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残像に口紅を
読んだ
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「あ」が消えると、「愛」も「あなた」もなくなった。ひとつ、またひとつと言葉が失われてゆく世界で、執筆し、飲食し、交情する小説家。究極の実験的長篇。
TikTokやらないんだけど、ネットサーフィンしてて見つけた「TikTokでバズった」って言葉に惹かれて
筒井さんの本初めて
最近の本かと思ったら結構昔の本なのね
![](https://assets.st-note.com/img/1649994700047-kD1IlskqCB.jpg?width=800)
以下ネタバレ
だんだんと世界から音が、言語がなくなっていって、それに伴ってその「存在」も消えていくお話
![](https://assets.st-note.com/img/1649995127374-qgH2R7P70N.jpg?width=800)
読み始めて、「あ~なるほどね」って理解したつもりでいたのに、どの音が消えているのか気付かないものなんだなあ
最初の方はどの音が消えたのか、何を使わない(使えない)ようにしているのかって考えながら読んでたけど、途中からもうわけわかんなくなってきちゃって諦めた
読みづらさもだんだんと強くなっていくけど、書きづらさも相当だったんだろうな
タイトルは割と序盤の方で回収
食事していて急に娘が消えるのとか、怖いよね
![](https://assets.st-note.com/img/1649994732016-mZVUnx08Si.jpg?width=800)
『残像に口紅を』って表現、きれいで儚くて好き。けどもっとこのあたりプッシュして欲しかった気持ち
情事シーンが長すぎた。読み飛ばした
最後の方がもうがたがたがんがん言ってるラップみたいでちょっと笑えた
下腿が痛い。股間が痛い。大腿骨の退化。のあたり、声に出して読みたくなる不思議な感じ
いろんな人のレビュー読んでたら、「賢いヒップホップ」って書いてあって笑った
けど本当の最後の最後、ちょっとエラーというかバグみたいな感じがして不気味だった
文字化けとか意味不明な言葉の羅列とかって怖い感覚と同じ
この本の表紙と相まってか、妙な恐怖感
あと、自分にとってどうでもいいものや人(名前も知らないような人)は、音を持たなかったり(=固有名詞として把握していないから)するから残りがちで、大切なものほど早く消えていく話の流れも深かった
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一番最初になくなっているのが"あ"なんだけど、思えば「ありがとう」も「愛してる」も「会いたい」も言えなくなるんだよね。「あなた」っていう優しい呼びかけも消えてしまって妻は困惑しながら「もしもし」って呼びかけるの
丁寧で優しい音や言葉が消えて、どんどん乱暴で粗雑な言い回しになっていく、それにつれて性格も荒くなっていく
やっぱり言葉遣いって大切なんだなってなんとなく思った
「ありがとう」「愛してる」だけじゃなくて、「行ってきます」「行ってらっしゃい」「おかえり」、優しい言葉たちってあいうえおが多いね
消えたはずの音を使ってしまっている箇所があるみたい(五箇所?)なんだけど、それに気付く人もすごい
"あ"から消え始めて、"ん"で終わるの綺麗
面白いというよりはこれを書こうと思ったことと書き切ったことに感銘を受けたという感じ。。。知的な言葉遊び。。。筒井さんって相当頭が良い方なんだろうな
書きたいこと(言いたいこと)の音が消失しているから使えなくても、他の言い回しとか言葉を使って表現するの。さすが言葉のプロ
自分の語彙力の無さに気付かされる
私は五十音しっかり使えるのにこんな感想しか出てこない、というかこの物語の設定は日本語だからこそできることだよなあと思った
多様性あふれる日本語の強みと魅力
読んでいる最中、どうやって書いたのかが気になって気になって何回も集中力が途切れちゃった。ストーリーを先に書いてから消す音の順番を決めたのかなあ、気になる
解説が面白かった
言葉が好き
難しかった~~~~~
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