病人に言っちゃイケナイ言葉～もうすでにがんばったのだ～

病人(主には精神疾患の)に、一番言っちゃイケナイ言葉。
それは何だと思いますか？

それは『がんばれ』の、無責任で残酷な一言です。

特に鬱を患う患者には、一番言っちゃあ～イケナイ言葉です。
良く考えてみて下さい。

精神疾患になってしまうような人は、もうすでにがんばったのです。
がんばって、がんばって、がんばり抜いた結果が、病気なのです。
がんばり過ぎて、病気にまでなってしまったのです。

そんながんばり過ぎて燃え尽きた人に、さらにがんばれと言うなんて、
『死ね』と言っているようなモノだと、わたしは思います。
だから、残酷な言葉です。

わたしは精神疾患になってから、『がんばれ』が本当に苦手になりました。
それって、そもそも、がんばっていない人に言う言葉なのでは？
少なくとも、がんばり過ぎて病気になった人に言う言葉ではありません。
病気にまでなってしまった人に、さらに負担を掛けてどうするのでしょう。
だから、無責任な言葉です。

対策としては、『力になるよ！』などの、相手に『寄り添う』言葉です。
だけど『がんばれ！』と言われたら、まるでがんばっていないかのように
感じて、病気ではない人でさえ、不愉快に感じてしまうのでは…？

わたしは、自分が言われて嫌な事は、人には言いません。
だから、誰にも『がんばれ』なんて無責任な事を言った事がありません。

自分で自分に『がんばるぞっ！』と言うのは良いのです。
病人は、自分の1日の限界を、それなりに理解しているからです。
いつストップするべきなのか、大体のペースを知っているからです。

だけどそれをまったく知らない人から『がんばりまくれ～！！』なんて
言われたら、『…もっとがんばらなきゃ…』とプレッシャーになる上に、
『わたしのがんばり、誰にもまったく伝わってないの…？』とさえも
思えて、ガッカリする一方になってしまいます…。

病気を患っている人に、どうか『がんばれ』なんて言わないで下さい。
わたし達は、もうすでに『がんばった後』なのです。
がんばり過ぎた結果、辿り着くのが精神病や、他の病です。

例えば、癌患者に同じ事が言えるでしょうか？
彼らは治療をがんばりまくって、体調不良を乗り越えようとして、
髪の毛さえも失ってしまうのに、そっからさらに『がんばれ！』なんて
言ったら………あまりに残酷で惨い……。

もう、いっぱい、治療をがんばっているのです。
そして、今度は一生懸命に、がんばって休んでいるのです。
治療するにも、休むにも、がんばってやっているのです。

病人は、『がんばっていない時』が、基本的に無いのだと思います。

だからどうか、気軽に『がんばれ』だなんて、誰にも言わないで下さい…。
もう充分にがんばったんだよ！！！ がんばった結果が、病気だよ！！！

『がんばれ』は、とてつもなく苦しくて恐ろしい、呪いの言葉です………。