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ワーケーションとブログで新たな道を切り開く!フリーランス美容師の宇井一八さん

新しい働き方LABの指定企画「海外ワーケーション」とライター部のコラボインタビュー企画、みねとも担当分の第2弾!
お話を伺ったのは、新しい働き方LABの研究員制度に、1期から参加している宇井一八さん。
今年6月から始まった3期では、「もっと自分で企画の舵取りをして、達成感を得たい」という思いから、自分の裁量で行動を決められる指定企画「海外ワーケーション」と「LivingAnywhere Commons」に参加しています。

まずは、宇井さんのプロフィールをご覧ください!

【プロフィール】
フリーランス美容師 宇井一八さん

フリーランス美容師&ライターの宇井一八さん

2015年にフリーランス美容師として独立。
現在は、自分の店舗を構えて福岡市で美容師として活動する。
美容師の仕事と並行して、ライターとしてWEBメディアで執筆中。
さらに、オウンドメディア『カラーの申し子では、最新の美容情報を発信中。
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■ホームページ 美容系『カラーの申し子
ワーケーション『フリーランス美容師が行く ひとり旅とワーケーション』

研究員の中でも独特の存在感を放つ宇井さんは、美容師×WEBライターとして「どんな活動をしているのだろう?」という好奇心があり、今回、インタビューをさせていただきました。

■「美容師の働き方改革」を目指して独立

タイの水上マーケットでの宇井さん

ーフリーランス美容師×ライターとして働く理由を教えてください。

元々美容室で働いていて、フリーになって8年ですが、実家もこの仕事しているんですよ。親兄弟全員この仕事しています。

昔から実家を見てきたので、美容院の弱い部分ってよくわかっているんです。
美容院って、「雪が降ったから予約キャンセル」みたいなことが常に起こる仕事なんですよ。

あと、肉体労働だから、どうしても年を重ねるとパフォーマンスは落ちてくるんですよね。さらに、美容師は人気商売でもあるんで、50歳になったときに20代の大学生が僕を指名するかといったら、しないと思うんですよ。

ということは、将来的に客数も減っていくんで、そうなった時に、それを補う何かがあったほうがいいよね、さらにオフラインじゃなくて、オンラインで完結するスキルがあったほうがいいよね。ってことで、WEBライターもやり始めました。

実は戦略的に美容師×WEBライターで活動しています。元美容師のWEBライターは存在するのですが、現役美容師のライターは少ないので、希少価値があるんです。

美容の情報というのは流れが速いので、現役のままライターをやっていると最新の情報を更新できるというメリットがあります。

ですが、フリーランスになった根本的な理由は、「美容師の働き方改革をしたい」という思いがあります。

ー「美容師の働き方改革」をしたいというのは?

あまり知られてないんですが、美容師って国家資格なんですよ。でも、国家資格の中で最も給料が安いって言われてるんです。平均すると300万円くらいだと思います。

同じ給料が安いと言われる職業に介護や保育がありますが、こちらは、国の政策で議員さんとかが、「改善します」なんて活動したりしてますが、「美容師の労働環境改善します!」と言っても、誰も投票しないじゃないですか。
だから改善されないんで、僕ら美容師は、最終的には独立の道を選ばないといけないというか。
ずっと会社にいても、定年退職がない職業なんです、美容師は。
これ、良くも悪くもなんですよね。「老後ゆっくり」という選択肢がないのも。

ー独立前と独立後で、美容師としての働き方にどんな変化がありましたか?

視点が一気に広がるというのがあります。美容室勤めの美容師は、仕事内容は同じでも、会社が集客してくれるので、売り上げがあっても、完全に自分だけの能力で稼いだ気がしないんです。
でも、フリーランスだと全部自分の活動次第です。フットワークも軽くできるので、圧倒的に人脈が広がります。

自分の活動が名刺代わりになるし、フリーランスだとある程度優秀な人材であれば、だれか店長候補いないかな?というときに、「あ、こいつおるやん!」みたいなことになりやすいです。人とのつながりで、抜擢してもらえるみたいな。

ーブログ「カラーの申し子」は自分で作ったのですか?

