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白pomera日記

前口上

日記再開。今回は、いつまで続けられるだろうか。(12/30更新、12/25〜30)

2022/12

12/30

ライブから帰ってきた後、風呂に入らずに寝てしまい、そのまま昼過ぎまで活動しないという不健康な1日。腿や腕が筋肉痛で、日頃、体を動かしてなさすぎなことを反省する。
鈴木みのるとタイチの動画を見たり、映画『SLAM DUNK』の本を井上雄彦インタビューを読んだり。

12/29

今年最後のライブ。毎年恒例のBUCK-TICK武道館。DIQでなく、35周年ツアーの一貫『TOUR THE BEST 35th anniv. FINALO in Budokan』のタイトルでの公演。
1987年デビューのバンドだけど、セットリストは2010年代の曲が多く、2020年の、現時点では最後のアルバム『ABRACADABRA』の曲を固めたパートがあり、最新曲「さよならシェルター」からゴスの代表曲への流れで本編が終わり、アンコール2回の最後を「夢見る宇宙」「鼓動」の2曲で締めて、幸福なフィードバックノイズに包まれて終わる。わかりやすく尖った曲は控えめで、ポップなダンス曲が要所に散りばめられ、静かに聴かせる曲がわりと多めの印象。しかし過去曲にも新たなイントロSEを加えたり、最後にテルミンを音階つけて演奏したり(いままで、ほぼノイズ発生機だった 笑)、と攻めている。歌も、表現力がすばらしいのは言うまでもなく、「さよならシェルター」をはじめ生と死を深く見つめる曲を散りばめている。35周年のオールタイムベストではなく、今、2022年のBUCK -TICKのベストの選曲を差し出してきた。つまり、いつものBUCK-TICKであって、区切りではなく通過点だということだ。
終幕後、来年の新曲リリースの発表。先行シングル「太陽とイカロス」「無限LOOP」を3月に、ニューアルバムを4月に発売。そして全国ツアーの開始。

12/28

ここ3日くらい、小説の執筆というか初稿前の準備や改稿前の準備が、進んだり進まなかったり。というか進められていない。2作書こうとして、共倒れにはしたくない。どちらも、なんとかしたい。

12/27

ダルラジ特別編が公開される。今回は最終課題の梗概全作品に対する講評。ひとまず、自分の講評のところまで聴く。名簿順で、自分のところまで1時間36分。全体では6時間のノンストップだ。
「何が書いてあるか読めない」「ブルース・スターリングのような」「仮想世界がキーアイテムにしかなっていない(ギブスン的なおざなりな聖杯ということだろうか)」「今のままでは出来事の羅列、各々がどう響き合うのか」「固有名詞を作る欲望」「どこにSF的挑戦があるのか」などのコメントをいただく。
スターリング的、ギブスン的というのは、あまり練らずに出すとお里が知れるというのがよくわかった。固有名詞の欲望というのは、批評的に深掘りされた感じ。つまり命名の欲望であり名付けることで支配したいと言う事だ。

12/25

山本タカトの原画展を見に、GSIXの銀座蔦屋書店へ。ほかにも複数のアーティストの作品展を同時にやっているためか、展示していた原画の数は少ないが画集よりも数倍の大きさでもある原画の美しさを堪能した。教えてくれた友人に感謝。ポストカードを買った。あとポオの短編集『赤い死の舞踏会』と『WIRED』最新号も。新宿でも代官山でも銀座でも、本しか買わない男だ。
飲食店はどこも混んでいるし、一人で長時間居座れそうな場所もないので、銀座からは撤退。新宿のアドホックで画集『吸血鬼の匣』を買う。もともと山本タカトの本を発見したのはここだったので。

12/24

懇親会は菅さんもいらして、4時までいろいろな話をした。
閉店後、始発まで少し時間があったため、取り残された数名でカラオケボックスへ入り暖をとる。時間的に「午前5時の新宿駅の♪」なので「てんぷら☆サンライズ」を歌い、さらに「キャプテン・ハーロック」を歌う。

