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ローンレンジャー、これぞ西部劇

 今日は「ローンレンジャー」を見た。映画ひとつ見ただけで、今日は何もしていないわけではない、映画を見たんだ、と自分に言い聞かせている。 
 なかなか良い映画だった。評価はあまり良くないが、まあ、言いたいこともわかる。この映画はいわゆる西部劇映画。少し語弊を招くかもしれないが、西部劇は話の深さや人の心情にフォーカスするものではない。敵がやってきて正義が叩く。その過程を楽しむもの。だから、そういった人情物が好きな人が最近は多く、そういった作品が多いため評価は低いのだろう。そう言った意味では、過去の西部劇の形式をしっかり踏襲したような素晴らしい作品だ。懐かしさを感じる人もいるであろう。十九の私は全く感じないが。
 この作品の醍醐味は、私が思うに登場人物の動きだ。それは話の流れの中の大きな行動や、ちょっとした所作だったりする。ジョニー・デップをはじめとする何人もの有名俳優の実力が良く発揮されていた。特にジョニー・デップの演技には感服だ。彼の演じるトントは、悪魔を殺そうとしている少し他とはズレた人物で、真剣無表情で、彼は真剣なつもりなのだが、周りからしたら全くもって可笑しい。しかし、その裏には何か隠れていそうで、見ているこちらを期待させる。そしてそれを裏切らない頭のキレたアクションを起こすのだが、その動きの最中でも、動きのシュールさや、文明人では起こさないような動き方が面白く、真剣なアクションシーンや、淡々としているシーンでも少しにやけてしまうような笑いを誘ってくる。
 この映画を観終わった後、アプリ「フィルマーク」で見た人たちがどんな感想を持ったのか見てみると、「無駄に長い」、「冗長」、「途中で観るのをやめた」など批判的な意見もありなあがら、「評価低いけど私は好き」や「癖があるけど面白かった」など、この西部劇らしさを感じ取りながら楽しんでいる人も見受けられた。
 総括すると、長ったらしく感じて、話の深さもないとも感じてしまうかもしれないが、それこそが西部劇で、その中で私たちが登場人物のアクションに興味を持って観れるか。シリアスに混ざった笑いがツボであるかどうかでこの映画の評価は変わってくるのであろう。私個人的には、ジョニー・デップを筆頭に出演している役者の自然でありながら見応えのある演技力が際立ったいい作品であるように感じた。世間が俗に言う観て損をした、と言うことはない。

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