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人口400人の村で、理想の暮らし

【OBOG体験談】移住編
 第21期協力隊 高知県大川村派遣
≪Profile≫
大学卒業 ⇒ 就職 ⇒ 緑のふるさと協力隊として高知県大川村で活動 ⇒ 大川村地域おこし協力隊 ⇒ 現在は大川村の村議会議員

派遣先に残ろうと思ったきっかけ

緑のふるさと協力隊として大川村に着任した当初は、1年の任期が終わったら出身地の地元に帰ることも選択肢の一つとして考えていました。しかし、活動をしていく中でだんだんと「もっと大川村に住んでみたい」という気持ちを持つようになってきました。
大川村は人口400人ほどの小さな村ですが、大自然と昔ながらの暮らしが共存している魅力的な地域です。田舎暮らしに憧れていた私にとって大川村は理想の環境であり、協力隊としての任期が終わるころになると、この村に腰を据えて将来を築いていきたいと考えるようなっていました。

また、活動を通じて若者からお年寄りまでたくさんの方にお世話になりました。「任期が終わっても村に残って欲しい」と住民から声をかけていただいた嬉しさは、今でも忘れられません。日本一人口の少ない村(離島を除いて)を盛り上げようとしている村民の方々の熱い想いを感じ、私も定住してその力になりたいと思いました。

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移住してみて良かったと思う田舎暮らしの良さ

大川村で暮らし始めて、生活環境や食文化の豊かさに驚かされました。
現在住んでいる家は標高600メートルほどの場所にありますが、生活用水は山奥の沢からホースで引いています。濾過や消毒をしなくても飲める天然水があることに感動しました。村で採れた美味しい野菜やお米はもちろんのこと、村の特産である大川黒牛や土佐はちきん地鶏も日常的に食卓に上がります。また、近所の川で釣れるアメゴ(ヤマメに似た渓流魚)やウナギ、冬場に獲れるイノシシもとても美味しいです。

人口が少ない大川村ですが、近年は移住者も増えて一緒に活動する仲間が大勢います。ここ数年はベビーラッシュで、小さい子どもも増えてきています。子育て世代も多く、小さな子どもがいる家庭にとっては、とても心強いです。

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移住してみて大変だったことは?

求められる役割が多いことは嬉しいことである反面、時にプレッシャーになることもありました。
人口が少ないこともあって、それぞれが担う職や責任が増えていきます。夏場は農業が忙しい時期と行事・イベントが重なり、毎日朝から晩まで外に出ていることも少なくありません。スケジュールが詰まりすぎ、暮らしを楽しむ心の余裕が失われてしまった時期がありました。
今はそうならないよう、仕事・地域活動・プライベートのバランスを上手に取ることを心掛けています。

また村民がほとんど知り合いということもあって、良くも悪くも一つ一つの行動が目立ったり噂になったりします。悪意があってのことではありませんが、都会での暮らしにはない感覚だと思いました。周囲の声を必要以上に気にしないようにしています。

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農山村での子育てで良かったことは?

子どものことを気にかけてくれたり面倒を見てくれたりする人が多いので、とても助かっています。
昨年2019年5月に第一子となる長女が生まれました。妻の実家で義理の両親、祖母と4世代6人で暮らしています。家族に支えてもらえる場面が多く、ゆったりとリラックスした気持ちで子育てしています。

娘が1歳を迎えてから保育園に通わせていますが、村の補助があるため保育費は無料です。私たち夫婦は共働きをしているので、無料で子供の面倒をみてもらえてとても助かっています。
「子供は村の宝」と言ってくださる住民の方も多く、地域行事などで積極的に関わってくださるのもありがたいです。幼少期から幅広い世代と触れ合う機会があるのは、子供の成長にも良いのではと思います。

学校3・4年:読み聞かせ (4)

大変なことは?

今のところは特にありません。
しかし数年後のことを考えると、学校以外に習い事の場がないことが心配の1つです。さらに、中学校には部活動は1つしかありません。様々な文化やスポーツに触れる機会が制限されてしまうのは、子供の成長においてとても残念です。

また、村に高校がないため、中学卒業後の進路について考える必要があります。最寄りの高校は車で1時間ほどの場所です。高知市内へ進学し、下宿や寮生活を選ぶ子どももいます。
まだまだ先のことですが、娘の考えを尊重しながら家族で話し合っていきたいです。大川村で育つ子どもたちが色んな可能性や選択肢を取れるよう、私たち大人が考えて動いていかねばならないと思います。

地方での暮らしに興味がある方へメッセージ

私は大川村に移住して、充実した生き方を手に入れることができました。緑のふるさと協力隊に応募する時は大きな決断でしたが、この道を選んで本当に良かったです。
田舎暮らしに興味があるけれど、なかなか一歩が踏み出せないという方もいらっしゃると思います。実際に田舎暮らしを体験することで学ぶことはたくさんありますので、ぜひ地域へ足を運んでいただきたいです。

先行きが見通せない時代ですが、お金や効率性だけではない生き方が地方にはあります。あなたが思い描く理想の暮らしを、地方で実現してみませんか?先輩移住者や地元の方たちが、きっと温かく迎え入れてくれるはずです。
私も田舎で暮らす一員として、あなたの挑戦を心から応援しています!!

【事務局注】和田さんは2019年、日本を代表するビジョンや才能を持った30歳未満の30人を表彰するForbes JAPAN 「30 UNDER 30 JAPAN 2019」ポリティクス(政治)部門に選出

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