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甲状腺乳頭癌の話3 家族に癌報告

病院で癌宣告を受け、夫に何度か連絡をするも留守電状態が続いていました。
仕事中だから仕方がないし、また通じたとしてもどんなテンションで話したらいいのか、整理がつかないでいました。
まだ両親の方が話しやすい気がしました。
私の両親は、年齢的にも様々な病気の経験者や医療関係の知り合いも多く、この手の知識、情報は持っている方だから、何かアドバイスをもらえるかもしれないと思いました。
とはいえ、両親含め、親戚の中でも癌に罹った人は自分の知る限りはいなかったため、さすがに娘がこんな状態になっていると知ったら、だいぶ心配をかけてしまうでしょう。
とはいえ、両親に話してしまった方が私が一番気が楽になると思いました。そしてこういう時は自分優先でいいと判断しました。

というわけで、実家へ行ったのですが、珍しく、両親、姉とも揃っている中で、皆のリアクションが怖く少しドキドキしましたが、思っていたより論理的に事実を説明することができました。
すると、皆、予想していた程、驚いていない様子で、それぞれの意見を言ってきました。

「最近の検査は精度が上がっているから、以前なら癌とは判断されないような腫瘍も癌と言われるようになったからだ。」
「お医者さんが大丈夫といっているのだから、あまり心配する事はない。」
「深刻なら笑いながら言ったりしないはず。つまり大丈夫でしょ。」
「がん細胞も無くなることもあるらしいし。」
「そもそも癌ではない可能性もあるし。」
「あなたは運が強いから大丈夫。」

皆、私が落ち込んだりすることがないように、良かれと思って言ってくれている、と普通は思うところでして、確かにそれもあるとは思いますが、この人たちは本気でそう思っていたのです。
それが、その後の皆の言動から判明することとなるのです。

そして、いつも通り、世間話をしたり、お菓子など食べたり、「じゃあ、また。」「何か進展あったら報告して。」といった感じで見送られ実家を後にしました。

でも実家の皆のそういった言動は、頭の中が癌という言葉で埋め尽くされそうなところを、私を日常に戻してくれたように感じたのでした。
実家、そして先生の笑って癌宣告のおかげで「癌と冷静に向き合う」とまではいきませんが、いくつかの視点で癌と向き合うように誘導してもらえたような気がしました。

そんな頃、ようやく夫と連絡が取れたのでした。
自宅に戻り、夫に報告。
気持ちも少し落ち着いていたので、今度は一連の説明も上手く出来ました。
主人も淡々と聞いていました。
感情をあまり出さないタイプですが、感情をあまり出さないようにしていたのかもしれません。
まずはやるべき事をやって、その先を考えていこうという話で終わりました。→ 続く

お読みいただき、ありがとうございました。

追記:見出し画像は、「みんなのフォトギャラリー」から選択し、syuka_sakuraさんからお借りしました。ありがとうございます!


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