橘 美咲
たくさんの「スキ」をもらった文章。下のほうにも良いやつがたくさんあります。
毎月のお気に入り記事をまとめています。
シリーズを投稿順にまとめています。ひと続きではありませんが、ひと繋がりになったお話。幻想的。
noteを書くのが好きだった。ブログと日記とポエムの間みたいな感じで、頭に思い浮かんだことをただつらつらと綴りゆく。わたしにはその時間が楽しくてならず、知らぬ間に…
わたしがnoteの更新に夏休みを設けるあいだ、いつも文章を読ませてもらっているうちの数名が「毎日投稿おわりにします」と宣言した。 少し寂しい気持ちを感じながら、…
そもそもこうしてnoteをひらくこと自体が久しぶりである。8月10日の更新以降、この場所は少し夏休みをとっていた。 きちんと検査をして、マスクをして、消毒をして、…
夏の雲は空を立体的にする。いつの季節も陽が出てからは濃淡のない、ベタ塗りしただけみたいな空を三次元へと持ってくる。 宇宙は紺色だってことだけ知っているから、…
友愛でも恋愛でもない “とくべつ” は、やはり存在しうると思う。 それは決して「好きかどうか分からない」みたいな微妙な気持ちでもなく、「友だち以上恋人未満」な…
「情報」として書く文章の仕事を始めてもうすぐ半年。ちょっとそろそろ比喩とか語彙とか、「芸術」としての表現力が落ちてきたなと感じているため、創作リハビリを開始した…
夜のテンションとは意外と大事なものである。 働いて疲れて、へとへとになって帰って早々、ベッドにダイブする瞬間。その瞬間に湧き上がってきた欲望こそ、近頃のわた…
22歳の誕生日を迎えた昨日、人生初の占いに行ってきました。かねてより20代で結婚したいと思っているけど「たぶんこのままじゃ絶対無理だ」に到達したので、何かを変える…
これが21歳最後の夜かと、少し泣きたい気持ちになった。 ひとりぼっちの部屋の中には、おそらくぶっ壊れたとみられる冷却ファンの音だけカラカラ鳴り響く。 再起動…
どこもかしこも、紫陽花の花は錆びた枯茶にしぼんでいる。鮮やかだった青い花弁が真昼の宇宙に全部吸われてしまったみたい。 夏はつねづね極彩色だ。電線と空、空と白…
「優しさ」と「甘やかし」は違うし、「思いやり」と「我慢」も違う。 ハタチになってようやく2年を迎えるばかりの若輩者だが、わたしはわたしが『20代で得た知見』を問わ…
青はこの星のいのちの色だ。それが理由なわけじゃないけど、好きな有彩色は何かと尋ねられたらわたしは「青」と答えるだろう。 空について言葉を書くとき、あの色彩の…
7月に書いた文章のお気に入りを10本まとめました。先月に引き続き難産な日が多かったものの、何やかんやでいつも楽しく書けています。 今日からわたしが1番好きな季節…
損をしやすい性格なんじゃないかと思う。記憶の限りをたどってみると、生まれてこのかた誰かに本気で怒ったことが1度もない。 今しがた楽しく読んでいた絵本をお友だ…
「天気が悪いと頭が痛くなるんです」と何の気なしに話をしたら、思った以上にびっくりされた。そもそも驚かれること自体が意外であった。 この星に棲まう人間のうち、わ…
わたしはちょうど1年前の夏からおよそ半年間、ずっとひとりで小説ばかりを書いていた。誰にも見せないつもりのものを、ひたすらに。 朝から晩まで情景描写をこねくりま…
noteを書くのが好きだった。ブログと日記とポエムの間みたいな感じで、頭に思い浮かんだことをただつらつらと綴りゆく。わたしにはその時間が楽しくてならず、知らぬ間に1日の大半を費やしている日もあった。 それはそれでも構わないけど、わたしの身体はnoteひとつに沈めていいほど暇でもない。仕事はもちろんnote以外の趣味もある。丸1日の予定がある日は更新するのが負担になる。 このままだと書くのが “楽しいだけの娯楽” じゃなくなりそう。楽しいnoteが “ほかにとっての足枷
