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樋口一葉について、個人的なまとめ
「紫式部と清少納言はどちらが良いと思いますか?」
平安時代の才女二人について、「どちらの才が上か?」と誰かに問われたことはないでしょうか?
わたしにはあります。
中学生か、高校生のとき。国語の時間に教師がクラス全員に、それとなく世間話的に質問したこともあるし、友だち同士で
「清少納言の方が分かりやすいよね。でも紫式部の源氏物語はモンスター級の長編だっていうし」
などと他愛もない会話をしたも
樋口一葉より たけくらべ
いよいよ樋口一葉の名作として名高い「たけくらべ」です。
冒頭、吉原という街の描写から入ります。
吉原。
この地名を聞いてすぐに遊女や花魁といった女性たちを思い浮かべるのは自然なことでしょう。
歴史で言えば徳川家康が没したのちの、元和四年(1618)二代将軍・秀忠のときに
「幕府公認の遊郭」
を現在の東京都中央区日本橋人形町あたりに造営しました。
でも武士政権の中心地である江戸のど真ん
樋口一葉より にごりえ
「寄っておいでよ、お寄りと言ったら寄ってもいいじゃないか。また二葉屋へ行く気だろう。追っかけて行って引きずって来るからそう思いな。ほんとに湯屋に行くなら、きっと帰りには寄っておくれよ。ウソついたら何言いふらしてやるか、しれないよ」
ヒロイン、お力のセリフでこの物語ははじまります。
すらりとした体つきに胸もとまで着物のえりをくつろげ、立膝でたばこをスパスパ不作法に吸いながら、なじみ客に声をかけて
大つごもり 樋口一葉
主人公はお峰。
町内一の金持ちだという「山村家」に下女として奉公に出ています。
その奉公先を世話した老婆は
「お子さまたちは男女六人、でも屋敷内に住まうのは惣領息子(石之助)と末の娘さんのお二人だけ。ご新造(女主人)は気難しく気分屋だけれど、結局はおだてに乗りやすいところがあるから大したことはない。身代(財産)は持っているけれどケチなところがあるが、旦那さまは甘い性格だから何かのおりには少し
樋口一葉より 十三夜
主人公はお関。
望月の十五夜にならぬ十三夜、実家の斎藤家に着の身着のまま訪れる……とやや芝居がかった冒頭。
そんな夜にひっそりと実家を訪れたのは、お関は両親に「夫と離婚するための話し合いをしてほしい」と打ち明けるためでした。
作者の一葉自身が、この作品で「芝居」を意識したかどうか?
舞台演劇であれば、一幕と二幕のいわゆる上・下構成です。
一幕目(上)ではお関とその両親が居間で話し合う
樋口一葉にカギカッコ
2004年から五千円札紙幣に肖像画を描きこまれている樋口一葉。
明治時代に名作「にごりえ」や「たけくらべ」を書いた女流文学者。
2024年からは津田梅子と交代されるとか。
誰でもそうでしょうが、わたしも樋口一葉の名前は十代のころから知っています。
でも、作品は?
中学生時代、文庫本の「たけくらべ」を開いたこともありましたが……。
が、しかし……(絶句・涙)当時の読解力ではッ、みご