はい、WordPressでサーバーを入れて自分でつくりました。僕は、一応これで集客しているので。

ーブログで美容院の集客をしているのですか?

そうなんです。通常は、美容院の客って9割がホットペッパーなんですよ。だけど、ホットペッパーの使用料って高いんですよね。だったら「自分でコンテンツを作ったほうがいい」と思って作っちゃいました。
ブログを作ったのは3年前かな。コロナのちょっと前くらいです。

ー自分でWordPressからブログを作る美容師さんは、珍しいのでは?

珍しいと思います。やっぱ、Googleアドセンスとアフィリエイトは、掛け合わせたかったんで。さっき言ったように美容師は、最終的には売上の総額が下がっていくので、何かしら別のもので補わないといけないっていうのが大前提にあるんすよね。

例えば、Googleアドセンスで、月にプラス10万の収入が入ってくるんであれば、安定するんですよ。

特に僕はミニマムに生きてるから、ローンも組まないし。だからなるべく「自分が働かずにお金が入る仕組みを作りたい。」という目的でブログを始めました。

最終的には、自分のライフスタイルや生き方をコンテンツとして発信していきたいですね。

■フリーランスになった頃の苦労があるから、今がある

アソークのマーメイドホテルでWEBライティング

ー現在は、充実した毎日のように見えますが、宇井さんの今の働き方は、理想に近い状態ですか?

そうですね、理想の状態ではあるんですけど、もう少し労働時間は減らしたいです。一般の美容師さんよりは労働時間が3分の2ほどなので、短くはあるんですが。

会社勤めの美容師さんは、営業後に後輩のレッスンをする業務があるんです。僕が勤務していた頃は、8時半出社で23時に帰るという感じでした。

そうなると、ライティングなどの副業とかも無理なんです。まず時間が作れないので。

ーブログで集客できているのは、すごいですよね!

とりあえず無い金から200万円を貯めて、これを軍資金にしてフリーランスになりました。
でも、1年半で160万円が消え去り、「あと40万しかない!」となったときに「やばい!やばい!」と焦りました。
フリーランスになって店舗のエリアが変わったので、お客さんが全然来なくなったんです。

だから、ブログを立ち上げたんです。
今150記事ほど突っ込んでいるんですけど、動き出したのは80記事くらいからです。

YouTubeを見て勉強したり、SNSから流入してみようかとか、あとは、自分の車の後ろにブログのURLを貼ったりとか。やれることは全部やりました。

ーその行動力の源は、美容師の働き方改革をしたい。という思いからでしょうか?

僕思うんですけど、「夢や希望」じゃ、人って動くのは限界があると思うんですよ。言い方は難しいけど、やっぱ「恐怖」ですよね。

当時の月収は7万円なんです。33歳男性の月収が7万円って、もう、圧倒的な恐怖です。で、バイトを3つかけもちしてました。UberEatsも出だした頃で、やってましたね。

だから、UberEatsのカバンはまだ持ってますよ。これを見て、もうあんな体験をしたくないと思ったりしながら。でも、キツイ体験も身になるというか、あの体験があったからこそ、フリーランス美容師をがんばれるというのはあると思います。

バイトって資産にならないんですよね。だからバイトをブログに変えたんです。「金持ち父さん貧乏父さん」(ロバート・キヨサキ著、筑摩書房)を読んで、「資産になることをしないと!」と思ってブログをはじめたんです。

■ワーケーションとブログの親和性に注目

バックパッカーの聖地と呼ばれてるカオサン

ーワーケーションにはなぜ興味をもったのですか?

場所に縛られず働きながら、ブログで月3万円でも定期的に入れば、光熱費とか携帯費は払えちゃいます。ブログとワーケーションって、すごく親和性が高いなと思ったんで、海外ワーケーションと国内ワーケーションに参加したわけです。

ータイで海外ワーケーションを体験して、どうでしたか?