わたしがnoteの更新に夏休みを設けるあいだ、いつも文章を読ませてもらっているうちの数名が「毎日投稿おわりにします」と宣言した。 少し寂しい気持ちを感じながら、ゆくゆくわたしも “そう” なるつもりではあった。つい昨日まで。そして今日には「つもり」ではなく、実際に “そう” してしまおうと思っている。 今日のnoteは「毎日欠かさず書くことにあまりこだわらず、時間がある日に気ままに書いていきたいです」、というご報告。 今年の春先、3月1日から8月10日までの約5
そもそもこうしてnoteをひらくこと自体が久しぶりである。8月10日の更新以降、この場所は少し夏休みをとっていた。 きちんと検査をして、マスクをして、消毒をして、新幹線の中から夏の雲を眺めて、実家へ帰省。 普段のひとり暮らしと違ってそれなりに賑やかな中、自分の内側をひらいてツラツラ何かを書き記すのは、正直難しいと判断したわけである。 今も、そしてあとしばらくもまだ故郷にいるけど、それでも書こうと思ったのは本当に気まぐれだ。昨日配信、ヨルシカの新曲「老人と海」を聴い
夏の雲は空を立体的にする。いつの季節も陽が出てからは濃淡のない、ベタ塗りしただけみたいな空を三次元へと持ってくる。 宇宙は紺色だってことだけ知っているから、空の青さがどこから来るのか、正直はっきり分からない。ゆえに時たま、空は幻なんじゃと思う。 だけど入道雲や積乱雲。夏に栄えるもくもくとした、鉛直方向に大きい雲たち。青に貼りつき流れるのでなく、自ら泳いでいるみたい。 ただそれがひとつ浮かんだだけで、空は立体的になる。なんか不思議だ。いつまでも眺めていられる気がして
友愛でも恋愛でもない “とくべつ” は、やはり存在しうると思う。 それは決して「好きかどうか分からない」みたいな微妙な気持ちでもなく、「友だち以上恋人未満」なんて安っぽい名前をつけておくべきものでもない。 相手が同性なのか異性なのかは定めず書く。ただひとりの人間として、特定の誰かが友愛でも恋愛でもない “とくべつ” になることはある。 たぶん経験する人のほうが圧倒的に少ないだろう。それほど未確認で、広辞苑にも載らないような感情だ。強いて言うなら広義の「愛」に近いも
「情報」として書く文章の仕事を始めてもうすぐ半年。ちょっとそろそろ比喩とか語彙とか、「芸術」としての表現力が落ちてきたなと感じているため、創作リハビリを開始した。 昨年みたいに数万字単位の文章を書く時間はないから、せいぜい2,000~3,000字程度のショートショートを書いてみる。 だが800字書いたところでその難しさに頭を抱えた。たぶんこれ、あと2,000字以内に収まらない。 問題点はぱっと浮かんで2つある。 まず1つ目は、内容的には削れるけれど個人的には削り
夜のテンションとは意外と大事なものである。 働いて疲れて、へとへとになって帰って早々、ベッドにダイブする瞬間。その瞬間に湧き上がってきた欲望こそ、近頃のわたしにとってもっとも足りないものだから。 とにかく風呂を済ませて寝たい、よりも早くに誰かの顔が浮かんだならば、考える前に連絡をしたほうが良い。 久しぶりとか一切気にせず、向こうにしたら唐突すぎる「今度ごはんでも行きません?」。気軽に電話ができる仲なら、出るかはともかく試しにかけてみるのも良い。 お腹の虫が甘い
22歳の誕生日を迎えた昨日、人生初の占いに行ってきました。かねてより20代で結婚したいと思っているけど「たぶんこのままじゃ絶対無理だ」に到達したので、何かを変えるきっかけになってくれれば良いなと。 結果、ボロ泣きしながら話を聞いて、ボロ泣きしながら帰ってきました。このnoteも帰宅後すぐにまた泣きながら書いております。 普段のよりも理性がトんでる箇所があるので、わたしのマジの素の部分たちがたまに出ます。たんとお楽しみください。 仕事だったりお金だったり、ほかにも気
これが21歳最後の夜かと、少し泣きたい気持ちになった。 ひとりぼっちの部屋の中には、おそらくぶっ壊れたとみられる冷却ファンの音だけカラカラ鳴り響く。 再起動を試みてから早くもすでに1時間。いつ止むのかも知らない異音をこうも耳にし続けていると、人の心は案外すぐに蝕まれていくらしかった。 8月4日、パソコンにガタが来はじめる。 お問い合わせのオペレーターは「分解、ホコリの掃除をしてね」と答えるだけだ。 これ以上追い詰めてくれるな。わたしは棒読みの返事で強制的に会