12/23

SF創作講座は19時開始なのだけど、その前に忘年会としてペルー料理を食べる。料理も飲み物もとても美味しい。SLAM DUNKや、ワールドカップや、SFの話をする。
創作講座、今月の講師は菅浩江先生。講義後に個別に梗概について相談していたら、終電を逃してしまう。オールの懇親会へ。

12/22

なんだか、1日集中してやるはずのことを何もできていない。
Twitterからの引っ越し先となるだろう、mastodonのアカウントを作った。

12/21

『THE FIRST SLAM DUNK』を観た。新宿TOHOのIMAX。アニメ全般は好きだけどスラダンは漫画しか知らないものとしては、とっても楽しめた。昔のアニメ化とか(なんなら描きながら上達していった漫画原作すら)関係なく、「これが最初のスラムダンク」だという意思の元に作られ、新しいアニメの表現を達成した作品だと思う。セルルックCGアニメで、ここまでできるようになった、という表現。「絵がすごい」のではなく「演出がすごい」作品。
それでも気になる総集編感であるとか、CGと手描きの組み合わせ方であるとか、先行作品との比較であるとか、音響はじめ気になる細かな事はあるけれど、監督第一作でここまでまとめ上げれるのはただただ凄い。
(気になった点のメモ)おそらく、バスケットボールの試合における時間の流れ方と、回想シーンの時間の流れ方の違いをもっと上手く演出できるはずだと思う。/その問題含めて、気になる先行作品というのは劇場版『エースをねらえ!』と漫画の『ドカベン』対土佐丸高校編(どちらも思い出補正付き)なのだけど。/海はいかにもCGの波でいいのだろうか。それこそ「人が描いた(ような)波」を動かすことができるはずだし。/試合終了までの数十秒、完全な無音にする勇気は無かったか、とは思った。音響がけっこううるさい。とはいえ、映画館で完全な無音状態は難しく、たぶん館内の微かなノイズが気になってしまうはず(ノイキャンで消せないのかな?)。

夜は自宅から、アクセンチュアのオンライン・カンファレンスのSFプロトタイピングについての話を視聴。元WIRED編集長の若林さんの話が興味深かった。1時間で終わるのは消化不良。もっと身もふたもない話をちゃんとすべきだと思うけど、時間が足りない。

12/20

図書館から皆川博子・宇野亜喜良『絵小説』という本を借りていて、6編の小説のうち、1作だけ読んだ(期限が来て返却した)。皆川博子が選んだ古今東西の詩をモチーフにして宇野亜喜良が絵を描き、その絵をもとにした小説を皆川博子が書くという贅沢なコラボレーションの本だ。読んだのは「美しき五月に」という作品で、狼の仮面を被った少年の絵が扉になっている。転生を繰り返し、さまざまな時代と国に生まれ、そのたびに15歳で死ぬ永遠の少女の物語。ムアコックの〈永遠の戦士〉や萩尾望都『ポーの一族』のような長い長い物語が連想されるが、これはわずか2~30ページほどの短編小説なのだ。2006年刊で古書しか手に入らず。新装版でも出たらいいのだが。
ひきつづき小説ではない原稿を書き、送る。

12/19

W杯、決勝戦。すごい試合だった。アルゼンチンとフランス、メッシとエムバペだけでなく、今回の大会のいろいろな面が凝縮された試合のようでもあった。
昼間は小説ではない原稿を書く。
日が沈んでから代々木第二体育館へ出かける。最後のタカタイチ興行。鈴木みのるの試合とエル・デスペラードの試合を見ていて、表現に携わる身として刺激を受ける。観客を飽きさせないこと楽しませること、新しい場所へ飛び込んでいくこと、可能性を広げていくことの実践。最後はタイチ対鷹木。負けることで盛り上げる、次に繋げる、観客を獲得するというのも、タカタイチの魅せてくれた表現だ。

