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【読書感想】入浴の質が睡眠を決める/小林 麻利子

「入浴の質が睡眠を決める」こちらの本、読みました。

睡眠関連の本は今回で11冊目です。
これまでの睡眠関連の記事は以下マガジンにまとめています。


本の内容

まずはAmazonから本の内容を抜粋します。

【最新データと科学的エビデンスで証明】
免疫力がアップ 体の不調が消える パフォーマンスが上がる
翌朝から“目覚め”が変わる!
カンタンで最強の入浴習慣が睡眠効果を爆発的に高める
入浴方法を変えるだけで、睡眠効果が爆発的に高まる本当の理由とは――。
●小林式入浴法に驚きの声
「5分以内に眠れる」
「仕事の効率が上がった」
「寝起きのだるさがない」

こんな感じの本です。

それにしても、「入浴×睡眠」という絞られたテーマだけで1冊の本になるのはすごいなーと思いました。
ただ、テーマが絞られている分、1つ1つの内容を深掘りしている印象でした。納得感も強かったです。

著者情報

本書の著者である「小林 麻利子」でネット検索したところ、いくつかヒットしました。
リンクしておきます。

いくつか引用と感想

ぐっすり眠るには40度のお湯に15分の入浴がポイント!

さて、先ほどから何度もお伝えしているように、深く眠るためには、入浴と睡眠を1セットにし、寝る前は深部体温をコントロールして、自律神経を整えることが大切です。なかなか寝つけない方は、深部体温が急降下しておらず、副交感神経が優位になっていないことを意味しています。その対策は正しく入浴することです。生活習慣としてきちんと取り入れれば、寝つきはよくなり、間違いなく良質な睡眠がとれます。
まずはP34でもお伝えしたように、就寝前の入浴により一時的な深部体温の上昇を作ることが大切です。それによって、通常の低下よりも急激な体温低下を作ることができます。なぜ深部体温が上がれば、その後下がりやすくなるかというと、簡単にいうと脳がビックリするからです。深部体温が急激に上がると、体にとっては危機状態。そこで、自律神経の働きで末梢の血管を広げ、体温を下げようとするのです。
深部体温を上昇させるのは、40度のお湯に15分ということが、研究で分かっています。39度以下やシャワー浴では15分以内に深部体温を上昇させることは不可能です。42度以上ですと、交感神経が刺激されるので好ましくありません。

睡眠本でお馴染みの「入浴による深部体温の上げ下げ」です。
今回は本のタイトル的にも、きっと登場するだろうなと思っていました。

「入浴による深部体温の上げ下げ」に関する引用は1つの記事にまとめています。こちらの記事も良ければぜひ。

「40度のお湯に15分」というのは、これまでの引用と似ています。
ただ、今回の引用では「39度以下」や「シャワー浴」は推奨していないようです。
そして「42度以上」も交感神経が刺激されるため好ましくないとのこと。

意外とルールが厳しめに感じますね。

私の場合、最近は「39度のお湯に15分」でした。
深部体温は上がるかもしれませんが、効果を最大化できていなかったのかもしれません。

知っているようで知らなかった質のよい眠りとは?

自分の睡眠状態が実際どのようになっているかを調べるには、脳波やあごのオトガイ筋の筋電図、眼球運動の3つの指標を同時に記録する専門の検査が必要なため、現実的ではありません。最近は、腕時計式の睡眠計など精度の高いものも出ているため、それを用いるのはいいのですが、スマホのアプリなどで測るものは、私の経験から正確な数値が出るとは少し言いがたいです。
そこで本書では、以下の主観があれば睡眠の質が高いと定義します。

①寝つきがスムーズ
寝ようと思ってからだいたい10分以内。またはストレスを感じずに自然に眠りについていればよい。

②途中で何度も目覚めない
もし目覚めても、自然に眠りについていればよい。一晩20回ほど知らず知らずに覚醒しているという調査もあるため、目覚めたからといって、睡眠の質が悪いとはいえません。

③翌日に熟睡感がある
本来は、起きる時間の数時間前から深部体温や血圧が上がるため、熟睡感があればスムーズに起きられるはずです。

ただし、①~③を感じても、午前中に眠気がある場合は、良質な睡眠をとれていないといえます。
また、昼食後の眠気に関しては、生理的な眠気です。昼食をとってもとらなくても、たとえ時間をずらしたとしても、14時前後に眠くなることが分かっています。昼食後の眠気の対策は後述(→P193)しますが、この時間の眠気があるからといって、夜の睡眠の質や量がよくないわけではありません。