どこもかしこも、紫陽花の花は錆びた枯茶にしぼんでいる。鮮やかだった青い花弁が真昼の宇宙に全部吸われてしまったみたい。 夏はつねづね極彩色だ。電線と空、空と白雲。彩なき色とのコントラストがパキっと綺麗に映えている。 花も緑も青に負けじと生き生きするから、ぼうっとしてるとわたしのほうが乾いて干からび、先にくたばるかもしれない。 「どうしてわざわざ1番暑い時間に外へ出かけるのか」と尋ねられたら、その時間にふと出たくなるから、そう返す。炎天の下を宛てなしにただ散歩するとき、
「優しさ」と「甘やかし」は違うし、「思いやり」と「我慢」も違う。 ハタチになってようやく2年を迎えるばかりの若輩者だが、わたしはわたしが『20代で得た知見』を問われた場合、ひとつ目にこれを挙げるだろう。 君が好きだから優しくしたい、君が好きだから思いやる。そう言いながら、静かに自分を消耗していた恋がある。 「好きってなに」かを間違えた。 当時のわたしにとっての “好き” とは、相手に対してただ寛容で利他的でいることだった。そうありたいと願えることこそ、それが愛だと
青はこの星のいのちの色だ。それが理由なわけじゃないけど、好きな有彩色は何かと尋ねられたらわたしは「青」と答えるだろう。 空について言葉を書くとき、あの色彩のあらわし方には気を遣う。“情景” として空を活用するのであれば、空はいつでも人の心とともに在る。それを繊細にえがくためには、小学校で習う1字じゃ物足りない。 だからといって「群青」だったり「瑠璃色」だったり、ちょっと綺麗な言葉ひとつで決めてしまうのも嫌だった。もっと違った、それそのものはカラーコードで表現できない間
7月に書いた文章のお気に入りを10本まとめました。先月に引き続き難産な日が多かったものの、何やかんやでいつも楽しく書けています。 今日からわたしが1番好きな季節、8月。noteの更新にも一応夏休みを設けるつもりでいるけど、書きたいと思った話は全部書きたい。クーラーは朝起きてから寝る直前までつけっぱなしです。 ゆえにロマンチックに星に託せるほどの願いは、 あいにく持ち合わせていない。 夏の陽射しに、夏の気温に、 名前を持たない虚像のまんまで 朽ちゆく果実があったとして
損をしやすい性格なんじゃないかと思う。記憶の限りをたどってみると、生まれてこのかた誰かに本気で怒ったことが1度もない。 今しがた楽しく読んでいた絵本をお友だちにぶんどられたら、黙ってちがう絵本を探しに本棚へ向かう子どもであった。 中学時代のいじめっ子にも、悔しさとか苛立ちの類いは当時も今でも感じずにいる。目で見て分かる直接的な危害がないだけまだ良いとさえ考えていた。 怒りはあるけどそれを表に出せない/出さない人なら結構いそうである。事情はそれぞれ、「今後の関係性を
「天気が悪いと頭が痛くなるんです」と何の気なしに話をしたら、思った以上にびっくりされた。そもそも驚かれること自体が意外であった。 この星に棲まう人間のうち、わたし以外の半数くらいもそういうものだと思っていたから。満月だってヒトの心理に影響するというだろう。 “気象病”、あるいは “低気圧不調”。ここ最近は落ち着いているが、梅雨の間はしばしば目立った。 わたしの場合、その日の天気が雨やくもりだと朝からずーっと頭が痛い、やる気も出ない。とはいえ毎回必ずというわけでもないか
わたしはちょうど1年前の夏からおよそ半年間、ずっとひとりで小説ばかりを書いていた。誰にも見せないつもりのものを、ひたすらに。 朝から晩まで情景描写をこねくりまわし、主人公を自分の中に憑依させては彼女の気持ちを考える。あらゆるところに伏線を張り、書き進めながら今後の話を組み立てる。 ちょうど1月半ば頃まで、毎日そうして生きていた。以降はまったく小説なんて書けていない。ちびちびリライトしながらnoteで連載しているくらいのものだ。しかもめちゃくちゃ亀更新。 だから最近