12/18

らじむん終了して日をまたぐと、W杯3位決定戦。モロッコも疲労がたまっているのかもう一つ動きに冴えがない感じ。クロアチアの勝利で、3位クロアチア、4位モロッコ。クロアチアやモロッコの戦術は日本と似ているところがあるし、見習うべきものが多いと思う。
VG+のワークショップ「小説や記事における表現の選び方を考える」をアーカイブ視聴。11日の配信時に途中からしか聴けなかったので最初から聴きなおす。勉強になったり考えなければならないことも多いのだけど、その考えを書く意味はあまりなく、実際に書く小説がすべてだろう。
夜は、遠野よあけさん、十三不塔さん、榛見あきるさんの文学フリマで買った同人誌感想会スペースを聴く。自分も寄稿している『なまものの方舟』も取り上げられる。自作「月の砂漠」も推してもらえて嬉しい。

12/17

昨日からTwitterのスペースが使えないことになっていて、慌てていた。というのも、藍銅ツバメさんと榛見あきるさんのYouTube配信ラジオ「らじむん」の忘年会スペシャルとして、スペースでの配信トークを今日やることになっており、ゲストの一人として僕も声をかけてもらっていたのです。
スペースが復活しなかった場合にはZoomとYouTubeでいこうなどと昨晩のうちに関係者できめていたのだけど、無事不具合は直り(勝手な仕様変更、サービス停止ではなかった)スペースでの配信を敢行。ゲストが10人ほどいて、4時間くらいわいわいと話す。

12/16

SF創作講座の〆切の日。最終課題の梗概をなんとかまとめ上げて出す。昨日までまったく別の作品を2案考えていて、どちらも書けないと判断して没に。新規に立ち上げてなんとかした。
もっとも作中のモチーフのいくつかは元々ネタ帳にあったもので、さすがにゼロからの立ち上げではないけど。選んだ舞台はモロッコ。さて、どうなるか?

12/15

W杯準決勝。モロッコはフランスに敗戦。試合のたびにモロッコの若い友人たちとやりとりしてきたが、躍進もここまで。日本と同じような立ち位置で、しかし日本にはまだ足りない強さを持ち合わせていたチームだった。
ナショナルチーム同士の対戦は、自ずから国どうしの歴史を思い起こさせることになる。12/11の日記の繰り返しになるが、もちろんモロッコはかつてフランスの保護領であり、現在のフランスにモロッコからの移民も多く、一方でモロッコ国内では今もフランス政府や資本の影響は強い。公用語の一つはフランス語だ。スポーツに政治を持ち込むなと言ったところで、国ごとのチームというものがそもそも政治的なのだから、観客は、とくに両国のサポーターは色々な思いを抱えて見るだろう。
いっぽうで、フランスの代表メンバーの多くはフランス国外にルーツをもっているし、モロッコの代表メンバーも半数以上がヨーロッパで生まれ育ち強豪チームの育成リーグにいた選手だという。W杯は、国のフィクション性、国籍や国民のフィクション性が露わになる場所でもある。モロッコの右サイドとフランスの左サイドとして、ピッチ上で何度もやりあっていたハキミとエムバペがPSGで同僚で親友どうしだというのもいい話だ。

12/14

W杯準決勝。アルゼンチンがクロアチアに勝利した、らしい。ライブでは見なかった。メッシ、最後に優勝して欲しい(という感想が日本中で、おそらく世界中で書かれていると思われるのだけど、はたして、自分の感想を残しておく意味は)。

藤村シシン講座「古代ギリシャの女神と女性にせまる」のアーカイブ視聴。先月の講義をようやく見る。今回はヘレニズム期の話題。マケドニアのアレクサンドロス大王によってによって世界が一つにつながった国際化の時代。現代社会との類似が半端ない。共同体の理想よりも個人主義、結婚に対する義務感の喪失、移動の拡大、祖先の土地の放棄、男性にとっての(移動と戦いを伴う)新しい仕事、貧富の差の拡大、子殺し・育児放棄の増大。そうして、ギリシャ世界が人口減少と衰退に向かっていくのだ。現在のグローバル化した世界における、日本に限らない問題がすでに生じていたという講義。「歴史は繰り返す」という言葉について、表面的な物語の展開を意味するのではなく、構造が動的に変化する際の規則性・法則性を指しているものだとすれば、とても納得できると思った。今期は毎月スリリングな話題が多くて、それがとても楽しい。

