モノローグってなに?優れたモノローグを書く方法 vol.9 参考作品 vol.3 「ペルソナ」&「グッドフェローズ」
「ペルソナ」
さて、心理劇の名称といえば巨匠ベルイマン。
1966年の映画『ペルソナ』には、ビビ・アンデション演じるアルマによる心を揺さぶるモノローグシーンが含まれています。アルマは精神的に不安定な女優の世話をする看護師役を演じています。このモノローグでは、アルマが自身の内なる思いや感情を吐露し、最も暗い秘密や欲望を女優に告白します。
参考分析
人物描写の深さ: アルマの複雑な心理を深く掘り下げ、観客に彼女の内面を理解させる。
テーマの探求: アイデンティティ、自己発見、現実と虚構の境界線のあいまいさといったテーマを美しく探求している。
心理的な緊張感: 内なる葛藤や秘密の吐露が、心理的な緊張感を生み出している。
映画全体への影響: このモノローグが映画全体のテーマや雰囲気を強化し、作品の中心的な要素となっている。
観客との共鳴: 普遍的な人間の感情や経験を描くことで、観客の共感を呼び起こしている。
『ペルソナ』におけるこのモノローグは、映画における言葉の力を示す優れた例です。アンデションの演技とイングマール・ベルイマン監督の演出が相まって、観客の心に深く刻まれる瞬間を生み出しています。
このモノローグは単なる台詞以上の意味を持ち、映画全体のテーマを体現しています。それは人間の心の奥底にある複雑さや矛盾を探り、現実と想像の境界線を曖昧にすることで、観客に深い思索を促します。
『ペルソナ』のこのシーンは、映画史に残る重要なモノローグの一つとして広く認識されており、その影響力は今日まで続いています。それは、優れた演技と深遠なテーマが結びついた結果、時代を超えて観客の心に響く力を持つことができた例といえるでしょう。
「グッドフェローズ」
マーティン・スコセッシの傑作「グッドフェローズ」は印象的なモノローグで始まります。1990 年代のこの映画が史上最高の作品の 1 つとされているのには理由があります。ジョー・ペシ、ロバート・デ・ニーロ、レイ・リオッタなど、このジャンルのベテラン俳優のオールスター キャストが出演しています。
その中でも、この映画のナレーター兼主人公であるヘンリー・ヒルは、魅力的で暴力的なギャング生活へのカリスマ的な案内人として機能します。この映画には名言が満載ですが、ヒルの冒頭のセリフは観客をこの世界に一気に連れ込む魅力があります。
参考分析
印象的な台詞: 「物心がついた時から、ずっと俺はギャングになりたかった」 という印象的な一文で始まる。聞く人の心に残る、強烈な一文で開始します。
キャラクターの本質を表現: 短い言葉で、登場人物の性格や願望を表現します。
物語の方向性を示す: これから展開する物語の雰囲気や主題を暗示します。
観客を引き込む: 聞く人が興味を持ち、さらに知りたくなるような内容にします。
このように、効果的なモノローグは物語の導入として機能し、観客を作品の世界に引き込む重要な役割を果たします。
さて、モノローグについて詳しく解説してきましたが、これらはキャラクター、ダイアローグ(会話)、物語展開と密接に関わることを皆さんも十分理解できたと思います。
ぜひ、自分の作品のモノローグチェックの参考にしてみて下さい。