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第13話 添乗員時代⑥ コラム【それでも愉快な僕のガイド人生】

皆さんこんにちは!ミキキートスの庭野です。株式会社ケンネット様の公式サイトで連載中のコラム【それでも愉快な僕のガイド人生~耳に"知"を届けるために~】の中から、第13話 添乗員時代⑥ の中身を一部ご紹介します。

第13話 添乗員時代⑥

あぁ…愛しのふぐ刺し
添乗員デビューして半年ほど経った頃、待望の飛行機を利用するツアー、業界用語で「AIR添乗」にアサインされました。安芸の宮島、萩・津和野をめぐるツアーで、羽田発着で広島空港を利用するツアーでした。研修で羽田空港を訪れたり、座学でAIR添乗の注意点やポイントを学習はしていたものの、いざ実戦となるとやはり不安に駆られるものです。

国内のAIR添乗の場合には、機内で「お客様がどの座席に座るのか」を決めるのは添乗員の仕事になります。実は打ち合わせのタイミングでは、どの席がもらえるのかが分かりません。ツアー前日の夕方に利用する航空会社に電話をかけて、どの座席が割り当てられているかを確認する必要があります。確認は口頭で行いますので、聞き間違いをしない為にフォネティックコードと呼ばれる特別なアルファベットの確認方法を用います。例えば、10列目のB席だった場合に「10のB(びー)」と発音すると「10のD」「10のE」と聞き間違える恐れがあります。その為「10のベーカー(B)」「10のドッグ(D)」「10のイージー(E)」のように発音し、確認をします。フォネティックコードは職業訓練校時代にしっかり勉強したはずでしたが、いざ使おうと思うとすらすら出てこない物です。もっとも、一般的な旅客機で確認に必要なアルファベットは多くてもK(キング)までなので、全部覚えようとせずにKまでをしっかり押さえておけば大丈夫です。

その時のツアーは連添(れんてん:*ツアーが間を空けずに連続でアサインされていること)の2本目だった為、前日のツアーの途中、お客様がお土産屋さんでショッピングしているタイミングで航空会社に電話をしました。本当は1本1本精算まで終えてから次のツアーに臨みたいところですが、繁忙期になるとそうも言っていられません。結果として、次のツアーで使用する書類を持ち歩く必要があり、ただでさえ荷物が多い私のかばんはパンパンでした。

往路の広島便は羽田発8時30分くらいの便でした。始発電車で行っても既定のスタンバイ時刻には間に合うのですが、いかんせん初めてのAIR添乗で、準備や確認に時間もかかるだろうということで、空港近くのホテルに自主前泊をすることにしました。当然宿泊代は自腹になってしまいますが、安心をお金で買うとはまさにこのこと。空港ターミナルがオープンするのと同時に準備を始められることは何物にも代えがたいものでした。

受付のタイミングでは大きなトラブルもなく、お客様全員が機内に搭乗していることも確認がとれ、無事出発となりました。機内ではトラブルが発生しない限り、添乗員も休憩の時間になります。ただ、この時は前日に別の日帰りツアーの仕事をしていた為、やらなければいけない作業が残っており、飛行中もずっと手を動かしていました。広島空港到着後、バスガイドさんと合流しました。ここから帰りの空港までの間は通常のバスツアーと同じ動きになりますし、今回はバスガイドさん付きでしたので一気に気が楽になりました。とはいえ行ったことがない場所も多かった為、優しいベテランのバスガイドさんと運転手さんに助けてもらいながらツアーを切り盛りしていきました。

2日目まではほぼ予定通りの行程でツアーが進みました…

株式会社ケンネット それでも愉快な僕のガイド人生~耳に"知"を届けるために~
第13話 添乗員時代⑥ あぁ…愛しのふぐ刺し

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