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言葉が軽い教員は、無駄弾撃ちすぎ。

言葉で生徒を導くことが教員の仕事です。

言葉で人を動かすには、確実に技術が必要です。

この記事では、言葉が軽い教員の特徴を紹介していきます。以前の僕のことです。

そんな僕ですが、さまざまな本を読んで勉強したり、言葉が重たい同僚の先生を真似たりして、今は以前より言葉の重みが出てきたと自負しています。

教員向けに書きましたが、どの業種の指導者にも当てはまる内容だと思います。「言葉が軽くなる教員の特徴」を5つの項目に分けて書きました。文量が多くなるので、この記事では「無駄弾撃ちすぎ」について、論じます。


■言葉が軽い教員の特徴5つ

  1. 無駄弾撃ちすぎ

  2. ベタなことを言う回数が多い

  3. Aさせたいとき、Aという

  4. 言葉を放つタイミングと環境にセンスがない

  5. 非言語コミニケーションと一致していない


無駄弾撃ちすぎ

生徒の心に刺さる言葉は、短く、たまにしか放てない。

これは不変の原則です。

2時間ある映画において、2時間ずっと感動の場面が続くことはありません。最後のワンシーンで心を動かしてきます。

たまにしか言わない本気の1発を ここぞというタイミングで放つことで、生徒の心は動きます。

■無駄弾と認識される怖さ

毎日毎日、生徒にマジ顔マジトーンで心を動かそうとする良い言葉を放ち続けると、生徒はそのトーンに慣れてきて話を流し聞きするようになります。

音は聞こえてくるけど、心まで届いていないという状態です。

「もっと元気に挨拶しましょう」と毎朝言いすぎると、その言葉は日を追うごとに軽くなっていき、効き目ゼロになります。効き目ゼロの言葉こそ無駄弾です。

「静かにしてー」「話をきいてください」と注目を求める言葉を教室にいる生徒たちに投げかけるくらいなら、逆に黙って教卓の前に立っている方が得策です。集団がだんだん静かになっていき、先生の話を聞く空気が出来上がっていくからです。無駄弾は打っても効き目がないので、打たないことです。

”打っても打たなくてもいい”ではありません。打ってはいけないのです。

1年間担任をしていると、本当に生徒に伝えたい言葉を放つ勝負時が訪れます。例えば、いじめで困っている生徒がいたとき、「いじめは絶対に許さない」という姿勢をクラス全員の心に刺したい瞬間などです。

普段から無駄弾を撃ちすぎていると、勝負時に放ちたい 本気弾 が、生徒たちに「またはじまった」や「はい はい」と軽く捉えられてしまいます。

いつか訪れる勝負時までに 担任である自分の言葉の切れ味を高めていく心得えが必要なのです。

■宝は大事にとっておく

教育界の著名人である向山洋一先生が出した有名な指示があります。

「おへそをこちらに向けなさい。」

体育館やグラウンドの集会で、全生徒の意識を司会者に集める指示です。

この場面で、「こちらを見て、話をききなさい!」というのはセンスなさすぎます。生徒たちは、この言葉を何度も聞かされてきているからです。

「耳にたこ」の言葉は、生徒の心にひっかかりません。

「話をききなさい!」の効き目がないと、その教師はさらに大きな声を発することになります。そんな手法で生徒の注目を集めても、そのあとの本題の話が 生徒の心に届きにくくなるだけです。

向山先生の「おへそ」の指示の言葉選びも秀逸ですが、驚くことに「おへそ」の指示は、半年に1回だけ の指示なのです。

「おへそ」の指示を、毎週行われる学年集会で多用してしまうと、生徒はその言葉に慣れてきます。秀逸な指示も多様すると、無駄弾と化します。宝は大事にしまっておき、ここぞというタイミングで放つに限ります。

■言葉の重さは技術で高められる

職場でも、友達でも、「なんか この人の言葉は重たいな」と感じる人はいませんか。きっと無駄弾が少ない人ではないでしょうか。

例えば、飲みの席で 自分の専門外のことでも、べらべらしゃべりまくったりマジトーンで良いことを言おうとしまくっている上司の言葉は、やっぱり軽く感じてしまいますね。

「普段の態度や人望が言葉の重さを決める」というのは、百も承知。

でも、勉強して身に付けた技術で 言葉の重さを高められると思いますね。

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