夜、NJPW Worldでプロレス観戦。鈴木みのるから、鈴木軍解散宣言。11年続いたユニットが今年いっぱいで終わるという。少しの寂しさと、これからへの期待、楽しみがある。鈴木や、他の誰かが引退するわけではないし、メンバー間の関係が悪化したわけでもない。それぞれのやりたいことが変わってきたからという解散の理由はとてもポジティブだ。もちろん表では言えない理由もあるだろう。ビジネスの世界だ。しかし、諸々を飲み込み、乗り越え、変化していくことはとても肯定的な出来事だと思う。

12/13

朝から雨。この冬いちばんの最悪な気候。半年前に予約した通院が、こんな日に当たってしまう。車で関東中央病院へ。検査も診療も午前中で終わったのでよかった。
帰り道、雨が上がったのでスタバで休憩。読みかけの『「書き出し」で釣り上げろ』と『パラレルワールドのようなもの』を少しずつ読む。小説技法の本には大事なことが書いてあるのだけど、アイデアに詰まっているとどうしようもない。
2時間ほどして店を出たら、また雨になっていた。寒い。近所の店で、昼食用に手作りの餃子を買って帰る。

12/12

朝から起きたのだけど、出かけるときには昼になっている。この時間の浪費をなんとかしたい。千歳烏山へ。図書館で予約していた本を借り、餃子定食の昼食を食べ、スタバで課題の検討。喫茶店ではノイキャンのイヤホンで音楽聴きながら作業していることが多いのだけど、外したら隣の席の女性二人の恋バナ、真面目な相談事が耳に入ってくる。
帰宅してから、人間椅子アンソロのスペースを聴く。友人から自分(たち)の書いた小説の感想をもらう。

12/11

W杯。モロッコ対ポルトガルはモロッコ勝利。フランス対イングランドはフランス勝利。
モロッコはこれでアフリカ勢初のベスト4進出。ジブラルタル海峡を挟んだ、マグレブ、イベリア半島地域最強ということになる。前回のW杯ではこの3カ国とイランが同グループで、順当にスペインとポルトガルが進出したはず。躍進がすごい。
準決勝はフランスとの対戦。かつてフランスの保護国であり、今でも公用語にはアラビア語、ベルベル語等に加えてフランス語が使われている国だ。地方都市はともかく、カサブランカではフランス語の案内や看板も多い。僕の友人たちも、当時学生だったけれどアラビア語、フランス語その他をちゃんぽんにして話していたし、SNSの書き込みもそうだった。どこにでもある、若い人特有のブロークンな言葉遣いということだけど。3日後が楽しみだ。

VG+のオンライン・ワークショップ「小説や記事における表現の選び方を考える 〜誰かの足を踏まないために〜」に途中から参加。ライター、作家、翻訳家向けの、さまざまな場面での表現について。だいぶ予定時間を超えて盛りだくさんのトピックで話されていた。アーカイブがあるので、あとで最初から見直したい。

12/10

W杯。今日は見なかったけれど、アルゼンチンとクロアチアが勝利。
この日記の12/9までの1週間分を、元になるメモを書き直しながらUPした。
W杯のおかげで視聴が後回しになりがちな『水星の魔女』と『チェンソーマン』をAmazon Primeで見る。

12/9

上北沢の図書館へ本を返却して、地元のスーパーで金曜日2割引のパンを買う。神戸屋の匠水シリーズが好きで塩バターロールを選ぶ。あとパスコの山型8枚切り。
今日は夜型で18時過ぎからスタバで本を読んだり、考えたり。進行らしい進行はない。最終課題については、第一候補のアイデアがしっくりきていないというのが問題。今書くのはやめた方がいいのかもしれない。
『プロトコル・オブ・ヒューマニティ』はいよいよ認知症の問題になってきた。まだ中盤である。

