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人間社会に溶け込もうとしている宇宙人です。

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  • 読書感想文

    読んだ本の感想を書いている記事です。特に読む本に制限はつけておらず、興味の赴くまま徒然なるままに選んでいます。

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    日常の中で浮かんでは消えていく自分の思考を少しでも残せたらいいなーと思っています。自分用のメモの役割が強いので、脆い文章が多いです、、!

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    映画を観た後の感想文を書いています。英語学習も含めて主に洋画を見ることが多いです。

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フランクル哲学と小説『ヘヴン』

フランクル哲学を知った後に、一番最初に手に取った小説が川上未映子作の『ヘヴン』でした。 特に意識して選んだ作品ではなかった (たくさん賞をとっていたので、完全に興味本位でした) のですが、節々にフランクル哲学と似たような思想があって、今まさに読むべき作品だったのだと思います。 小説『ヘヴン』は読んでいて辛い場面が多いです。特にいじめの描写が強烈で、それに耐えながらお互いを鼓舞し、距離を縮めていく二人の中学生たちが描かれています。 その中学生のうち一人は主人公で中学校に通

    • このミステリーがすごい!大賞『ファラオの密室』を読んだ(ネタバレ注意)

      エジプトの死生観と密室事件が題材の面白いミステリーでした。独特の世界観にも関わらず、情景が目に浮かぶような文章とエンターテイメントに溢れた展開で飽きることなく読めました。 ミステリーのトリックなど、少し想像力とおおらかな気持ちが必要な部分があったのは事実ですが、異世界ファンタジー感のおかげで違和感なく読むことが出来ました。 それでも個人的にどうしても言及して成仏したい、腑に落ちない点が二つ。 イセシお父さん、、、それでいいんか? セティが冥界に帰る前に、セティとイセシ

      • 『完全な人間を目指さなくても良い理由』を読んで

        もし自分の子供が障害を持っていることがわかったら、私はどうするだろう? そんな疑問から手に取った本が、白熱教室で有名なマイケル・サンデル先生の『完全な人間を目指さなくても良い理由』でした。 なぜ自分が障害を持つ子供を育てる可能性に対して、踏みとどまり考えてしまうのでしょうか。恐らくその理由は、その子供が将来ぶつかるであろう多くの壁が見えるからです。 例えば、その子供が耳が聞こえないのだとしたら、耳が聞こえる人のみの議論や集まりに気軽に参加することは出来なくなるでしょう。

        • ナチスは「良いこと」もしたのか?

          なかなか目を引くタイトルにつられて、本屋で思わず購入した本が『ナチスは「良いこと」もしたのか?』でした。 何か情報を得るときによく起こるのが、その情報のなかに事実だけではなく誰かの意見が混ざっているということでしょう。 この本ではナチスが「良いこと」をした、と主張するときによくつわれる事例をもとに、足りない情報を紹介し、そこに長年の研究者としての解釈を付け加えるというのが主な流れでした。私も実際全く知らなかった事実を知ることができて、とても興味が湧きました。 しかし、結

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          【オーストラリア・ゴールドコースト旅行記録①】 個人手配 vs HIS ツアー

          久しぶりの海外旅行にオーストラリアのゴールドコーストへ行くことになりました!日程は2月下旬というオーストラリアでは真夏の季節です。 今まで海外旅行はツアーで行くことが多かったのですが、今回は時間があったので個人手配にチャレンジしようかと考えて、どっちが安いのか比較してみることにしました。 条件は、 3人1部屋 出発日一ヶ月前の比較 です。 結論 ツアーの方が安い! 個人手配の方が安いという先入観を持っていましたが、ツアーの方が断然手間も少ない上に安いという結果

          【オーストラリア・ゴールドコースト旅行記録①】 個人手配 vs HIS ツアー

          Perfect Days を観た

          人は名前を与えることでその現象を認識し、理解することができると言われています。 早朝の竹箒の音 遠くで鳴くカラスの声 二度と同じものはない空の形 全く同じ平凡な日に見えても、そこには確かに新しい何かがあって、それは優しく私を包み込んでくれているようです。 主人公の平山は恐らくずっとトイレ掃除をしてきた人ではありません。仕事への姿勢や明らかに富裕層と見える妹とのシーンが示唆していると思いました。 しかしどのような経緯でこのような生活にたどり着いたのか、劇中では全く語

          Perfect Days を観た

          山田太一『異人たちとの夏』 を読んだ

          珍しく私の両親がそろって良作だと言った作品が、山田太一の『異人たちとの夏』でした。(二人とも趣味がかなり違うので、両方が気にいることが少ないのです。) ほとんど忘れかけていた、他者からの関心と愛情の中にいることの心地よさを思い出しました。小さい頃、親の気配を感じながら自分の身の安全さを疑いもせず眠ったこと。あの眠りほど幸福感を感じるものはないでしょう。 ある程度成長すると誰かに守られることよりも、守らねばならないという義務感の方が強くなりますよね。 この小説での被保護感

          山田太一『異人たちとの夏』 を読んだ

          大江健三郎『死者の奢り』 を読んで - 絶望の中にあるのは希望だ

          英語タイトル: Lavish Are The Dead (死者は贅沢だ) 大江健三郎の『死者の奢り』を読みました。小説内に出てくるように死体を保存するためにアルコール水槽に漬けることは実際には行われていない (そもそも死体保存に適さない) ようですが、あたかも目の前にあるかのようなリアルな描写が印象的でした。 終始、死体から漂う混沌とした絶望的な雰囲気を感じる物語です。しかし私は読み終わった後、絶望感とは全く異なり、希望への豊かな士気が込み上げて来ました。 それは主に主

