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初心者には気軽にお茶を美味しくたしなむ「野点(のだて)」がおすすめ


◆野点(のだて)とは

野点とは、屋外でお茶や抹茶を入れて楽しむ茶会のこと。

茶室や和室などでの従来の茶会などでは、「お作法(お点前)」や「道具」などかなり重視されますが「野点」は、細かい作法が簡略化され、屋外でお茶を楽しむ
いわば和製ピクニックであります。
いきなり緊張感のある茶室やお作法など初心者ではかなりハードルが高いので
広々とした屋外の自然や風を感じながら、5感を使ってお抹茶を味わい
リラックスした状態の一服を体験いただくのがオススメかと思います。

井の頭公園でグリーンティーピクニック(野点)をした時の様子
お作法だけ永遠に繰り返すより、歴史や禅の話に詳しい師匠やお茶の先生に出会えたら哲学や教養などお茶の世界がより広がって面白くなってくるかと・・・。

◆野点の歴史

茶書である「南方録」に、
1587年(天正15年)、千利休が豊臣秀吉のために箱崎(現在の博多)の海浜の松原で松の葉をかきよせ、これを燻べて湯を沸かし、
風の音や煙のなびく様子を楽しみながら(侘び寂びの世界)
茶を点てたことが野点のはじまりといわれております。

また、同年1587年(天正15年)10月1日、豊臣秀吉が京都・北野天満宮にて大茶会「北野大茶湯(きたのおおちゃのゆ)」を催し、参加者を限定せず身分にこだわらず広く参加を呼び掛け、建てられた茶屋は800あるいは1500とも言われる。
派手さを好む豊臣秀吉ではあったが、参加者を限定しなかったため
質素倹約な茶の湯を行うようお達しした。
※まぁこれには諸説あり、単に自分の茶道具を目立たせたいだけという理由もあったようですが・・・。
千利休による粋な茶フェスが開催されたというわけでございます。

◆天下人の秀吉自ら「お茶」を点てていた

天下統一を茶会の開催でアピールした秀吉ではありましたが、
お茶好きとして知られる味のわかる「茶人」だったようです。

◆戦国武将が遠征の途中や鷹狩などの休憩時に茶で一服

まずは、緊張感の中で飲むお茶も印象深いですが
いつ命を落とすともわからない戦国時代、一杯のお茶が心を癒すリラックスタイムだったのではないでしょうか・・・。

◆野点に使う道具

抹茶を点てる場合、道具は基本的に茶碗と茶筅(ちゃせん)があればよく
あとは湯をわかすヤカンや調理器具があればよい。
公園で一服などの場合、保温性の高い魔法瓶に熱湯をいれて利用すれば
気軽にお茶を楽しむこともできます。

茶碗と茶筅(ちゃせん)

◆野点の作法や精神

野点においては余りこれといった作法もないが故に趣をどこにおくかが鍵になりそうです。

茶道の指南書である「南方録」では「定法なきがゆえに定法あり」と示されており、景観に心を奪われ過ぎるのも雑談など行楽に興じてしまうのも芳しくなく、相当な名人でもなければ難しい。
場所の選定にあたっては、その土地で「いさぎよき所」(「清々しい場所」の意味)を選ぶ他、使用する器物(茶道具)は水で濯いで清潔にすることを第一とするなどの心得が示されている。
その一方で、元より形式外のものであるため、上等な道具を使うことを良しとしながらも、その場に応じて執り行うべきだともしている。

まずは、難しく考えすぎずに、
綺麗な景色を借景に美味しくお茶をたしなむ時間を楽しみながら
茶道やお茶に関するお作法や禅の心など
徐々に習得していくのもありなのではないかと考えています。

お気に入りの場所で好きなお茶をいただく。誰にも邪魔されない特別なひととき
子どもでもお茶は点てられるのでもっと身近に感じてほしい
一期一会の野点ミーティング会議をした時の様子


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