト「紙の遊園地」。取り組みに関しての記事をまとめたマガジンになります。

  • −カミのコラム− presented by 「紙の温度」。

    紙の聖地とも呼ばれる名古屋のお店「紙の温度」。 縁あって、社長である花岡成治さんと知り合い、紙にまつわる素敵なエピソードを教えていただいています。紙そのものの話はもちろん、そこに込められた作り手の方のオモイや歴史を伝えていきます。このマガジンを通じて少しでも多くの方に、紙の魅力を伝えていけたら幸いです。

  • インタビュー

    素敵な活動をされている様々なお店やクリエイターさんへインタビューさせていただいた内容をまとめています!より多くの方へ伝えていけたら嬉しいです。

最近の記事

  • 固定された記事

紙に込める念い。

我々が取り扱う紙とは一体何なのか? 我々は一体何を残して来たのか? いくら考えても一向に答えの出ない問いだと思う。 世の中の生活様式の変化に伴い、またテクノロジーの発展に伴い、 紙より数段便利なものが次々と出来上がっている。にも関わらず紙の魅力に惹かれてしまうのは何故なのか? 紙の最大の価値とは余白ではないかと思う。その余白にも2種類のものが存在している。 1つ目はそのものに自由に表現できるような(手紙、写真、絵、パッケージ)アート的な、いわゆる物理的な余白。

    • 「愛おしい」をつくる紙屋中庄さんができるまで。

      なんとなく居心地がいいと感じること、 心が安らぐものなど、 それは好きなもの、 好きな場所、 好きな人、 好きな時間 人それぞれ言葉に表せないけど、なんとなく幸せに感じる瞬間があると思います。 紙を眺めていてもそんな瞬間を感じることがあります。 「なんかいいなー」 「手元においておきたいな」 「飾ろうかな」 どんな風に使うかも考えてないのに、なんとなく見ているだけで欲しくなる。ただ愛でていると幸せな気持ちになる。 最近は紙の販売やワークショップをしていると「素敵な

      • 紙の魅力を知って人生が変わった話。

        こんにちは! 中庄株式会社の未来をつくる部 刑部渉(ぎょうぶわたる)です。初見の方もいらっしゃいますので簡単な自己紹介をさせていただきます。 振り返ってみると、自分の人生の転機はきっとここだったんだろうなと思う部分がいくつかある。僕はあまりこどもの頃の記憶が薄くて、覚えていないことが多いのだけどそれでもいくつかあったりする。 それこそ、若い頃はあまり深く考えて生きてこなかったし、やりたいことなんて別になかった。でも、社会人になってから自分自身の人生についてとても考えるよう

        • 最初の一歩を踏み出すための「あそび」という大切さ。

          今までやったことも、見たこともない新しい何かを生み出すためにはどうすればいいのだろうか? そんな正解がどこにもない問いを突然突きつけられているといった状況は、いたるところで起きているのではないかと思います。 紙というものを扱い続けて、今年で創業240年を迎える弊社もまさにそういった状況にあります。 だからこそ、弊社の社長は約15年の就任以来「新しい事業の柱をつくりたい!」と言い続けてきたのだと思う。そして、僕自身も未来をつくる部の活動を始めて、紙の遊園地プロジェクトをス

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        マガジン

        • 紙の遊園地
          5本
        • −カミのコラム− presented by 「紙の温度」。
          6本
        • インタビュー
          4本

        記事

          チョキペタスランドin日本橋開催決定!

          こんにちは! 未来をつくる部の刑部です。 2021年11月に開催した「紙の遊園地」が、この度、2023年9月に「チョキペタスランドin日本橋」と名前をかえて開催することが決定しました! チョキペタスランドというネーミング自体は昨年の11月に中庄ビル全体を活用したイベント実施の際に誕生しました。その様子は下記動画よりご確認下さい。 約2年ぶりの開催となる「紙の遊園地」が「チョキペタスランド」に名前を変えて再開催することに伴い、前回2021年の様子を振り返ってみようと思いま

          チョキペタスランドin日本橋開催決定!

