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#短歌

その一葉

その一葉



取り残された一葉が
風に吹かれて身を離す
この時に抗うわけでも
ましてや待つでもなく
ただ落ちる

小川の水面をゆらゆらと
役目を終える葉を抱え
水の流れのその先にあるものは
恐らく次の春

少し眩しい日の光に
手を翳したわたしは
運ばれるままの一葉を

見送った



短歌
#詩 #短歌 #創作

銀杏

銀杏

遊歩道近く。強い風が吹いて、もう葉を落とした銀杏の木があった。

短歌と詩

葉を散らし時のままただ立つ銀杏
いさぎよくでも惜しむでもなく

うっすらと色の広がる夕陽を受けて立つ銀杏
ついこの間まで黄色に照り映える葉の下で、子供達の遊ぶ姿を見たはず
寂しかろうとか
心細さの中で佇む姿も美しいなどとは
人間様の勝手な思い

日がすっかり落ちる前に
灯りのある部屋で
一服の熱いお茶でも飲もう

銀杏散

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散文詩 相生(あいおい)

散文詩 相生(あいおい)

気がつけば口をつく繰り言は
先に旅立った父に向けられたものかどうなのか

そうかと思えば毎年実を付ける金柑に手を入れ
玄関先には母の育てる鉢植えがひとつまたひとつと増えていった

何が本当で何が嘘なのか
夫婦は互いの影を踏み
知ってか知らずか
やがてはそれも気にならぬ程
重なりあった影となる

あれから長い年月が流れ、母の娘は夫の影と
どれほど重なりあっているのだろうかとため息をつく
ガラリと窓を

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詩 忘却へ

詩 忘却へ

誰とここに居て
誰とこの風に吹かれたか
それを覚えていよう

荒ぶる気持ちを
声なき祈りを
その波間に放った日々

遠く凪いだ水平線
心のひだを写すように
その姿は刻々と変わり
明日の姿は朧の夢
それでも悠々と
果てを見せずにそこにある

ひさかたの
ひかりを受けて語る海
この身の枷を
知ってか知らずか

今を目に焼き付けてそして忘れよう  

今日と、過ぎた後の明日をも忘れよう

見つめるわたし

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詩 さざれ波

詩 さざれ波

あたり一面
わたしの渡るみなもには
さわさわと
小刻みに波が立つ
それは背を押す
風の声

さざれ波
立つ瀬を渡り
ふりかえり
風の旋律
ひかり集めて

そよとわたしの頬を叩き
やがて何も残さずに
きえた

さあ行こう
まだ道は続く

・・・・・・・・・・・・・・・・・・

こんな事やっちゃっていいのかな?🤨

短歌部分の「さざれ波」は、立つにかかる枕詞としても

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詩人の本懐参加作品

詩人の本懐参加作品


詩人の本懐というTwitter内でのタグ企画に参加してみました。
日替わりでお題が出され、そのお題に合った詩やショートストーリー、俳句短歌等を投稿するのですが、時々やってみるのも面白いかなと思いました。
特に何があるわけでは無いので、noteにもシェアしたいと思います。
お題はそれぞれの下に記載してあります。
※自身の作品をTwitterから転載いたしました。

流れる星のあとさき夜空を走る流星

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