12/8

千歳烏山まで片道30分くらい歩いて、スタバで読書&新作・最終課題の検討。15時には到着して、毎日、少しづつ行動開始の時間が早まっている。外の方が集中できるのと、家の中にいるとまったく運動しないので、敢えて出かけている。
山田正紀と恩田陸『SF読書会』を読んでいて、主に古典的な作品を取り上げているのだけど、いまSFを書くこと、何を書くのかについて考えさせられる。その中でも、『神狩り』について語る、山田正紀、恩田陸、ゲスト笠井潔、司会牧眞司の鼎談が興味深い。山田正紀と先行世代との違い、先行作品について、神について、この対談の後で出版される『神狩り2』について。

笠井 絶対的にオリジナルなものなんか、どこにもない。基本的には、読者が作者になるわけだよね。「すごく面白かった。終わったのが残念でたまらない」と思える小説があって、しょうがないから似たようなものをつくってやろうという発想ですよ。(中略)なにか語りたいことが作者の中にあって、それで書きましたなんていうのは、たぶん嘘だよ。

恩田 私は、「神」は「ストーリー」と言い換え可能だと思っているんです。たとえば、韓国映画と日本映画の大きな違いは、ストーリーに対する信頼性の有無じゃ無いでしょうか。日本で作っている人は、ストーリーで何かが語れるという思いを喪失している。

山田正紀、恩田陸『SF読書会』徳間文庫

また、アシモフ『鋼鉄都市』『はだかの太陽』を読む章では、ミステリとSFの違い、両者を融合させて成功するには、など語られていて興味深い。ミステリのようにストーリー構成が必然的に決まる中で、物語をドライブさせると読み手を引き込みやすいのでは、ということは考える。2冊とも読んでいないけど。

12/7

未明。サッカーW杯、モロッコがスペインに勝利。トーナメントでの勝利は初めてらしいが、相手がジブラルタル海峡を挟んだ隣国のスペインだ。単にヨーロッパの強豪に勝ったというだけではない、特別なものがあるだろう。ここもPK戦なのだが、モロッコのGKの3連続セーブが素晴らしい。モロッコの友人たちへFaceBookで祝福。

夕方、世田谷線に乗って山下≒小田急線豪徳寺まで行く。住宅街を少し歩いて古書店・七月堂まで。ドアが開くので店内に入る。レジに人がいない。無人のこじんまりとした店内は古書と新刊が並ぶ。新刊はセレクトショップというか、店主の選んだのであろう本だけが並ぶ。目当ては、詩の出版社としての七月堂が出した牧野楠葉『アンドレ・パザンの明るい窓』で、奥のほうの棚に面陳されているのを発見。
しばらくして奥から高齢の女性が出てきて、今日は定休日なんですと告げられるが、とりあえず本は買わせていただけた。ドアが開いていたから入りましたというのは、不審人物でしかないと省みる。書棚は興味深い感じであったので、また行ってみたい。
豪徳寺のサンマルクでその詩集と、持ち歩いていた本を読み、pomeraで文章を書く。小説の構想を練るはずだったが、思いついた詩の断片のような言葉をメモする。

12/6

未明。サッカーW杯、日本・クロアチア戦。残念ながらPKで敗退。
夕方〜夜。新宿西口のタリーズで2時間くらい最終課題の構想を検討。その後、本屋で目当てものとその場で見つけたものを買う。
「Future is SF モード SF 宇宙」特集のファッション誌『Numero TOKYO』もその中の1冊。 柞刈、高山、酉島、倉田4氏のSF作家アンケートや橋本輝幸さんのアジアSF紹介、いま行ける宇宙旅行などテキストは楽しめた。SF風ファッション・グラビアページは、すべて永野護に負けていると思った。

