見出し画像

お客さんが値段を決めるお店のはなし#8

11月の最高気温を100年ぶりに更新したらしい夏みたいな日。
月に一度(毎月第一月曜日)だけオープンする「つながりを育むたこ焼き屋 カオパス」を営業した。
「継続はなんちゃら」というけれど、前回までの流れから8回目のこの日は「何かが変わる」ような胸騒ぎというかワクワクで迎えた日だった。
このたこ焼き屋を始めるに至った経緯はこちらからどうぞ。

と言いつつも、2日前に京都のイベントにて開発中の組織開発アプリのプレゼンがあって一泊二日弾丸出張。

塾頭を務める財団さんのイベントへ参加してきました

しかも珍しく緊張しまくり頭フル回転で心身ともに汗をかきまくり。
その後、公園でワン缶を深夜までキメるという暴挙。

全くワン缶(1缶)では済まされないのよ

3連休&インバウンドラッシュでホテルが取れないor激高だったため漫喫に宿泊。

3300円はヤヴァイ(良い意味で)。寝心地ももちろんヤヴァイ(悪い意味で)


ちぢこまりながらやっと寝れたと思った深夜2時頃、手続きがうまくいってなくて店員さんに起こされたのは今となっては良い思い出(嘘)
起床後ガッチガチの身体を引きづるように新幹線へ。
三連休最終日の激混みを予測してグリーン車を事前予約し、激空きの車内の窓際に座ってのんびり移動だぜと思ってたら、誰も座ってない広々車内なのにピンポイントで隣に座る巨漢の外人(しかもガールフレンドは後部座席の謎)
さすが巨漢だけあって弁当2つ食べてたな。
ってなハプニングに見舞われながら横浜へ帰宅。

外人さんは小田原で降りて行かれました


帰宅後、色々と作業をしてからたこ焼きの仕込みと仕入れに夜中まで疾走。
そんな感じで迎えた営業日。
「…..いったい俺は何をやっているのだろうか」
根本的な不信感が頭をよぎる。
こんな時は考えちゃダメ、勢いが肝心なのよ。ということでいつも以上に早めに準備に取り掛かる。

11時オープン告知をしていたのだけど10時からオンラインミーティングを入れてしまっていた俺のバカ。
9時半頃、お店に行ってちょいと準備しつつ現場でミーティングに参加。

全然準備できてないやんけ

会議に参加してたら常連さん(通称:浅香光代さん)がやってきて
光代「まだ?何時?」
僕「すんません11時半〜12時くらいのオープンになりそうで」
光代「あそ、あたしゃ病院行かなきゃなのさインフルになっちゃって」
僕(心の声)『インフルの場合は来ない方がいいかもですよ〜』
なんてやり取りも何かいつもと違う風(風邪だけに)を感じて幸先いい。

速攻準備して焼き始める。
いつもより生地が固い。
焦ってたせいか分量をミスった可能性が高いので試食しなきゃなと考えていたら一人目のお客さんがご来店。

生地がいつもと違うことに気がついた時の写真

別の日に出店されてる方がインスタ見て来てくれました。
軽くトークしながら「何個食べます?」と聞くと
「焼いてるやつ全部ください」とのこと。
ありがたき幸せ!(でも試食してないので不安がよぎる)
それはそれとしてお話ししていたらなんだか似てる感覚を持ってる人な気がしたので楽しかった。
金曜日にコーヒーやってるらしいので行ってみよう。

その後、お店のオーナーさんの奥さんとお子さんやら義理の兄やら
初回から毎回来てくださってるご近所のおばさまやらと来店が続く。ちょうど昼時なのでランチがわりに使っていただけて嬉しい。
話題がとても面白かったんだけど、このターンでの印象的な話題は
・近所の歯医者の見極めについて
・近所の病院攻略法
で、ググっても出てこない信頼できる情報満載。
まさか病院のネット予約を請け負うプロ予約士がいただなんて…
濃い情報が満載でした。

….話は変わって、生地の違和感。
この時点でまだ試食できてなかったので試しに食べてみると味は悪くないが生地の濃度が重い。お店で修正入れることにする。

13時くらいから少しだけ来店が止まったので生地の修正と試食で改善完了。
現場の課題は即対応と改善あるのみ。これ基本な。

それまでのお客さんには返金する旨を次会ったとき伝えよう。
….待てよそもそもご自身で決めて払われたから、あの生地の値段としての支払いだったら必要ないのかな。
これって根本的に面白い思考が働いてる気がする。
次お会いしたら謝罪しようということで落ち着いた。