タイに6泊7日で行ってきたんですが、今回、まったく観光してないんですよ。カオサンに4泊、アソークに2泊という感じで過ごしたんですが、僕、仕事が好きなんですよね。

タイに行って、ずっとライターの仕事をしてました。現地の人と同じような生活をただひたすらして、寺とか見に行ってないんですよ。ヘンに真面目というか。

ただ、タクシー使うとかの便利なことはしないというのは決めてました。電車やバスを利用して、「乗り方を知る」みたいなことはやりましたね。現地の人がやっていることをやって、文化とか風土とかを知るというのをやりたかったので。それが、僕にとってみれば観光みたいなモノです。

レストランでも、タイ語のメニューしかないところもあるし、英語と写真を載せているところもある。写真と英語が載っていれば、より親切でお客さんにも役立ちますよね。こういうことも美容室にも活かせるというか、美容室でカットのメニューを載せるときも、「写真も載せるといいんだな」みたいな。不自由を楽しみながら過ごすと、アイデアが浮かんできます。

ーやるからにはゼロから1にして、前例をつくりたい

海外ワーケーションのPMアヤトレイさんと宇井さん:昼から酒を呑んだあとの2人

新しい働き方LABの3期では、ワーケーションをしたので、「カラーの申し子」とは別のワーケーションのブログを立ち上げようと思ってるんです。
海外ワーケーションと、LACの企画に参加しているので、それをちゃんとブログに書いてコンテンツ化します。

やっぱり、やるからには、マネタイズは絶対したいんですよね。Googleアドセンスで、1円でも10円でもいいんですよ。期間内でやるとしたら、そんなもんしか多分入らないです。

それでも、ちゃんとブログを作って、アドセンスの審査を通過したとなれば、前例ができるじゃないですか。
3期の時に、宇井さんっていう人が、「海外ワーケーションのためにブログを立ち上げてマネタイズしたらしいよ」みたいな。

ゼロ円で終わるか、1円でも稼ぐかって全然ちがうと思ってて。これがフリーランスと会社員の違いでもあると思うんですよね。「楽しいだけじゃ終わらせない」というのがあるので。

ブログのようなコンテンツはWEB上にも残るし、立ち上げることが指定企画のPMさんたちにもプラスになるというか、恩返しにもなると思ってます。

ー美容師としての今後の展望を教えてください


僕の店舗がある福岡は、アジアの玄関口と言われてるんですよ。インバウンドが盛んで、韓国からはフェリーでもこれちゃうし。
だから、「商圏をアジアで考えたい」というのもあるんですよ。福岡から半径100キロで考えると、アジアの人口も入ってきますから、福岡-東京よりも人口が多くなるんです。
日本は、これから少子化で人口が減っていきますから、お客さんを確保するためにはアジアも見ていかないと。
だから、アジアを視野にいれて、海外ワーケーションをやってみたというのもあります。

〈インタビュー後記 byみねとも〉

タイ、アソークのオシャレカフェ

実は、わたしは宇井さんのファンです。Xでの楽しい投稿をいつもこっそり拝見していました。今回、インタビューをさせていただき、思っていた通りの楽しいお方だったので、嬉しかったのですが、それと同時に、現在の宇井さんの充実している働き方は、独立後すぐにたどり着いたわけではないということを、知ることができました。

楽しそうに見えていても、その人の歩んできた道のりには、目に見えない紆余曲折があるということを、忘れてはいけませんね。そして、「恐怖」を体験したからこそ、フリーランスとして働く覚悟ができるんだという部分にとても共感しました。

フリーランス美容師×WEBライターというキャリアが、働き方改革が求められている美容師業界に、新しい風を吹き込むことができるように、わたしもファンの一人として、さらに応援したい気持ちになりました。

このインタビュー企画は、新しい働き方LABの研究員制度第3期の指定企画「海外ワーケーション」と、あたらぼライター部のコラボ企画として研究員のノダミヤコさんがスタートしました。海外に渡航した海外ワーケーションの研究員に、あたらぼライター部のライターがインタビューをして、活動内容をご紹介していきます!

新しい働き方LAB / by Lancers

新しい働き方LAB「海外ワーケーション」×「ライター部」
コラボインタビュー記事まとめ


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