          大江健三郎『死者の奢り』 を読んで - 絶望の中にあるのは希望だ

          凪良ゆう 『汝、星のごとく』 を読んで

          凪良ゆうの『汝、星のごとく』を読みました。 この小説を読む間、高校を卒業して上京し、初めての一人暮らしを始めた時のことを思い出しました。最初は今までの人生の中で一番自由な生活に興奮して心を踊らせたものの、両親の温かい鳥籠の中で育んできた理想郷はどこにも無いことに気づき、打ちのめされた時期でした。 "完璧なものなどない" という当たり前の事実を受け入れるのが辛かったのです。 それは東京という、自分とは違う生い立ちを持つ人、そして多様な生き方が混在する環境で、自分が望む望ま

          凪良ゆう 『汝、星のごとく』 を読んで

          太宰治『斜陽』 - 生きる覚悟を持つということ

          誰でも一度は自分の死を考えたことがあると思います。生きる力が湧いてこない。生きるのが辛い。そんな心の内を誰かに相談したところで、大抵の人は決まって生き続けることが正義だと語るんではないでしょうか。 「なぜ、生きるのか?」 この答えに対して、私は利他的な理由は簡単に見つかるけれど、利己的な理由を見つけることができていません。 欲もなく、生活力もなく、身勝手にすらなれない。生きる力がなさすぎる人間はどうすればいいのでしょうか。 直司は自分が自死することを自然死と表現しまし

          太宰治『斜陽』 - 生きる覚悟を持つということ

          ゆるゆるホワイト企業で働いて適応障害になった記録

          ホワイト企業で働きたいですか?はい、私はホワイト企業でしか働きたくないという強い意志があります。 しかしながら、私には超超超ホワイト企業で病んで鬱一歩手前の適応障害と診断された過去があります。 毎年たくさんの有給とフルフレックスで完全裁量性の自由な環境で、リモートで働いても何も文句を言われない。周りの人も優しいし、そのほかの手当も充実している。 なのになんで? と色々な人に聞かれました。今までこれらの疑問に答えようとすると、なかなか難しく、変に会社の悪口に聞こえるよう

          ゆるゆるホワイト企業で働いて適応障害になった記録

          映画『ドント・ルック・アップ』から学ぶ

          またまた強烈な映画を見つけてしまいました。 いやいや、こんなん起こらんやろ。。と思いながらも、痛いところを的確に指してくるような映画でした。 テーマはシンプルで "現実をみろ!" という強いメッセージが込められています。 調べてみると、現気候変動問題がこの映画を作るきっかけだった様です。確かに私も学校の授業で習うほど広く知られたことにも関わらず、どうせ起こらんやろと思っている自分がいます。この説に対しては陰謀論など、様々な雑音があり、情報の取捨選択が非常に難しいです。

          映画『ドント・ルック・アップ』から学ぶ

          Make a Wish. あなたは世界をどうしたい?

          年々欲がなくなってきている。 性欲、食欲、承認欲、どれをとってもハタチ前後の自分と比べると極端に減っている。 単なる年齢によるものかと思っていたけれども、おそらく違う気がする。 今まで感じていた世界への疑問や、反骨精神がなくなっているんだと思う。 基本的に諦めから入るような癖がついて、誰かに疑問を投げかけるのが億劫になっているんだ。 AI や機械が発達してきたのにともなって、人間が王様だった時代はとっくに終わり、何をやっても越えられない存在があることが当たり前になっ

          Make a Wish. あなたは世界をどうしたい?

          [悪い癖シリーズ] 興味がないふりをして自分を守る癖。

          おはようございます。現在私は絶賛人生振り返り期間に入っており、自分を諌めるために文章化しているところです。 さて今回の自分の悪い癖は、興味がないふりをして自分が理解できないことや知識がないことを認められず、自分を守ろうとする癖です。 本当に良くない、これ。。。 人は全知全能ではないので、そりゃわからないことたくさんあります。特に私は頭の回転が遅い自信があるので、その場で点と点を繋げて瞬時に理解するという能力が低いです。 その自覚は学生時代からありました。そこで私が覚え

          [悪い癖シリーズ] 興味がないふりをして自分を守る癖。

          [悪い癖シリーズ] 続けることに意味がある。 リセット癖、ダメ、絶対!

          白状します。私はリセット欲が人一倍あります。 今自分のために寄り添ってくれているもの、過去の自分が手にしたものを慈しむ能力が低いんだと思います。 結局社会は人と人とのつながりでできているように、物事は全て繋がっていて、何かをおろそかにするとその近くのものから崩れていってしまうと感じます。 これを「過去の成功に囚われなくていいじゃん!」とポジティブに考えてくれる人もいるのですが、私のリセット欲は "過去の成功に囚われていない" とは違うと考えています。 SNS のアカウ

          [悪い癖シリーズ] 続けることに意味がある。 リセット癖、ダメ、絶対!

          サポートエンジニアとして働いてみて

          私はとある企業で、製品サポートするエンジニアとして数年働いたことがあります。顧客は主に開発者でしたが、少々情報工学の知識があったため内定をもらうことができ、給料が良かったのが就職を決めた理由です。 サポートエンジニアと聞くと、皆さんはどういうイメージをもっているでしょうか?クレーム対応係?何でも屋さん?まぁ、大体のイメージは合ってる気がします、ははは。。なかなかの強靭なメンタルと、仏のような悟りが必要になる職業です。 私は数年前に転職してサポートエンジニアから離れましたが

          サポートエンジニアとして働いてみて