【経営】キーエンスの秘密⑦評価と人事考課

久しぶりの"キーエンスの秘密"シリーズです。

第7弾は評価と人事考課について。企業にとっては、とても大切な内容だと思います。


給与水準「クラス」

はじめに給与水準についてお話します。職種や担当内容に関係なく、会社内で統一の給与水準が存在します。

このランクのことを"クラス"といい、2から8まで7段階あります。

意外に段階が少ない?と感じた方もいるかもしれませんが、各クラス内で少なくとも3段階、7と8に限ってはそれぞれ21段階もあります。

新卒で入社したら2からスタートし、コツコツと実績を積んで上がっていくわけです。ちなみに下がることもあります。

キーエンスの平均年収は2000万円をこえていますが、各クラスの分布が気になりますよね。人数比率や各クラスの平均年収などは、かなり機密性が高いため、ここでは伏せております。有料記事などで公開していきます。


成果の確認は3ヶ月ごと

職種によって多少異なるものの、基本的に成果の確認は3ヶ月ごとに実施されます。全社員が、3ヶ月毎に事前に挙げた目標に対し、結果がどうだったのかを確認、振り返りを行います。

そしてその2回分、半年ごとに賞与のランク付けがされ、ボーナスの金額が決まります。

ボーナス(賞与)の考え方は、ベースとなる基本給(クラスとクラス内段階で決まります)に、その6ヶ月でのランク付け評価による係数(1.3-0.7程度)をかけて求められます。

ボーナス(賞与) = (クラスの基本給*支給月数) * ランク係数

しかもそのランク付けは、同じクラス同士の相対評価。誰かが評価が高いと、誰かが低いことになります。


この仕組みは経営の視点で考えるとよくできています。同じクラス内の支払うべき賞与の金額は一定。そのクラス内で評価が高い人に多く払い、低い人には少ない金額しか支給しなくてよいのです。

しかも相対評価なので、みんながんばろうとする。全体のレベルが上がるんですね。ものすごくシンプルなのですが、効果は非常に大きいと思います。

では、社内で足の引っ張り合いは起きないのでしょうか?

これが起きないのです。業績に対してマイナスのことをした場合、その事実を確認後、評価は一気に下がってしまいます。正々堂々といいお仕事をして、お互いライバルとしていい戦いをするわけです。


クラスはいつ変わるのか?

ボーナス(賞与)のランクのお話をしましたが、これを2年ほど続けると4回分のデータができます。ある社員が4回続けて高評価を得ているなら、ひとつ上のクラスで比較しても十分にやっていけると判断されます。

ここでクラスが上がるのです。突発的、一時的な成果ではなく、安定して成果が出せるようになった、そうなるとひとつ上のクラスでもやっていける。こうしてクラスがひとつ上がり(クラスアップと言います)、給与水準がぐっと上がるのです。

もちろん悪い評価が続いた場合、クラスが下がってしまうこともあります。


みんなでがんばる、その中でいい結果を出す風土

キーエンス全体では、業績の一部を社員に還元する仕組みがあります。これにより、"みんなで協力し合い、がんばろう"という風土があります。これが企業の力としてとても強く、仕事をしていても気持ちいいものです。

一方で、同じクラス内ではお互いライバル同士。ですが、不正や足の引っ張り合いがない文化。こんなことが実現できるのでしょうか?

一見矛盾するように見える内容も、キーエンスでは"客観的に正しい評価と人事考課"を実践できているからだと思います。

もちろん評価をする立場である上司も人ですから、個人差もあります。が、客観的にみると、ものすごく正当性の高い評価ができていると思います。

社員やメンバーからすると、"きちんと評価される""見てくれている"ということがあるから、一生懸命成果を出そうとするわけです。


人事考課に時間をかける

この"客観的に正しい評価をする"ということを実践し維持し続けることは簡単ではないと思います。

これを実現するために、キーエンスではかなりの時間を費やしています。上司やリーダーのお仕事は、各自のお仕事の割り振りや部署全体の策を考えることもあるのですが、最も重要なミッションは"メンバを正当に評価することに時間を費やし、全体のパフォーマンスを上げること"に尽きます。

これを全部署、グループで実践し、その企業文化を保っています。

これも"キーエンスの強さのひとつ"と言えるでしょう。


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