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休職から「覚悟完了!」するまでの軌跡(1/3)【まず何と向き合うべきか】

※あくまでも筆者の個人的な体験記です。ただ、感傷的にではなく、建設的に解決に向かうための一つの選択肢が増えれば、と思い文字にします。

実は、裏で高学歴ADHDの企業選択の考え方、について執筆していたのだが、「いやいや、そもそもどうやって休職から復帰したんだよ」というツッコミをいただきそうだったので、筆者が休職から復帰するまでに行ったハックについて記載しようと思う。
感傷的な内容ではなく、具体的な方法について書く。
なぜなら、具体的なやり方がわからないからこそ、感情の渦に飲まれて苦しんでいる人がたくさんいると思うからだ。かくいう筆者もそうだった。

今、お休みされている読者の諸君、前提としてあなたは何も悪くない。
そして、まず、お休みしている諸君に言いたいことがある。

「あなたはかなり高い確率で、栄養失調・極限疲労である可能性が高い」

【休職するまでの筆者のヤバいムーブ】
新卒1年目、フルスロットルで休職まで人生ゲームのコマを進めてしまった筆者には、いくつかコマの進みをブーストしてしまった良くない生活習慣があったように思う。まずはその生活習慣について触れたい。

①    箱買いし、1日1本毎日飲んでいた栄養ドリンク
巷では既に一般知識化されているかもしれないが、発達障害は消化機能が弱く、基本的に栄養失調の体質であり、疲れやすい肉体である。
新卒1年目の私は、JTC特有の曖昧な業務、曖昧な指示、目的なく日夜開催される親世代くらいの同僚との飲み会、に心底疲弊していた。
その疲労を”栄養ドリンク”で手軽に拭おうとしたことが間違いだった。
栄養ドリンクの成分自体が問題なのではなく、問題は”糖分”だった。

発達障害は低血糖症を発症しやすい傾向があるらしく、のちに精密検査して明らかになったのだが、糖分や精製した小麦等の取りすぎにより、隠れ低血糖症を発症していた。
その状態で栄養ドリンクにより糖分を毎日摂取していたことから、血糖値スパイクを起こし、血糖値の乱高下を起こすことにより、食後2時間後に急激に血糖値が下がり、日中の耐え難い睡魔に繋がっていたのだった。
栄養ドリンクに害があったのではなく、もともと低血糖だった体質に糖質の過剰摂取が重なった、という状態だった。

ここで言いたいことは、もともと疲弊しやすい体質を加速するような生活習慣はないか?ということだ。

②   不摂生な食事による栄養失調
ご多聞にもれず、学部卒メーカーの初任給は大手であってもビビるほど安い。平成の生活水準や物価指数考えて給与体系見直せよ、怠慢が、と思うほど安い。
私は、マイルド貧困家庭で育ったためとにかく貧しさが嫌いだった。そのため、腹が立つほど安い手取り17万から、家賃を除いた5万は貯金していた。
食費を切り詰めるために、愚かしいことに納豆、キムチなどの低価格な副菜と白米という偏った生活を続け、見事、無自覚な栄養失調となっていた。

低血糖症は特にビタミンB不足によって、より深刻化する。栄養ドリンクでビタミンBを補っていたはずが、栄養ドリングで不足を補うペースよりも、糖分と偏った食生活によるビタミン不足による低血糖症の悪化のペースのほうが早かった。また、発達障害は基本的に栄養失調である。消化器系の機能が弱く、定型発達より消化したものから栄養を吸収するのが苦手である。このことも体調悪化に拍車をかけていた。

ストレスにより、エナジードリンクや、インスタント食品、ジャンクフードなどの過食に走っていないか?これらも、低血糖やうつ状態につながる生活習慣となる可能性が高い。

③ 土日も自己研鑽する生活サイクル
当時、とにかく、JTCのおじさんたちのレベルの低さに絶望しており、こんな人たちになりたくないという一心で土日にビジネス書やプロジェクトマネジメントの指南書をカフェで読み、スキルアップを図ろうとしていた。
筆者はIT営業だったのだが、周りのおっさん連中の業績達成意識の低さや場当たり的な提案プロセスを見て、学生に毛が生えた程度の弱卒のくせに、配属されて1ヶ月で既に会社を見限っていた。
こんなおっさんたちと働くために、社会に出たわけやないわ!と絶望していた。
筆者は、新卒の就活時、人材企業の雄しか志望企業として眼中になく、そして見事に選考に落ち、泣く泣くPCやらITやらを商いとしている大手メーカーに入社した。
この会社で結果を残して、第一志望だった人材企業の雄くんに転職してやるんだからね!と誓っていたので、土日もカフェに1日居座って、とにかく知識を得て、成果に繋げようとしていた。