12/5

なにもできないダメな日がつづくのはなぜ?
気候、体調もあるが、やらないとならないことがやりたくないから。
起きて行動する、初動のむずかしさ。

12/4

日曜日である。完全体には出勤日もないが休日もない。夜、ダルラジ特別放送としてTwitterスペースで、ゲンロンの遠野よあけさん、「ゲンロン13」にSF創作講座の新人賞受賞作品が載った河野咲子さん、田場狩さん、評論家の伏見駿一さんのトーク。おふたりの作品のことや今後のこと、周辺状況などについて興味深い話を聴く。外野から、ハードSFが少ないこと、ヴァースノベル、「役に立つ」ことなどについてツイート。適当なことを言っても話が噛み合わなくなるだけなのだけど、深掘りしたいトピックだと思った。たぶん、違う言葉で語られるべきかもしれない。

12/3

サッカー見てない日でも朝まで起きているし、かと言って十分に覚醒しているとも言えないので、おおむねボケているか寝ているかで24時間が終わる。
寸断された睡眠を日々不定期にとってる生活なので、人間としてどうかと思う。

図書館で予約した本が届いているので、夕方になってから借りてきた。寒かった。日が出ているうちに行動しないから尚更だ。
予約本2冊、ついでに書架から面白そうな本を2冊。隅から隅まで読むということはおそらくなく、参考資料として、あるいはインスピレーションの源としてパラパラめくるだけで返却するのだけど。
読みかけの長編小説が、借りているもの1冊と買った商業本2冊と同人誌1冊あるので、ちゃんと読むという意味ではこれらが優先。

12/2

W杯予選リーグ、グープルE、Fの第3戦。まずモロッコが勝利して1位通過、つづいて日本がスペイン位勝利して1位通過。この日記は後日に書いているから淡々と記述してしまうけど、スペイン戦はほんとうに驚いたし興奮した。中継見ながら起きている友人たちとツイッターでやり取りし、試合終了後はFaceBookでモロッコの友人たちと喜びを分かち合う。
三苫は攻守ともにすごい。今大会は、2010年南アフリカ以来ひさしぶりに集中して見ているのだけど、あのとき日本ができたことと今できることに、個人でもチームでも格段の差があると思う。
スタジオでは影山優佳が点数、見どころ、キーマンすべて予想当ててすごい。ちゃんと休んでください。

寝て起きて、千歳烏山のバーガーキングとスターバックスで読書と新作の構想。正確には、以前書いた作品の公募用の改稿。
実際に原稿を書く前の準備は、プロットその他作家によって色々なやり方をしているのだけど、ちょっと新しいこと(当社比で)を試してみることにした。

12/1

冬支度が整わないまま、12月になった。寒い。
夜は手塚眞の映画3本目「black」を見に行った。
出演していたポールダンサーCayさんを交えたアフタートーク付き。ダンスの映像を収録することと、ダンスをモチーフにした映画を編集することがまったく異なるという話が興味深かった。
フィルムに写っているものは(今はデジタルだけども)、すべて映画の素材であって編集の対象なのだ。

2022/11

11/30

今年のハヤカワSFコンテストに出した『トランジ』を読んでもらっている友人から、感想をもらう。
この日記をUPした以外、特に何もできていない。
しかも明日から寒いらしい。絶望的だ。

11/29

チャールズ・ストロス『残虐行為記録保管所』を読み始めたが、最初の1章から、思いっきり自分が今期の創作講座で書いた「新宿ラビリンス」であり「無名(関数)祭祀書」であって、先行作品を当たる目的で手に取ったのだけど、かなりやばい。
再びイメージフォーラムへ。手塚眞アート映画州『Visualism』のプログラム「white」を観る。アニメーションと実写の、映画そのものをテーマにした作品群。まとめて観ることで、見えてくるものがある。実写は(普通は)ショット/カットをいかに繋ぐかで成立しているのに対して、アニメーションは便宜上カットがあるけれど、一コマ一コマの繋ぎ方で成立していることがよく分かる。そして実写もコマ単位の編集で異なるものを見せることが、実はできるのだと分かる。そして、流れる時間の速さをコントロールする演出、編集。また、繋がれたコマとコマの間に連続した時間を生み、意味を与える上で、音楽、音響が重要な役割を果たしていることも実感できた。単体での面白さ、楽しめる、味わえる作品ということでは『MIND THE GAP』が個人的にはいちばん好き。映画が、いかに編集で成立しているか分かる作品。