14時くらいになってまたぽつりぽつり入ってきた。
社会人1年目の男の子は入るなり良い感じの関係を築けた気がする。
行動力と優秀な頭脳を持ってる彼はきっと成功する(と勝手に感じた)
そうだ、今のうちに恩を売っておこう(笑)
そのタイミングでオーナーの梅ちゃんもご来店。
初老のご夫婦が物珍しそうに入店されたりと割と坩堝感があった。
人と人がこうやって高速道路のジャンクションみたいに重なる感じがええなぁ。

16時前には友人のサオちゃんとユーリちゃんがご来店。
「店終わった後食事行きましょうよ」と誘われてたけど
今回ビールを24缶用意してるからできれば消費していただけるとありがたい。
なんて野暮なことは言わない(けど空気圧で伝える)
その後も小学生親子さんとかちょこちょこご来店。

アテがたこ焼きしかないし、このままでは手持ち無沙汰になるから店じまいしてどっか食事に行こうかなと思っていた矢先、インスタ見て来店されたお客さん。
ちょっと話してたらめちゃくちゃオモロい人でしかも20年前くらいに原宿でアパレルメーカーで働いてたと。
前々職の名前を伝え「知ってます?」って聞いたら納品したことがあるとか本当笑える。
この日、BGMをドリカムの「あの夏の花火」の鬼ループで1曲しか掛からない状態にしてたんだけど「どんな曲ですか?」の質問から歌詞の内容を伝えたら「ないない元彼のこととか一才思い出さない」派と「いやいや思い出すし」派に分かれて盛り上がる謎。
そんなこんなで意気投合して4人で結局22時まで盛り上がるという。
前代未聞の展開となりましたとさ。

「そんなに盛り上がったんだったら、さぞ儲かったんだろうな」って声が聞こえて来そうなので今月の収支でも見てみましょうか。

3505円の黒字(在庫入れたらど真っ赤だけどね)

ようやく黒字になりました。
でも缶ビールとか在庫系を入れると真っ赤っかなわけ。
客単価などはどうなってるだろう。
これまでの経緯を知らない人にお伝えしておくと、このお店は
「値段をお客さんが決める」お店ですので値段が決まってません。
念のため。

歴代1位の売り上げは飲料水効果だな

客単価は最低がたこ焼き1個に対し50円。
最高額は273円だけど缶ビール4本飲んでるから前回と比較は難しい。
缶ビールの目安として300円と伝えてたので1200円を引くと1800円がたこ焼き代として163円ってところか。
缶ビールは日持ちするから在庫としては持ってても怖くない。
たこ焼きは値段自由で飲み物だけ金額設定した方がわかりやすかったかもな。と振り返っています。

全体像はこんな感じトッピングも復活(管理大変なの忘れてた)

全体像はこんな感じでしたとさ。
トッピングは管理が難しいのですが「リッチトリュフ」というトッピングと「ハラペーニョ」はかなり人気があった。
人気があったというより「新しい」とか「これは初めての体験」という価値創造、提供につながってたのはとても嬉しかった。
だから次回もやりたいな。
飲み物は缶ビールの単価が高いので在庫の重さが出るけど腐りにくいので次回まで考えたらまぁ良いかな。
夜営業に手応えを感じたのでビールのニーズは上手くやると伸びそう。
てな感じでした。

この紙にメッセージが書かれてると本当に嬉しいのよね

夜21時を過ぎたくらいだったかな、店の前にチャリで停まるカップル。
お店が気になるようで観察してたから「いらっしゃい」って声をかけたら
「めっちゃ良い雰囲気ですね」って言ってくれた。
「じゃ入っておいでよ」と伝えたけど用事があるらしく絶対次回来ますと言って去ってった。
良いバイブスでも発してたのだろうか。

この写真からバイブス感じますか?

「次回はないかもヨォ〜」って伝えたのだけど
月に1回しかやってない、このタイミングに出会うことが果たして出来るのだろうか。(じゃ営業日伝えろよ)

何だかわからないけど、色んな人の繋がりが交差し来店した人の可能性が広がり拡張していく場所。
最初に思い描いてたお店よりもずっと良いお店が今目の前に出来てることに感謝。

本当にこのお店は来られるお客さんで出来てることを実感し出会った人みんなに感謝な1日でした。
月一でこんな感じだったら毎日営業したら無茶苦茶楽しそうなんですけど。
翌日の僕は完全に使い物にならなかったですけどね。

これまでの歩みを貼り付けておきます〜

#7
https://note.com/metroseoul/n/n73dd690d0661
#6
https://note.com/metroseoul/n/n84649469bf5e
#5
https://note.com/metroseoul/n/na356aba72a88
#4
https://note.com/metroseoul/n/n16fa492016d0
#3
https://note.com/metroseoul/n/n7959b3a3e545
#2
https://note.com/metroseoul/n/ne00d653c776c
#1
https://note.com/metroseoul/n/n3f5fb1fcfd57

いいなと思ったら応援しよう!