私はスマートウォッチで睡眠データを記録しています。
今回の引用で表現すると「腕時計式の睡眠計」に該当するかなと思います。

精度が高いかどうかは分かりませんが、その睡眠データを割と信頼しています。
なぜなら、「寝た時間」と「起きた時間」をけっこう正確に感知してくれるからです。

「寝た時間」を具体的に言うと、ベッドに入った時間ではなく、実際に眠りに入った時間です。
眠りに入った時間を分単位で自覚しているわけではないですが、けっこう正確にスマートウォッチが感知してくれている印象です。

ということで、スマートウォッチの睡眠データを割と信頼しています。
ただ、他の指標もあった方が良いなということで今回の引用です。
スマートウォッチの睡眠データを妄信するのも良くないだろうなと思い、今回の引用を参考にしようかなと。

ちなみに主観でチェックしてみると、

①寝つきがスムーズ
⇒ 割とスムーズです。最近は寝つけない日はあまりないです。

②途中で何度も目覚めない
⇒ 途中で目覚めることはあまりないです。

③翌日に熟睡感がある
⇒ あまり熟睡感はないです。スムーズに起きられることは少なめです。

といった感じです。

また、起きてしまえば午前中に眠気はこないです。

これらをまとめると、どうなんでしょう…割と睡眠の質は高めかなと思います。

結局、私たちは何時間眠ればいい?理想の睡眠時間とは?

睡眠時間については、「7時間寝ればいい」とか、「いやいや8時間は必要だ」とか、「死亡率が最も低い6時間半は絶対必要だ」など、最適な睡眠時間についていろいろな意見が出回っているので、結局どれだけ寝たらいいのか混乱している方は少なくないでしょう。
でも、答えはいたってシンプル。「個人差がある」ということと、「冬は長めに、夏は短めになる」ということです。
(中略)
株式会社ドコモの健康プラットフォーム『WM(わたしムーブ)』の2015年の調査では、夏の睡眠時間の平均が5時間50分ほどだったのに対し、冬では6時間15分ほどという結果が出ています。夏は睡眠時間が自然に短くなるからと、就寝時刻を遅くしたらどうでしょうか。日の出時刻が早いため、それに応じて早朝に目が覚めてしまえば、適切な睡眠時間は確保できません、はたまた早く起きすぎたからと、何度も二度寝をくり返せば、自律神経の乱れにつながり、結果的に寝起きの悪い朝を迎えることも考えられます。
ですから、人は人。自分は自分。

ちょっと見出しの内容からは逸れますが、睡眠時間が「冬は長めに、夏は短めになる」というのが意外だったので引用してみました。
今までの睡眠本ではなかった観点な気がします(見逃しただけかもしれませんが)。

先ほども触れたように、スマートウォッチで睡眠データを記録しています。そのデータの中から睡眠時間を確認したところ、

  • 2023年12月~2024年2月の平均が7時間00分(420分)

  • 2024年6月~2024年8月の平均が6時間39分(399分)

でした。

ドコモのデータと同じ傾向で、夏の方が若干睡眠時間が短めでした。
夏の時期の睡眠時間が20分ほど短かったです。

「冬は長めに、夏は短めになる」に意外さを感じましたが、自分の睡眠データも同じ傾向でした。

それにしても、ドコモのデータは根本的に睡眠時間が短めですね…。
※夏:5時間50分、冬:6時間15分

私はそれと比べると、割としっかり睡眠時間が取れているようです。

なお、引用に書かれているドコモの調査データをネットで探してみました。
同じような内容が書かれていた記事が見つかったため、リンクしておきます。

長湯はリスクしかない

名古屋大学等の共同研究では、高齢者の長湯は入浴直後の血圧変動幅を大きくし、入浴時の事故のリスクが高まることを指摘しています。その年齢でなくても長湯でうとうとしがちな方は大変危険といえます。やはり最適な入浴は15分、長くても20分以内にとどめましょう。P48でもご紹介したように、入浴15分以降で皮膚血流量は変わらなくなったという報告があります。また、10分よりも15分のほうが、血流がよくなったという結果があるので、血流をよくし、温熱作用を高めるためには、15分が効果的です。それ以上浸かっていると、肌に負担がかかります。
もちろん長く浸かることが好きな方もおられるでしょう。その場合は、保湿剤の入った入浴剤を使ったり、お湯に溶けないキャリアオイル(植物油)などを全身に塗布してから浸かりましょう。その場合は、洗髪のあと、本番入浴前に体をあらかじめ洗っておき、全身塗布してから浸かるようにしてください。