11/28

昼過ぎに二度目の覚醒。3時ごろからスタバに行って、SF創作講座の最終課題について考え、文学フリマで買った小説を読む。「雨宿り二日目。」ってサークル名ではなくペンネームだった? と、思って聞いてみたら、サークル名とペンネームは別らしい。少しずつ読んでいるけど、とてもいい。
7時からVG+のワークショップ「執筆に携わる人がセクシュアルハラスメントについて学ぶ会」にオンライン参加。今回は初回の基礎編ということで会社の研修で学んでいたことと重なる内容は多いのだけど、フリーランスの立場を前提に学ぶのではやはり違う。次回以降も受けていく予定。

11/27

Twitterで『赤の自伝』に絡んでヴァースノベルについてちょっと話したのだけど。ギリシャ・ローマ神話の古典『変身物語』の原文は叙事詩形式の韻文で書かれているのだが、日本語訳(岩波文庫)は内容と描写を伝えることに注力するかわりにその形式を維持することを捨てて、通常の物語・散文の章と行分け詩の章が混在するかたちで訳されている。ヴァースノベル的な訳文。なにか、普通の形式の小説ではないものを書きたいという欲求はある。
W杯、モロッコがベルギーを破るジャイアント・キリング。FaceBookで相互フォローのモロッコの友人たちに祝電的なメッセージを投稿。

11/26

オールで懇親会。ゲンロンカフェの外でやる懇親会に事務局の遠野よあけさん初参加、いつもお疲れ様です。作品から感じる霊力について、最終課題で何をやるか問題について、などなど。前回、今回と連続で梗概選出されていた瀧本さんに作品の感想を伝える。辛口のコメントをいきなりして申し訳なかったかも。話したことは大きく二つ。世界観の微妙な齟齬について。SF作品で描かれるドラマが、日常ドラマのメタファとして受け取れてしまうこと、日常ドラマでも成立するように見えてしまうことの問題について。ダメなハリウッド映画が、ストーリーの本筋と無関係に主人公の男が離婚の危機や親子の確執を抱えているようなものとは異なる、SFならでは、その世界観ならではのドラマを確立するためには。
帰宅して昼間は睡眠。
夜は映画館へ。手塚眞アート映画集「blue」を渋谷イメージフォーラムまで観に行く。3プログラムのひとつ「blue」を観た。4作品それぞれに堪能。「NUMANITE」「NARAKUE」は神話的なものを感じた。神話的なものというのは象徴性と土着性を併せ持つなにものかで、固有の土地と時間から生み出された物語が、それらを失うことで浮かび上がるなにかではないかと思う。「NARAKUE」のカメラの、地下深くへの下降と底からの上昇は、死と再生を連想した。「実験映画」はまさに映画についての映画という感じ。おそらく多くの男性監督にとって、「女優を撮る」ことが映画製作の動機の大きなウェイトを占めていると思うが、撮ること/撮られることの戦い、ときに逆転する姿が撮られている。4作品すべて音楽は橋本一子が担当していて、どれもとても気持ちよく、時に不穏で、とてもよかった。わずかに聴かれる本人ボーカルの生々しさも。

11/25

図書館。6冊返して、4冊借りる。おもに小説書くための参考文献。
SF創作講座、新井素子先生回。梗概講評では、自分が裏SF創作講座に投票した2作品が選出された。おめでとうございます、と共に、あまり注目されていない人を応援する観点も踏まえて投票しているので、拍子抜けなところも。でも2作ともそれぞれのベクトルで素晴らしいので当然の結果という気はする。他の2作は初選出の人なので、こちらも、おめでとうございます。実作講評で、新井素子さんがNさんの作品を、途中まで素晴らしかったからこそ、この終わり方はないだろうと、厳しく、かつ感情的な言葉で講評されていて、とても羨ましく思う。

