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このミステリーがすごい!大賞『ファラオの密室』を読んだ(ネタバレ注意)
エジプトの死生観と密室事件が題材の面白いミステリーでした。独特の世界観にも関わらず、情景が目に浮かぶような文章とエンターテイメントに溢れた展開で飽きることなく読めました。
ミステリーのトリックなど、少し想像力とおおらかな気持ちが必要な部分があったのは事実ですが、異世界ファンタジー感のおかげで違和感なく読むことが出来ました。
それでも個人的にどうしても言及して成仏したい、腑に落ちない点が二つ。
『完全な人間を目指さなくても良い理由』を読んで
もし自分の子供が障害を持っていることがわかったら、私はどうするだろう?
そんな疑問から手に取った本が、白熱教室で有名なマイケル・サンデル先生の『完全な人間を目指さなくても良い理由』でした。
なぜ自分が障害を持つ子供を育てる可能性に対して、踏みとどまり考えてしまうのでしょうか。恐らくその理由は、その子供が将来ぶつかるであろう多くの壁が見えるからです。
例えば、その子供が耳が聞こえないのだとした
ナチスは「良いこと」もしたのか?
なかなか目を引くタイトルにつられて、本屋で思わず購入した本が『ナチスは「良いこと」もしたのか?』でした。
何か情報を得るときによく起こるのが、その情報のなかに事実だけではなく誰かの意見が混ざっているということでしょう。
この本ではナチスが「良いこと」をした、と主張するときによくつわれる事例をもとに、足りない情報を紹介し、そこに長年の研究者としての解釈を付け加えるというのが主な流れでした。私も実
Perfect Days を観た
人は名前を与えることでその現象を認識し、理解することができると言われています。
早朝の竹箒の音
遠くで鳴くカラスの声
二度と同じものはない空の形
全く同じ平凡な日に見えても、そこには確かに新しい何かがあって、それは優しく私を包み込んでくれているようです。
主人公の平山は恐らくずっとトイレ掃除をしてきた人ではありません。仕事への姿勢や明らかに富裕層と見える妹とのシーンが示唆していると思いま
大江健三郎『死者の奢り』 を読んで - 絶望の中にあるのは希望だ
英語タイトル: Lavish Are The Dead (死者は贅沢だ)
大江健三郎の『死者の奢り』を読みました。小説内に出てくるように死体を保存するためにアルコール水槽に漬けることは実際には行われていない (そもそも死体保存に適さない) ようですが、あたかも目の前にあるかのようなリアルな描写が印象的でした。
終始、死体から漂う混沌とした絶望的な雰囲気を感じる物語です。しかし私は読み終わった後
ゆるゆるホワイト企業で働いて適応障害になった記録
ホワイト企業で働きたいですか?はい、私はホワイト企業でしか働きたくないという強い意志があります。
しかしながら、私には超超超ホワイト企業で病んで鬱一歩手前の適応障害と診断された過去があります。
毎年たくさんの有給とフルフレックスで完全裁量性の自由な環境で、リモートで働いても何も文句を言われない。周りの人も優しいし、そのほかの手当も充実している。
なのになんで?
と色々な人に聞かれました。今
映画『ドント・ルック・アップ』から学ぶ
またまた強烈な映画を見つけてしまいました。
いやいや、こんなん起こらんやろ。。と思いながらも、痛いところを的確に指してくるような映画でした。
テーマはシンプルで "現実をみろ!" という強いメッセージが込められています。
調べてみると、現気候変動問題がこの映画を作るきっかけだった様です。確かに私も学校の授業で習うほど広く知られたことにも関わらず、どうせ起こらんやろと思っている自分がいます。こ
Make a Wish. あなたは世界をどうしたい?
年々欲がなくなってきている。
性欲、食欲、承認欲、どれをとってもハタチ前後の自分と比べると極端に減っている。
単なる年齢によるものかと思っていたけれども、おそらく違う気がする。
今まで感じていた世界への疑問や、反骨精神がなくなっているんだと思う。
基本的に諦めから入るような癖がついて、誰かに疑問を投げかけるのが億劫になっているんだ。
AI や機械が発達してきたのにともなって、人間が王様だ
[悪い癖シリーズ] 興味がないふりをして自分を守る癖。
おはようございます。現在私は絶賛人生振り返り期間に入っており、自分を諌めるために文章化しているところです。
さて今回の自分の悪い癖は、興味がないふりをして自分が理解できないことや知識がないことを認められず、自分を守ろうとする癖です。
本当に良くない、これ。。。
人は全知全能ではないので、そりゃわからないことたくさんあります。特に私は頭の回転が遅い自信があるので、その場で点と点を繋げて瞬時に理
[悪い癖シリーズ] 続けることに意味がある。 リセット癖、ダメ、絶対!
白状します。私はリセット欲が人一倍あります。
今自分のために寄り添ってくれているもの、過去の自分が手にしたものを慈しむ能力が低いんだと思います。
結局社会は人と人とのつながりでできているように、物事は全て繋がっていて、何かをおろそかにするとその近くのものから崩れていってしまうと感じます。
これを「過去の成功に囚われなくていいじゃん!」とポジティブに考えてくれる人もいるのですが、私のリセット欲
サポートエンジニアとして働いてみて
私はとある企業で、製品サポートするエンジニアとして数年働いたことがあります。顧客は主に開発者でしたが、少々情報工学の知識があったため内定をもらうことができ、給料が良かったのが就職を決めた理由です。
サポートエンジニアと聞くと、皆さんはどういうイメージをもっているでしょうか?クレーム対応係?何でも屋さん?まぁ、大体のイメージは合ってる気がします、ははは。。なかなかの強靭なメンタルと、仏のような悟り