長く浸かれば浸かるほど良いというわけではなく、15分あたりが効果の最大ラインのようです。
そして、15分以降はあまり効果が期待できないようです。

また、長湯は肌に負担がかかるようです。
長湯にメリットがないなら、15分でスパッと終わらせるのが良さそうですね。

長く浸かるための工夫(保湿剤の入った入浴剤、キャリアオイルを全身に塗布)もあるようですが、意外と面倒そうだな…と感じました。
私は長く浸かるつもりはないので、15分でスパッと終わらせようと思います。

1つ気を付けたいのは、浴槽にタブレットを持ち込んで電子書籍を読んだりするため、キリの良いところまで読もうとして少し時間が長引いてしまうことです。
そうならないように15分でキッチリ終わらせるように気を付けようと思います。

入浴中に汗をかいてもデトックスはしない

長湯やサウナ、ホットヨガなどでは、汗をかいてデトックスする、などといわれていますが、国際学術誌である『Environment International』に掲載されたカナダ・マギル大学の研究報告によれば、発汗による毒素の排泄量はごくわずかで、多量発汗しても汚染物質は0.1ナノグラム以下。その量は、体内で取り込まれた汚染物質のうち、たった0.02%といいます。
入浴後に入浴前より体重が減ったとしたら、汗の分だけ水分量が減っただけです。
脂肪が燃焼したわけではないので、水分を補給したら元に戻ってしまいます。
入浴中の汗というのは、体が熱くなって、それを下げるために出る生理反応です。お風呂でかいた汗は、入浴によって体が熱くなった証拠であり、汗を出して、それが蒸発する過程で熱を奪い、うまく放熱するようになっているだけです。
本書の通り、深部体温を高くすることが、最も大切なポイントになるので、発汗は不可欠ですが、毒素や脂肪が出るわけではありません。くれぐれも温度を高くして無理やり汗をかくようなことは、熱中症のリスクも高まるので控えてください。

1つ前の引用に繋がるような内容です。

お風呂に入って汗をかくと、体重が減る気がしていました。
そんな気がするので、もっと汗をかきたい気持ちになります。

汗をかきたい気持ちから、お風呂の温度を高くしていた時もありました。
ただ、「高すぎると交感神経優位になって身体が興奮して眠りにくくなる」というのを別の睡眠本で知ってからはやらなくなりました(以下の引用リンク)。

【読書感想】眠る投資 ハーバードが教える世界最高の睡眠法 - 夜にしたい睡眠の投資

ちなみに、「入浴 デトックス」で検索するとたくさんヒットします。
一方で、「入浴 デトックス 嘘」で検索してもたくさんヒットします。

どっちが正しいか判断できない…ということで、両方の意見の記事をリンクすることにします。

入浴にデトックス効果あり

入浴にデトックス効果なし

私としては、「入浴にデトックス効果なし」寄りの考えです。
今回の引用の影響もありそうですが。

おわりに

ということで「入浴の質が睡眠を決める」に関してアレコレ書いてみました。

今回の記事で引用したのは、

  • ぐっすり眠るには40度のお湯に15分の入浴がポイント!

  • 知っているようで知らなかった質のよい眠りとは?

  • 結局、私たちは何時間眠ればいい?理想の睡眠時間とは?

  • 長湯はリスクしかない

  • 入浴中に汗をかいてもデトックスはしない

の5つでした。

本書は、睡眠本で度々登場する「入浴による深部体温の上げ下げ」を深掘りしたような内容で、興味深く読めました。

こうなってくると、「昼寝」を深掘りした本があれば読みたいところ。

最後まで読んで頂き、ありがとうございました。

「睡眠」関連の読書感想をマガジンにまとめています。
こちらも良ければぜひ。


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