          モノづくりができないからこそできる余白という価値創造。

          こんにちは! 未来をつくる部の刑部です。 もう今年も1ヶ月を過ぎて、2月に入ってしまいましたが、、、 今年初noteになりますので、今年の抱負的な決意表明をしようかと思っています。 未来をつくる部の活動を始めてからの3年間、本当に色んな方の力を借りてチョキペタスはもちろん、様々なイベントや企画を運営・実施することができました。 僕自身、無我夢中で必死にやってきました。何せ全てが初めてのことですし、元はただの紙の営業マンですから。笑 ですが、おかげさまでチョキペタスをき

          モノづくりができないからこそできる余白という価値創造。

          新しい一歩から生まれたあまりも素敵な贈り物。

          こんにちは! 未来をつくる部刑部です。 今年も残るところあとわずか。 年々時が過ぎるのを早く感じます…。 今年一年を振り返ると、東京は亀戸、豊洲、浅草、渋谷、高尾山、西は広島、大阪、神戸、北は群馬など全国各地あらゆるところに出張してチョキペタスや紙の販売、ノートづくりを実施をさせていただきました。 今まで出張をするような仕事ではなかったので、色んな場所に訪れて、色んな方と出会って、話をして、こどもたちとも楽しませてもらっています。 その土地にはその土地ならではのカラー

          新しい一歩から生まれたあまりも素敵な贈り物。

          将来の夢は「紙屋さん」という希望が未来をつくる。

          こんにちは! 中庄の未来をつくる部、刑部渉です。 僕は「モノづくりができないからこそ、できる余白という価値提供」といった信念を持って中庄の未来をつくる部を開設しました。 紙屋としてモノづくりはできないけど、紙を通して何かを実現するためのお手伝いをしていきたい。そんなオモイでやってきたことです。 僕は自身で何かを生み出すようなことはできないし、今まで出会った作家さんやデザイナーさん、アーティストさんは本当にすごい人ばかりで尊敬の眼差しばかり注いでいました。 先日、西淀川

          将来の夢は「紙屋さん」という希望が未来をつくる。

          地域素材から生まれる無限の可能性。【出張チョキペタスin大阪豊中市】

          noteでの発信を始めて、2年以上の月日が経ちました。はじめた当初は何を書いていいかも分からず、とりあえず開設したものの「どうしたものか…?」と悶々と考えていました。それでも何かを始めなきゃ何も変わらないという気持ちだけでここまでやってこれたように思います。 この2年間で多くの方と出会い、各地でワークショップやイベント、紙の出張販売などを開催させていただきました。毎回そこでの光景を眺めながら感慨深い気持ちになります。 こどもたちの笑顔や親子で一緒に楽しんでいる姿に癒され、

          地域素材から生まれる無限の可能性。【出張チョキペタスin大阪豊中市】

          モノづくりということへの憧憬。

          弊社は日本橋の地で239年間商いを続けてきた紙屋です。創業は江戸時代まで遡り、現在の新潟県柏崎市から日本橋小舟町にきた初代中村庄八が和紙や竹製品を扱うお店での奉公人を経て、今の中庄本社ビルのある馬喰町の地で「紙屋庄八」をスタートしました。 そこから239年間、和紙等を取扱う小売店から卸売業へ、そして和紙から洋紙へと時代の流れに合わせて業種・業態を変化させてきました。 そして、230年以上の時を経て、未来をつくる部を開設し、昨年4月から紙の遊園地プロジェクトもスタート。