11/24

午前1時からのスペイン・コスタリカ戦。スペインの圧倒的勝利。パス回し、ボール支配率がとてつもない。前半で3−0になったので見るのやめたけど、最終的に7−0とは。試合順が異なっていて初戦が日西戦だったら、日本も同じ結果になっていたかもしれない。

11/23

W杯の日独戦。歴史的勝利。
他の国の試合のインタビューを見ていて気づいたのだけど、強豪国と戦う下位チームの試合前のコメントで、「歴史を作る」という言い方が目だった気がする(サンプル数2とか3なので印象論の域を出ないけど)。いっぽう日本では、オリンピックでもその他の大きな大会でも「勇気を与えたい」いう言葉を使う選手が多いと思う。後者は選手自身で叶えられるものではなく論理的に無理があるのだけど。能動・受動・中動態の混乱? 主語・主体の曖昧さ? 「歴史」という言葉がもつ、時間の経過のなかで積み重ねていくものを語ることが、日本では回避されがちな気がする。

11/22

金沢旅行2日目。新しく建てられた石川県立図書館へ。円形の解放された空間、外側、上側へと年輪のように並んだ書棚、そこに面陳されたさまざまな分野の本の表紙。訪れた人々が、本に興味を持てるようにつくられていると思った。回廊を歩いていると、自然にふだん接しないようなジャンルの本に出会えるのが楽しい。しずかに自習や読書に集中している人も多い。デスクが固まっていなくて、広い空間に散らばっているのが、自分の空有を安心して確保できる感じがする。一日中でもいられるし、なんなら住みたい。
21世紀美術館は、『時を超えるイヴ・クラインの想像力―不確かさと非物質的なるもの―』と『Sea Lane Connecting to the Islands/航路 島々への接続』の二展示をやっていた。事前情報もほぼなくアートの文脈にも疎いため何かを語ることは難しいのだけれど、インスピレーションを得たり、シンプルに目の栄養になったりした。

11/21

金沢旅行初日。と言っても現地の親友Kさんに会うための旅行なので、観光的なものは少なめ。最後に会ったのはパンデミック前、さらにSF創作講座受講前で、4年前になる。夕食美味しかった。

11/20

文学フリマ東京@流通センター。個人で出店しているK藤さん、O庭さん、S乙女さん、Yケ瀬さんのブースを訪問、新刊を購入。それぞれに忙しい中でも作られていて、素晴らしい。VG+井上さんを訪れ、生物SFアンソロ『なまものの方舟』著者献本と友人向けの取り置き2冊を受け取る。ほかにKさんも買ってくださったらしく3冊売れた計算。Sさんから文月悠光先生が出店されていると教えていただいて挨拶に伺う。9月までで詩の教室の受講を辞めてしまったので直接話せてよかった。1階のタリーズで、フィクサーのAさん、あらゆるアンソロに名前を残しているIさんの二人と、某企画の相談。大森望さんがいらしたのでアドバイスをいただく。
岡山の桃太郎Fさんから吉備団子のお土産をもらった、美味しい。手下か!? 夜はSci-Fire参加メンバー、つまりSF創作講座修了生たちの懇親会に混ぜてもらった。

11/19

夜になってから地元のスタバへ。『プロトコル・オブ・ヒューマニティ』を少し読む。

11/18

創作講座〆切。「ゴシック・ガイノイド」改め「遠い夏の記憶」実作提出。実作の後半6,000字を未明から夜遅くまでかけて書き上げた。今期の実作提出で、1日に6,000字~10,000字書けることがあることは分かったのだが、なぜそれが〆切当日にしかできないのか。けっきょく、ここまでの短編実作の提出4回で、改稿の時間を取ることは一度もできなかった。最終課題とこれからの創作のために立て直したいと思う。

(以上)

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