クリスマスに寄せて。Sending love from NYC

クリスマスですね。

私はクリスチャンの両親のもとに生まれました。日本でキリスト教の家庭に生まれるということは、自分がマイノリティであると認識することに繋がります。世界が権力とマネーゲームによって目に見えない形で分断されていることを、まだ無垢な子供の頃から学ばされることになるのです。

そういうごちゃごちゃを忘れられる一年に一度の日が、クリスマスでした。キーンと冷たい空気の中、一番綺麗な服を来て、寒い寒いって言いながら車にのって、家族で教会へ向かうのです。クリスマス礼拝では合唱があって、その中でカウンターソプラノを歌う母の声が誇らしくて!

私の母は、素晴らしい声を持ったシンガーで。第二次世界大戦直後に生まれたので留学などはできなかったのですが、母が歌うカウンターソプラノには、他の誰にも真似できない説得力と美しさがあったのですよ。

家族のことを思い出し始めると、いろいろな思い出が数珠つなぎで出てきます。母を含む私の家族全員が東日本の震災で大変な目に遭ったり、その後母が口腔がんになって顎と歯の一部を失って、一度は声まで失い、また歌えるかなあ講演できるかなあと心配していたのに、ちゃんと練習して数ヶ月後には声を取り戻したこととか。翌年、母に復活ミニ・コンサートをやってもらおうと、NYで場所を取ってピアノを用意して、母は本当にお友達と一緒にNYへやってきて、コンサートで歌いまくって、聴いてくれた友達がみんな号泣したこととか。去年コロナ禍で心配をかけたので、今年は母の誕生日に合わせて日本へ行ったこととか。父はワアワア騒ぐタイプではないのだけど、心底喜んでくれて、一緒に散歩に行ったんだけどその日がとにかく暑くて…ペットボトル片手に給水しながらたくさん歩いて…楽しかったなあ、とか。

あああああああ、なんだか、今年のクリスマスは、私の記憶の連鎖を引っぱりだして、引っ張り出して、全然止まりません。

クリスマス当日に寄せて思うのは、感謝ばっかり。凄い一年だったから、生きていて、これを書けているだけで、まず、感謝。

  • 6月から12月中旬までのコンサートが戻ってきた時期に、素晴らしいライブを何度もやれたことに心から感謝。

  • そのライブで、自分の周りにはこんなに素晴らしい仲間や友人がいるんだ!と思い出せたことに心から感謝。

  • サンタになって、小さな姪っ子や甥っ子にサンタからの手紙を書けたことに感謝。

  • パートナーのエリオが、今年も一年「人生をフルに生き、最高の人間であるためにはどう生きればいいか、を見せてくれる最高のモデル」であり続けてくれたことに感謝

  • 今年もたくさんの人生の教訓を得たことに心から感謝。

  • 家族が、生きてくれていて、感謝。


と、同時に、"ホリデー中は単純に100%ハッピーでいたいけど、無理 "という気持ちもあります。

日本へのフライトをキャンセルした友人がたくさんいるのです。彼らがどれだけ家族に会いたがっているかを知っているので、心がちぎれそうです。病院に入院している友人もいれば、仕事を失ったばかりの友人もいます。家族が病院にいる人も、クリスマスの直前にコロナの陽性反応が出た人もいます。今年、大切な人を亡くした人もいます。(私も大事な先生であり友達であったスライド・ハンプトンを失いました。おじを亡くした時は本当に日本に帰りたかったけど帰れなかったし。)そういうお友達には、幸せにクリスマスを過ごすなんて、かなり難しいと思うのです。そんなお友達にも、少しでも楽しい、良い感じの瞬間があること、またそれを、少しでも楽しめることを強く願っています。


こういうことを書きたくなる、ということは
毎日毎日気にかけ、考えて、愛を送ろうと思ってしまう友人知人や家族親戚が私の人生にはたくさんたくさん、山程いてくれる、ということの裏返しです。

私は人生を「愛情をシェアしあうための場であり、楽しむためにあるもの」と定義していて... 今年はそれを実現できた年だったのかな、と思います!

というわけで
結論はありませんのよ、この投稿には!笑
ただの随筆です。

一行で言うと、私は皆さんを愛していますし、皆さんのことを本当に大切に思っています、ということです。あなたが幸せであることを、心から願っています。ハッピーホリデーズ!!!

宮嶋みぎわ

一番最近撮った写真がこれでした!セントラルパークにて



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