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2018年3月の記事一覧

三作品へのオマージュとして

三作品へのオマージュとして

緋は沈まずー旅立ちー

日曜作曲において花介さんが発表された『緋は沈まず』
実はこの曲を聴いて、とにかく感動したのは昨年の11月のことです。

今わたしはkusabueさん、悠凜さんとご一緒させていただき、俳句と140字小説とイメージ画像からなるコラボ作品集(マガジン・トリコロールコラボ)に参加させていただいてます。
今回ご一緒させていただいた《桜》で悠凜さんから俳句と小説をいただいた時、わ~これ

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コラボ作品集《桜》2

コラボ作品集《桜》2

『はなむけの舞』
 
 
 
 あの人は、もういない。
 
 
 いつからか傍にいて、眠る時も気配を感じていた人。誰よりも優しく触れ、何よりも大切に守ってくれた人。
 
 この体がもうダメだと言われた時も、必死に救おうとしてくれたあの人は、私を置いていってしまった。
 
 なれば今年も咲き誇ろう。花守だったあの人に最後の餞を。
 
 
 我、ふぶく。
 
 

俳句 kusabue
140字小

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コラボ作品集《桜》 1

コラボ作品集《桜》 1

 
 
 
『桜吹雪く』 
 穏やかな川面を、滑るように小舟がゆく。
 綿帽子に隠れた島田には、母の形見の簪がひとつ。

高砂やこの浦舟に帆を上げて

お母さんお母さんきっと……

 岸に立つ若者が手を差し出す時、一瞬の風が花を吹雪かせた。薄いその一枚が、娘の懐に仕舞われた筥迫に舞い降りる。

 娘は若者に、自分の手をそっと預けた。
 
 
 
 
 

 
 
 
 
 
 
 
☆俳句    

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yayaさんに詠んでいただきました😍
黒と白の連作 黒

瞼の中に沈む美しき黒

幻想的な世界の中に漂うかのような素晴らしい演出。本当にありがとうございます!

https://note.mu/yaya312/n/n8ea7220f78ee

コラボ作品集《雛祭り》2

コラボ作品集《雛祭り》2

『雛なる娘』
 
 
 娘の初節句を迎える春。
 
「主人からお金貰ったから、雛人形を買いに行きましょ」とお義母さん。
 
 『雛人形』
 
 貧乏だった我家には縁がなかった物。
 
 楽しげに見て回る義母。
「あ、この子が可愛いわね」
 その言葉に、私も覗き込む。
「あ、本当…可愛い」
 
 他と少し違うその子の顔は、娘そっくりの下ぶくれだった。

俳句 kusabue

140字小説 悠凜

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コラボ作品集 《雛祭り》1

コラボ作品集 《雛祭り》1

 
 
 
『宵の宴』
 
 これ右大臣よ、少々呑みすぎではあるまいか?
 良いではありませぬか、帝。今宵はこの家の娘の初節句、祝いの席にございます。
 左様にござりますぞ。ほれ、お囃子も盛大にめでたいめでたいのぅ。

 健やかに育てと幼子を祝う、暫し宵の宴。

 今年も来年もと末永くの願いを込めて 、内裏は凛と、桜橘が匂いたつ。
 
 
 
 
 
 
 

 
 
 
 
 
 
 
 
☆俳

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