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大学学部で数学はどこまでやればいいの?[理系非数学科向け]

専門科目はともかくとして、

学科で割り当てられない専門的な数学を学部の期間でどこまでやればいいのか?



数学科ではない理工系学科では、たとえば、次の科目は開講されていません。

これらは、次に挙げるような本、もしくは数学科講義の聴講で、学部生の間に修めておくのを推奨します。(そのさき、将来に渡って、ずっと困ります)

開講されていないとはいえ、学部で提供される数理科目だけでは、研究テーマによっては、4年次や修士で基礎的知識が足りなくなります。

全然足りない。全く歯が立たない。早めにこの事実に直面しておくべきでしょう。

(学部生としては頑張りすぎの)上限レベル

この『現代物理数学ハンドブック』を眺めるだけで、理工系を研究するに当たり、数学に関して、

  • 何が必要であり、

  • どのくらい知っておくべきなのか

を把握できます。

そして『現代物理数学ハンドブック』は、事典として使うだけでなく、通読可能であり、学習に使えます。

数多くの数理物理学の書籍を上梓されている北大 新井朝雄先生だけあり、その集大成といえる『現代物理数学ハンドブック』では、すべての物理数学の分野を一冊で学べます。

※ 新井朝雄先生の書かれた主要な数理物理学の書籍は下部に載せておきます。

この『現代物理数学ハンドブック』では、つぎのように書かれています。

本書は、大学の理工学の学部において2年次くらいまでに学習する数学 -具体的には微分積分学、行列論を含む線形代数学の初歩、複素解析- を修得していれば読めるように書かれている。

現代物理数学ハンドブック』はじめに より

上記で挙げた集合・位相・ルベーグ積分・確率論・テンソル・微分幾何学について(非数学専門向けによる書籍で)概要を知ってからがいいでしょう。

注意しておきたいことは、全体を通して、数学科向き・数学研究者スタイルの抽象度の高い記述になっています。具体的な計算法や例については、他書にあたる場合も出てきます。

(学部生にはちょうどいい)普通レベル

朝倉数学ハンドブック』も、朝倉書店のハンドブックの特徴「読める」辞典です。『現代物理数学ハンドブック』に比べて、教科書的な記述であり、具体的な計算例も扱われています。

その他に、

  • 岩波 数学入門辞典,岩波書店,2005

    • 非数学専門家向け、理工学に最適なバランスでの記述。

    • 「知らない項目を調べたときに理解できる」が一つの望むべき到達点です。

    • 辞書的にあーわ配列順になっており、「引く事典」です。この本での通読・学習はやりにくい。

(学部生にはちょうどいい)普通レベルの洋書

新井先生による数理物理学の著作から主要なもの

読むだけで修士の2年間を使い果たしそうです。全部揃えるにも、5~10万円は掛かります。

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