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あの時の焼肉

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SINの映画、レミニセンス

SINの映画、レミニセンス

※ネタバレ注意

僕はそれを繰り返す。

マイアミ・ヴェニス。
沈みゆく都市。

バッカ(麻薬)と幸せな記憶の再生に依存する人々。

「夕陽が沈んでいく瞬間が一番美しい」と彼女は言った。

僕はそれを繰り返す。

再生。確かに、音楽も記憶(映像)も「再生する」って言う。

一番幸せな記憶を追い求めることは
対比として今が幸せじゃないことを実感してしまうことでもあり、現実へ戻った時により一層現実へ苦

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幸福論

幸福論

〜満たされてしまうことへの不安は不幸なのか。という話〜

10年ほど前、もう人生でやりたいことをやり尽くしたので死ぬ以外やることがないって富豪がいる話を聞いた。

その人は最期どうなったか、まだ生きているのかは知らない。

ところで、あたしは片付けが苦手だ。それでも職場さえそれなりに整理でいていれば、家の中のことなんて、生きるのには優先順位が低い程度の物事だと思う。

そんなあたしの前に片付け得意

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幸せの記憶

幸せの記憶

大事にされた記憶があると、大事にされなかったことが判ってしまう。

知ってしまうことで、知らなかった方が幸せだったこともあるんだと、大人になったから解る。

だからみんな幸せだった頃の記憶に縋って生きてしまうんだろう。

それでもそれは無いよりある方がいい。

幸せだったのだから。

ふと、夜中にそんなことを思った。

あの日、あの時、あの場所で

あの日、あの時、あの場所で

「そこに居合わせた。それこそが運命である」

例えば、ネギが有ったから牛タンにのせてみた。
とか、
卵があったからごはんに掛けた。
とか。
お腹空いてるし、今日はアッサリとしたものが食べたいので近くにあったトンカツ屋でおろしトンカツ食べた。
だとか。

そういう日常の延長線上に、僕らは立っている。

「本店のあの味を超える焼肉はもう無いだろう。」

そんな気持ちで、僕は席に着く。
座り心地は悪くな

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強い気持ち。強い愛。

強い気持ち。強い愛。

〜死ぬほど好きだとか、殺したい位愛してるだとか〜

それ程誰かを愛せるって、その感情に突き動かされるって、怖く感じる反面羨ましくもある。

そういう風に誰かを想ったこと、あったかな。なんて、自分の過去をちょっと振り返ってみたりもしたけれど。

愛のためには死ねるけど、自分の気持ちのために誰かを殺したいとか、思ったことは無いな。
そういう黒い気持ちになる自分が嫌だからそうなりそうな時はそっと相手から

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