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80年代、女が主体性を取り戻す!そして「女の時代」バブル期へ

"4本立てでお送りします♡" と宣言して始まった
この「女と性」シリーズも、後半戦です。

「顔のない娘」から「顔のない母」にはなりたくない…┃女の在り方今昔

平等になったのは「遊び」と「セックス」?男女雇用機会均等法がもたらしたもの

既に書いた前半2本⇑と比べ、女性たちの勢いが増し、世の中に存在感を示す時代の到来です!


□80年代の空気感

プレ・バブル期にあたる80年代初頭、
巷には「誰もが可能性を感じられる空気」が漂い始めます。

70年代終り 都心にファッションビルが建ち始める
      ex) 渋谷パルコ、ラフォーレ原宿
80年代初め ハマトラブーム、雑誌『JJ』、街中スナップ、竹の子族

"自己表現"としてのファッションが市場を牽引。
消費者である女性たちは、自分を見る目を磨き、「自分がどう生きようとしているのか?」という問いを持つようになります。


1983年 オールナイトフジ放送開始

深夜帯にしては異例の高視聴率を誇る、当時大いに反響を呼んだ番組です。
(「おニャン子クラブ」「 夕やけニャンニャン」…私ですら懐かしさを覚えます。※生まれてない)

普通の女子大生がテレビ出演。
「え、あの子が⁉」という、現代で言う"インフルエンサー"的な親近感を含むインパクトがあったのでしょう。
大学生でも輝けばスポットライトが当たる!
自分次第でチャンスを掴める!…そんな、希望に満ちた衝撃が人々に走ったはずです。


以上のような時代背景のもと、
80年代前半から半ば、 女性たちの間にも、"何でもできる空気感" が充満していきました。


□女性誌の創刊と、女の主体性

80年代前半は、女性向け雑誌が続々と創刊された時期でもあります。

この頃の「何でもできる」空気感と相まって、
「結婚して子どもを産んで…」というレールしかないと思っていた女性たちにとって、はじめて「自分の人生の"主体"」を考える機運が高まっていきました。

80年代は消費の時代。言わずもがな、バブルに向かって景気は上り坂です。求人は山のようにあり、転職もし放題!

前回の記事の通り、1986年に雇用機会均等法が施行され、みんながお金を持ち始めた80年代。
消費の重要な担い手は、若者であり、特に若い女性たちとなっていきました。洋服、靴、化粧品…といったもので溢れ返っている女性誌の誌面は、その様をよく表しています。

ちなみに、当時の女性の就業率は以下の通り。

生産年齢人口(15~64歳)における女性の就業率
1986年(均等法が施行された年)53.1%❣️
・2016年 66.0%

内閣府 男女共同参画局HP

雇用機会均等法が施行された時点で、半数以上の女性が就業。

処女を守って家に入り、生涯を男性のサポートに徹する時代から、気づけば遠いところまで来たものです…。しみじみ。


□バブル期=女が「いい思いをする」時代!

消費の時代の80年代は、モノが恋愛を支配した時代でもあります。

そうです。
貢ぐ君・メッシー、アッシー…、そんな言葉が世間を騒がせ、東京の女たちがジュリアナやらマハラジャやらのお立ち台で夜な夜な踊りあかしていた時代。(ザ・バブル♡を私も体験したかったー!)

ウィズニュース

景気が上向き、消費文化の時代に突入したバブルの時代、特に1983年以降、恋愛もお金をかけた物質至上主義へと変化していったのです。

その一翼を担ったのが、女性誌『JJ』。
当時の消費文化・物質主義を煽りまくっていたそう。特集記事にその様子が見て取れます。

"ホワイトデーに彼におねだりするモノ・大カタログ♡"(3月)
"クリスマス、絶対に彼から欲しいブランドウォッチ♡"(12月)

う~ん、ガメツイですね…。私のようだ

というわけで、"男性の方が、女の子を落とさなければならない" という文化が生まれ、「貢ぐ君」「メッシー」といった言葉が誕生するのですね。


□現代の「男から選ばれる女」志向って…

とはいえ、女たちも
"女である" というだけでは貢ぐ君たちの恩恵を受けられない、いい女でなければ、いい思いができない。

"生きていくための結婚"
とは別の理由で、
"男に選んでもらうために、いい女を演じる"

バブル期にはそんな新たな風潮が生まれていったのでした。

"男から選ばれてナンボ"、みたいな意識って、現代にも通じる感覚だと思います。女性誌では、今も「モテるための〇〇」といった特集が誌面を賑わせています。

一定の女の子に刷り込まれている(であろう)"男から選ばれて~"という意識って、バブル期の名残だったのだと、私は初めて知りました。太古からの"女の集合的意識" みたいな話とはまったく別次元の、ごく最近の時代背景に根を持つのですね…。


■まとめ

80年代って、日本の女性の歴史において大きな転換期を迎える時期、と言えそうです。
不遇とも取れそうな過去の時代とは、明らかに様変わり。働く女性も増え、女性たちは"主体的に" 自らの人生を切り開いていきました。

そして、迎える90年代。

「ブルセラ」「援交」「ノーパン喫茶」etc…の驚くべき言葉が登場するこの時代、かつて嫁入りの条件であった女の子の「処女」「性」はその意味を変え、とんでもない方向転換をしながら進んでいきます。

戦前から辿ってきた「女と性」の変遷。
次回は、エロ指数高めの最終回。
ぜひ覗いてみてください。



【参考文献】
『少女たちの性はなぜ空虚になったか』高崎真規子
『上野先生、フェミニズムについてゼロから教えてください!』上野千鶴子 田房永子


最後までお読みくださりありがとうございます。




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