見出し画像

お客さんが値段を決めるお店のはなし #5

「つながりを育むたこ焼き屋カオパス」の5回目の営業をした。
(経緯はこちら「お客さんが値段を決めるお店のはなし#1」からどうぞ)

初めての土曜日営業

8月のど真ん中、スマホには連日「熱中症警戒アラート」通知がやってくる中でのたこ焼き屋の営業は「飛んで火に入る夏の虫」というより「丸腰でやってきてマグマの火炎に蒸発するおっさん」てなところ。

とはいえアキナイガーデンのエアコンに助けられて無事営業できた。
エアコンを発明した人、まじに尊敬します。
誰だか調べもしないけど。

この日は界隈のつながりのあるお店やコミュニティスペースによる「縁日」ということでイレギュラーながらも土曜日の開店となった。(通常は第一月曜です)
僕は新参者なのであまり知ってる人はいないけど、楽しそうな人たちばかりだ。
もちろん根拠はない。

なぜかセンターに居座る新参者


11時開店〜17時閉店だったのだけど朝からなかなかイレギュラーなことが多発して午前中だけで尻尾を巻いて逃げようかと思うくらいだった。

今回、縁日ということで
お店のオーナーの梅ちゃんがピンボールづくりのワークショップ。
この日が初出店のみねちゃんがレモネードと草木染めの物販。
俺がたこ焼きという3トップでの開店となった。


時間帯日報(みたいなもん)

店がオープン。
11時〜12時 ほぼお客さん来ない。
12時〜14時 チラホラお客さんが買ってくれた。
14時〜15時 ある程度作り置きをしたら焼くのをストップ(生地がなくなるので)
15時〜16時 みっつー来店(あまりにもビックリしすぎて動揺しまくる)
16時〜17時 チラホラお客さん来店
ちょうど17時で生地がなくなったので撤収という流れだった。


みっつーとの再会(動揺してる)

みっつーが急にやってきて脳内がバグる

みっつーの来店はマジにビビった。
みっつーとは”ゆっこさん”という生まれる時代が違ったら巫女さんだったろうなと思わせるくらいぶっ飛んだ知り合い繋がりで5年前に紹介してもらった。
会ってお話ししたことは3回くらいなんだけど、インスタで彼の動向はチェックしていた。
とにかくアグレッシブで思考のレイヤーが凄まじくインスタの投稿だけ見てても考えさせられる人物。
そんな彼が奥さんと一緒にフラッと(文字通りフラッと)現れたもんだから脳内がバグりまくってしまった。
15時から店内でお話ししつつたこ焼き食べてもらって、このお店のコンセプトや今取り組んでいる仕事のことなどお話しさせてもらう。
初回のたむたむとまよちゃんのサプライズ登場。
前回の”おとくちゃん”のサプライズ登場もそうだったけど
サプライズで登場するの流行ってんのか?心臓に悪いわ。

ともあれ”おとくちゃん”は、その日ここで出会ったダルちゃんと仕事につながってるみたいだし、僕の方の仕事も進みそうな感じで、まさに「つながりを育むたこ焼き屋」の名に恥じない状態なのが素晴らしい。


つながりを育むたこ焼き屋カオパス

収支報告(原材料費)と費用対効果

では収支を見てみましょう(唐突)

この日のPL

前回の在庫もあるので出費は実質4000円くらい。
縁日ということもあり家賃が無いのがデカい。
グレーに塗りつぶしているのは提供をやめた物たち。
あればあるで良いんだけど4回お店をやってみて費用対効果が出ていないから辞めた。
ここでの効果とは売上効果・コミュニケーション効果・付加価値効果の3点。
・売上に直接効果があるか?
・コミュニケーションの切り口の効果があるか?
・自ら選んでカスタマイズするような付加価値効果が出てるか?
この3つの視点で効果が出ていないという判断。
滞在時間と動線次第で効果はあるだろうけど、今の状態だとシンプルにしたほうがいいってことで削除した。

収支報告(売数と売上)

初回から今回までの販売実績

売れた総数は110個
11セットが販売された。
なんと今回1個当たりの単価で最高値が更新された。
1個250円で買ってくれた人がいる。(ありがとうございます!)
平均10個買ってくれているというのは5回やって5回ともほぼ10個平均なのも面白い。
(だからたこ焼き屋は6個8個と10個に収まらない個数で売ってるのかな?10個で売るより利益になるし)
また、1個当たりの平均単価も97円と最高値を更新した。
知り合いが買ってくれたというのもこの高値更新の要因の一つだろう。

接客での印象は「値段はお客さんが決めるんです」というと大体の人は戸惑う。
そして多くの人から聞かれることは「大体いくらくらいみんな入れてるんですか?」という質問。
みんな迎合したいものだ。
何かのとっかかりさえあれば認識できるのだけど、なんのとっかかりもないと何を基準にしたらいいかわからなくなる。
そりゃそうだ、全ての商品には値段がついてる人生を何十年も生きてるんだから。

そんな中で、とても面白がってくれたお客さんがいた。
「1円入れる人いたんですか?」とか
「今までで最安値はいくらでした?」と聞いてくれた。
「そういえば中学生が5個食べて100円ってのがありましたね(前回)」と答えたのだけど、その時個人的に気づきがあった。
「100円を入れた中学生」という言葉。
この言葉には割と強いメッセージが内包されていると感じた。


初回から今回までの収支

収支報告(損益計算)

収支を計算すると初の黒字となった。
単純に家賃が無いということだけれど、ランニングコストを抑えることの重要性を身にしみて感じた(マクドナルドは本当に凄いということ)

データの積み上がることで見えてくる世界

5回の開店を通じてある程度データが揃った。
このデータが本当に貴重だし、めちゃくちゃワクワクする面白さがある。
例えば
・平日と休日の客数の違い
・時間帯購買数
・平均購買数
・客単価(お客さんに値段を決めてもらいながらも、どこに収束するか)
・仕込み量と商品量の数値(机上では出ないリアルなアウトプット量)
・男女比
などなど、数字は恣意的な人間の行動の別の側面を教えてくれる。
しかも赤裸々に。
これを分析し実行するアイデアを生み出す作業が本当に好きでたまらない。


5回の総売数と売上の平均

驚くべき事実(個人的にね)

例えばこのデータで見ると408個を35組(欄外に記載)が購入した。

カオパスのお客さんは
平均83円を出していて(たこ焼き1つ単価)
平均11個購入している。
相場と比較するため6個計算で考えると
平均498円(6個計算)
と言う結果だ。

この辺の近所の最安値は6個で300円だが
銀だこだと8個580円(プレーン)なので6個計算すると
1個72.5円
6個435円(6個計算)

銀だこより63円高い値段になった。
あの銀だこより高く売れたって凄い気がする。
みなさんお忘れないよう
この値段は「お客さんが自分で決めた値段」なのにだ。

もちろん知り合いバイヤスなどの因子も考えなければいけない。
でも、これを継続していくと恐らく常連さんは毎回同じ値段を出し続けてくれるだろう(個人的にはその日の体験によって上下すると面白いけど)
これらの様々な情報やデータから何が見えてくるのか考えただけでワクワクが止まらないっす。
毎月第一月曜日にやると思うのでみなさま遊びにきてくださいませー。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?