夫と心の距離が近づいたキッカケ
私と夫は物事の捉え方も物事の優先順位も行動の仕方も人の中でのあり方も全く正反対の2人。
結婚したらちょっとギクシャクして、子育てで私が困り果てて、そこからの大どんでん返し!
一気に距離が縮まって、協力し合えるようになったキッカケって子育てだった。
そんなエピソードを振り返ってみようと思います。
結婚当初の私たちの関係性
出会ったときは、自分にないものに惹かれてそばにいたんだ。
お互いにお互いを見ていたから新鮮だったし、違う2人が同じことに取り組むのも楽しかったから、ずっと一緒にいて人生を楽しみたいと思ったんだよ。
ところが結婚したら生活するためにやらなきゃいけないことがたくさんあった。
家計管理、料理、洗濯、掃除、ゴミ出し、スケジュール管理、将来設計、おうちの管理、物の管理、整理整頓、買い物、自分の時間の捻出、仕事、両親との関係、親戚付き合い、ご近所関係、友だちとの時間……。
それぞれにおける優先順位も違えば、納得できる達成レベルも違う。
大切にしたい時間も違った。
そして生活における距離感も。
大切にしたい価値観は似ているのに、とる戦略も行動も時間の過ごし方も人との距離感も全然違ってた。
私はその違和感や困りごとをストレートに夫に言い、必要なことは要求した。
夫はその要求に困惑してた。
多分自分の理解を超えていたからだと思う。
私は何度も何度も説明したけれど、理解できないみたいだった。
私はわかってもらえない悲しみで、とても孤独を感じていた。
難しい。
でも頼れるのは夫だけだった。
ここまで突拍子もない私をそのまま受けとめてくれたのは夫だけだったから。
だから期待しちゃってたのかな、もっとわかってほしいって。
夫は自分のできることとできないことの線引きがとっても上手だったから、私の要求が無理なら線を引いた。
スッと身を引く感じ。
今思えば、これがホントにすごいことなんだと思う。
伝えても伝わらない、コミュニケーションの難しさ
私は時々やるせない想いから気持ちが爆発して、夫を責めるようにぶつけてしまっていた。
多かったのは不安が高まる日曜日の夜だったかな。
でも夫は何も言い返さずにいた。
なんか言い返してほしくて訴えたけど、絶対に言い返さなかった。
だから私は自分が言った言葉が頭の中で何度も繰り返され、翌日には整理されて夫に謝るしかなかった。
伝えるときは絶対に私の方が筋が通ってる!と思って訴えるのに、全部言ったあとは私が反省するしかなかったから不思議だった。
実家ではない体験だった。
(うちの母は1言うと10くらい返ってきたからね)
私は夫とうまくいかないのは夫がちゃんと考えてくれていない、行動してくれていないからだと思っていたんだけど、話してみると私が全部空回りしてるだけだった。
満たされない想いと自分の中での空回り。
私の中の何かがこじれている。
日々の生活での夫との距離感や関わり方に難しさを感じながら、自分と向き合う必要性を感じた結婚一年目だった。
子育てで一転!多様性を理解する
思えば私は、自分で学んだり成功したり失敗した中で体得した価値観や考え方が
「正しい、合っている、ベストな考え方」
と思い込んでいたのだと思う。
とても頭が固くなっていて、なかなか違う考え方を受け入れられずにいたんだよね。
夫の行動や言動の数々が、私の経験から得られた「良いと思われる行動」からかけ離れていて。
「違うでしょ?」
と思っていた。
「なんでなの?」
ともよく聞いた・・・というか責めるような言い方した。
このとき、夫は自分の言い分を私に伝えることはなかったので、関係は変化しなかった。
ところが、長男に療育が必要になって、というか私が長男との関係をうまく築けなくて、療育センターで色々と学ぶことになって事態は変わるんだ。
療育で聞く内容は自分の過去にも通じる話が多くて、頭の中で多くのことと結びつき、私は常に混乱していて。
どんどん自信がなくなっていく。
今まで私がいいと思ってきて、信じて突き進んできたことは一体なんだったんだろうって思った。
そんなとき、素直にその気持ちを夫に話すと夫も自分の気持ちを教えてくれた。
嬉しくなって、ついでに長男との関係のこと、距離感、子育てについての考え方も聞いてみた。
夫はどう思っているんだろう。
言葉の一つ一つが想像を超えていて、今までの自分が情けないと思った。
私の考え方が狭かったんだな。
周りを見ずにひたすら突き進んできた私がやっと立ち止まって周りを見ようと思った瞬間だった。
「世の中にはまだまだ知らない考え方や感じ方であふれているんだ」
距離感についての考え方の変化
私が夫の考えを知って一番変化したのは人との距離感だった。
人は距離感をどうやって学んできたんだろう。
私は人を疑うことを知らなくて、いいところしか見えてなくて、どんな人でも関われる。
でも人知れず色々と傷つくことは多くて、悩んできた。
今思えば当たり前!!!
でもそんなことに気付けずに生きてきて、そのときも長男との関係に悩んできた。
長男は近い距離が苦手なだけだった。
それを尊重し、夫は程よい距離を保ってきていて何も困ることはなくて、長男からも信頼されていた。
私は自分の割と近めな距離感を長男に求めていたことになる。
気づいたときは愕然とした。
人は心地よく感じる距離感があって、結構幅があることにやっと気づいた感じだった。
相手の感覚や価値観を知り、尊重する
人との距離感の違いは思っていたよりも大きい・・・そう気づいてからの私はことあるごとに夫の考えを聞くようになった。
その度に物事の考え方はこんなにも広く、いろんな見方があることに気付かされた。
その中で私は目に見えない部分にとても大事なことが隠されていることを実感した。
私が見ていた世界は一部だったし、「わたし色」のメガネで見えていたんだね。
世の中では「多様性」かっこよく言えば「ダイバーシティ」というワードをよく聞かれるようになった。
でもその意味はとても深く、捉える人によって意味合いも感じ方も考え方も違うんだろうなと思う。
私はここまで理解してやっと
「多様性の中での私らしさとはなんだろう」
と考えられるようになった。
今までは親や社会で求められていることを敏感に感じ取って、求められている人物像にならなくちゃと頑張って生きてきた気がする。
それも一つの生き方だけど、私が心地よい暮らしってなんだろう?
私の願いや実現したい想いってなんだろう?
改めて考えるようになった。
夫との距離がググッと縮まったと感じたのはそんな頃。
実はそのタイミングで長男とも縮まった。
夫も長男も「私」という人間をよく見て、感じていたんだな、と思う。
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