こうした生活は、もともと肉体疲労を蓄積しやすい発達障害には鬼門となる生活習慣であったし、まだ社会人としての基礎体力(ここでは文字通りの体力)がついていないなか、無茶をしていたと思う。
これによって、疲労が蓄積し、体調は加速度的に悪くなった。

また、カッコつけていっているが、本音のところでいうと、”曖昧模糊とした業務内容・目標”、”感覚的に業務習得させようとする風土”はADHDにとって鬼門であり、同期より業務に苦手意識を持っている自分に焦っていたことも事実だった。

このように、焦りによって肉体を休める時間を惜しむような、生活を送っていないか?周りよりできないから、といってクタクタになるまで残業などをしてしまっていないか?を確認してほしい。

言いたいことは、諸君の体質・体調を著しく悪化させる生活習慣を持っていないか?をまず確認してほしい。

【やっぱADHDじゃね?検査しよ】
上記の①~③の次第で、業務の中でのやらかしが増えていき、思ったように頭が動かず、自分で自分が信じられなくなっていった。
自分でもゾッとするようなミス(顧客の入館証紛失、打ち合わせ中の居眠り、おじさんたちのアポ同行しかできず、議事録もまともに取れない)が増えていった。

入社してちょうど1年、配属されて半年、といった時期だったが、大学時代からうっすら疑惑を持っていた、ADHD説を確かめるべく精神科でWAISを受け、グレーゾーンと診断された。加えて、朝出社する際に身体が震えて立てないような状態だったため、うつ状態の診断書も出された。

診断された日は、人生で味わったことのない絶望感を味わった。病院を出たとき、直面した人生の困難の大きさに、手足が痺れて、眼の前が白く霞んで見えた。本当に、この逆境を乗り越えられるのか、と圧倒されていた。

【うつ状態からどうやって抜け出したか】
うつ診断後、どうやって立ち直ったか、だが、結論として筆者が社会復帰するまでに7ヶ月位要している。なぜか?
”感情”と先に向き合ってしまったからである。なぜこの文章を書いているのかというと、まず向き合うべきは”己の肉体から”と言いたいからである。
でないと、諸君の貴重な人生の時間を、あまり建設的にではなく、ひどく苦しい時間を過ごすために使ってしまう可能性がある。

筆者はADHDであるが、生家は機能不全家庭だった。そして、大学生のときの就活中に、自己分析の果てに、自身が”アダルトチルドレン”であるということに気づき、精神的にかなり追い詰められた。
この経験についても、もし需要があれば書きたいと思う。

そうしたバックボーンを持つがゆえに、当時、筆者のうつとの対峙は、二十余年分の感情の吐き出し、に焦点があたってしまったのだが、本来やるべきは、”質実剛健”な肉体を取り戻すことが先決だった。

なぜ、肉体を取り戻すことが先決なのか?
想像してほしい。
1日8時間寝て、体力が満ち足りていて、ちょうど大好物の焼肉をお腹いっぱい食べている状態で、ベッドの角に小指をぶつける場合。
3日徹夜をして、身体が鉛のように重く、特に食べたくもないカップ麺を昼に食べたきりで、吐き気がするくらい空腹を感じている状態で、ベッドの角に小指をぶつける場合。

どちらのほうが、悲壮感と絶望感と苛立ちを感じるだろうか?
後者なのでは?と思う。そして、上記の2つの選択肢の描写では、一切感情には触れていない。にも関わらず、後者のほうが惨めな気持ちになるのではないだろうか。
つまり、どう感じているかは、肉体のコンディションに左右されるのである。ゆえに、”肉体”から向き合ってほしいのである。

そのことに気づいたのは休職して4ヶ月も、どうしようもない過去をほじくり返し倒して日夜泣き続け、特に状況が何も改善しない、という暮らしをしたあとだった。

この状況を打破したのが、食生活の改善だった。分子整合栄養学というジャンルらしいが、この学問の確からしさなどどうでもいい、結論として、筆者は生活を変え、かなり改善したし、何より、食べたもので肉体が作られる、というメカニズムが人間が生物である以上、普遍的だし、納得感があった。
湧き上がる感情やトラウマはすべて無視して、とにかく食べるものと食べる順番を変えることに集中した。

もちろん、過去のフラッシュバックで何も手につかない時期もあったが、そういう日は休んでいい。重要なのは、今日できなくても、明日できなくても、明後日に再度トライする気力を、その期間に回復できるかだ。できないことを決して責めないでほしい。

思ったより長くなってしまったので、具体的な生活習慣の改善は、次章で書きたい。




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