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AIって何?

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神経電網は超万能調理器である

神経電網は超万能調理器である

これまでの連載で、電脳の神経電網(ニューラル・ネットワーク)は、数値が蠢く電脳環境体系である事を示してきた。第五節の様に、数値で表せれば何でも扱える。画像はその典型と言える。しかし逆に言うと、数値で表せなければ扱えないと言う事だ。

数値でないものは、文章、将棋、チェス、囲碁などだ。ホテルの部屋代、不動産価格、株価などは数値だが、これらを変動させる要因は数値ではない。例えば、ホテル代では、駅から遠

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人が分るのと電脳が分るは違う

人が分るのと電脳が分るは違う

「AIって何?」連載五節で神経電網(ニューラル・ネットワーク)が「文字を記憶する」に結び付くことを示した。思い出してもらいたい、人にとって意味のある「2」や「5」も電脳の神経電網では、記憶域の特定の番地が「1」か「0」に過ぎなかった。

入力は人がするので「2」や「5」と判断できる必要がある。従って縦と横の二次元構造にする必要があった。しかし、解答(出力や正解)は、これを考慮する必要は無い。電脳内

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人が勝手に解釈しているだけ

人が勝手に解釈しているだけ

「AIって何?」連載第三、四節で神経電網(ニューラル・ネットワーク)の中を数値が、どのように動くかを説明してきた。今回は、第ニ節「?」の右側に示した項目の神経電網が出来る事に、どうやって結び付けるかを説明しよう。

例として、0〜9までの文字としての数字を記憶する神経電網を取り上げる。分かり易くするために少し変更して説明するが、本丸の「?」の説明には何の問題もない。

余談だが最近、これを最初に私

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チマチマ修正は微分に通ず

チマチマ修正は微分に通ず

前回では、神経電網(ニューラル・ネットワーク)がどうやって答えを出すか示した。答えを間違えた場合は、正しくなるよう修正する。これを学習と言う。カタカナ英語ではディープラーニング、技術的にはバックワード・プロパゲーション(BP)、前回の答えを出すのはフォアワード・プロパゲーション(FP)と書く人が多い。片仮名意味不明。日本語にすると、繰り返し学習または深層学習、前進(処理)、後進(処理)または逆伝播

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1と1で1を期待する

1と1で1を期待する

AIの基礎技術である神経電網(ニューラル・ネットワーク)を理解するのに、最小ネットワークによるAND回路「1と1は1」の学習を取り上げる。

これを理解するのに神経電網の数学の事は知る必要ないが、数値がどの様に動くかは知る必要がある。難しい事は無く小学生程度の足し算や掛け算で分る話だ。前回の疑問符「?」の部分の左側で説明しよう。

まず、電脳の無形具として、電脳命令集を作る場合は、0〜1までの様々

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文章生成AIとはスマイル・ワッペンなり

文章生成AIとはスマイル・ワッペンなり

「AIの回答を鵜呑みにするな」でも触れたが、生成AIが作り出す言葉は、人が作り出すように出力している訳ではない。膨大な知識情報粒基(情報粒子収納基)と会話の例文集から、最適解(文章)を抽出しているに過ぎない。そこには心も愛もない。

AIとの会話を人と話している様に感じるのは、人の能力、即ち「人は人以外に人を感じる事ができる」のせいである。人はアニメや人形劇を見ると、人でない物に人を感じ感動して感

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古くて新しい技術の備忘録

古くて新しい技術の備忘録

最初に
地球誕生からの45億年を暦にすると、恐竜の出現は12月13日頃になるらしい。人類の出現は大晦日、12月31日の10時40分辺りだ。そして何と、23時59分47秒に西暦が始まる。残りの13秒に、人類の中世及び近代文明から現代まで、全てが凝縮されている。電脳史などハチの羽ばたきの一回分も無いくらい僅かな時間だろう。とは言え、人には長い年月である。

電脳で命令技巧をする様になって、色々知識を得

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