          モノづくりということへの憧憬。

          皆さまの「余白」になるための新たな挑戦と、お願い。【事務所、チョキペタス常設スペース(短期•長期)募集】

          「モノづくりができないからこそ、できることがある。そんな皆さまの余白のような存在になりたい。」 そんなオモイを掲げスタートした「未来をつくる部」も開設から約2年が経過しました。このオモイはあったものの、スタート当初は絵に描いた餅のような状態だったと思います。 正直にお話をすると「僕たち卸が新しい価値提供なんてどうしていいかわからないな…。」とか「自分たちにできることなんてあるのかな…。」「歴史はあるのだけど…。」とか、とても卑屈だったし、どうしていいか分かりませんでした。

          皆さまの「余白」になるための新たな挑戦と、お願い。【事務所、チョキペタス常設スペース(短期•長期)募集】

          やり続けることで生まれる、可能性という輪の拡張。

          239年続いてきた会社には、239年の中で大切に培ってきた経験値と技術がある。それは目に見える範囲の中だけでやっていくには十分過ぎるほどの経験と技術。 じゃあその範囲から飛び出そうとしたらどうすればいいのか? きっと今までの経験値や技術では足りない。もっと他の何かが必要になるんだと思う。それは単純なことで、今までやってきたこととはまったく違うことだから。 人は新しいことを始めるには、どうしても時間がかかるし、億劫に感じるし、踏ん張りと決断が必要になる。ましてや、はじめて

          やり続けることで生まれる、可能性という輪の拡張。

          ゆったりと、幸せなひとときを広島の皆さまとともに。

          こんにちは! 中庄の未来をつくる部 刑部渉です。 先日、カタチを目指さない図工室チョキペタスを広島最大級の住宅展示場「アスタ」さんにて開催してきました。 出張チョキペタスとしては、東京以外での開催は初!!それがまさか広島で行えるなんて…なんとも言えない感慨深さに浸りながら広島へ向かいました。 住宅展示場アスタさんへ この中のいたるところに多数のイベントが模様されており、チョキペタスもその仲間に入れていただきました。本当に嬉しいかぎり。 手前のブルーシートがアトリエヤ

          ゆったりと、幸せなひとときを広島の皆さまとともに。

          紙屋とアトリエと、未来をつくろう。#1

          私たちは生活の中で、 あらゆる質感の紙に触れている。 ノートや手紙、コピー用紙など、 書いたり印刷したりするものから、 ティッシュやトイレットペーパー、 ペーパータオルなど、 生活の中で自然に使っているもの。 紙の厚さや、加工の仕方、 原料の違いによって、 カタチを変える紙という素材。 今回は、紙の遊園地にてそんな紙の新たな見せ方を教えてくれたデザイナーの高畑慧さんをお招きして色々なお話をお伺いしました。 ―まずは高畑さんが今までやられてきた事などをお伺いできますで

          紙屋とアトリエと、未来をつくろう。#1

          紙屋がZINEをつくることの意味、そしてこれから。

          こんにちは! 中庄の未来をつくる部 刑部渉です。 今回は僕自身が作ってるZINE(自主制作雑誌のことです。)についてとこれからみたいなお話し。 現在、「PAPER STORE TIMES」という名前で年に2回程ZINEを作っています。作っているといっても、このnoteに掲載したものを再編集して紙に印刷し直したもの。何気にこのnoteのTOP画像にも使っています。  なぜ紙屋である僕がZINEなるものを作っているのか?というのは会社で「文学フリマ」に出展することがきっかけ

          紙屋がZINEをつくることの意味、そしてこれから。

          紙の可能性をみんなで見つける3日間(後編)

          「紙とはもともと無目的な存在であり、作り手やお客様ひとりひとりがその価値や魅力をつくっていくもの。」 紙という存在ひとつとっても、自分が今まで使ってきた使い道や考えられる範囲の中での活用方法はほんのわずかでしかありません。 そんな紙の可能性をみんなで見つける3日間と題したイベント「紙の遊園地」を11/26-28にて初開催。 こんにちは! 中庄株式会社/未来をつくる部の刑部渉(ぎょうぶわたる)です。 前回に引き続き今回は「紙の遊園地」イベントの後半戦、ワークショップにつ

          紙の可能性をみんなで見つける3日間(後編)