憂鬱な気持ちの先に

幸せの人生と言う呪縛

いったい幸せな人生とは、どんな人生なんだろう。かつての僕は、人生をかけて長い間追いかけていた夢を失ったことがありました。これまで積み重ねてきたものは、全部崩れ去ってしまいました。生きる意味なんてもう無くなってしまったと、憂鬱な時間を長い間過ごしていました。

そうなってしまうと、気楽に生きることが出来なくなってしまうのです。自分にこう問い続けてしまうのです。「幸せとはなに？」「生きる意味とは？」このような問いかけは、当時の僕にとっては不幸にさせるものでしかありませんでした。

幸せになりたいと誰もが願っているものです。しかし時として、幸せにならなくちゃいけないと気持ちが強くなり、今が幸せでないことに焦り、生きることに前のめりになってしまうものです。それは幸せの人生と言う呪縛と言っても過言ではありません。

憂鬱な気持になってしまった時の自分との向き合い方次第だなと感じるのです。

憂鬱な気持ちの乗り越え方

心理学の本を読んだ時に、憂鬱な気持ちの人の時間はゆっくりと流れるそうです。しかも、時には時間が止まったように感じることもあるそうです。僕にも経験があるから、理解出来るのです。人がどんどん流れていく中で、僕だけが動けないで止まっている感覚。怖い気持ちです。ここに存在してはいけないと感じるのですから。

かつては憂鬱な気持ちとの向き合い方というえば、勇気が大事で、立ち向かって闘うというものだったような気がします。気合で乗り越えろなどと言われていました。それは時代の流れによるものだと思います。しかし、僕のような人間は、簡単に勇気なんか出なくて、憂鬱な気持ちなのに闘うことは出来ないし、追い込まれるような気持ちになってしまいます。

しかし、近年では、憂鬱な気持を受け入れる方に近いものを感じます。出来れば避けたい感情であるのに、そこをぐっとこらえて、受け入れて認識することが大切なのです。しかし、単純に考えて、受け入れることが出来ないから憂鬱な気持ちであるといえるのに、受け入れるとはどういうことなのかという話です。こちらも、追い込まれたような気持ちにさせられて、僕自身、自分には無理だと感じてしまいました。

しかし、どうして僕には出来ないと強く感じていたのか分かったのです。

それは、考える前から、僕には出来ないとか勇気がないとか決めつけていたんです。思えば、前回の憂鬱な気持になった時と、前々回に憂鬱な気持ちになった時。状況も全く違うものだし、そうなってしまった理由も違う。同じような憂鬱であるように見えて、種類も解決策も違うものであるでした。それを、考えもしないで、憂鬱な気分だ、自分はもうだめだと決めつけていたにすぎないのです。

憂鬱な気持ちを乗り越えるのには、そのたびに、憂鬱な気持の原因を探る必要があるというものです。何事においてもそうなのですが、自分と向き合う事になると忘れてしまいやすいこと。でも、とても重要で必要なこと。それは、考える努力です。どんなときも、考え続けることが大事なのです。

その原因を考えて突き詰めることが出来れば、困惑することはありません。冷静になることが出来て、憂鬱な気持ちに流されていた心を止めることが出来るのだということです。それは、まさに自分を受け入れることだと思うのです。自分の憂鬱な気持ちを受け入れるとは、そういうことだと思います。

憂鬱な気持ちの先に

そして、憂鬱な気持ちの原因を探ることと、もうひとつ大事なことがあります。それは自分の気持ちを上げられるものを探すこと。そうでないと、自分の気持ちと向き合うばかりでは、それこそ、精神を削られてしまうこともよくあることです。

辛い経験から、憂鬱な気持ちが生まれることが多いものだと言えます。嬉しくて楽しいことをしているときに、憂鬱な気持ちは訪れないものです。決めつけてはいけないですが。

だから、憂鬱な気持ちを和らげるものだけではなくて、効果的に自分の気持ちを上げるものを考えては試すといったもので、いつも探し続けることが大切です。もちろん、自分の中でブームのようなものもあります。飽きてしまうこともあると思います。

だから、いつも探し続けなくてはいけません。そこを意識し続けなくてはいけません。

コーヒーにこだわってみる。身体を動かしてみる。自分の好きな入浴剤を探してみる。自然の中に身を置いてみる。好きなワインの勉強をしてみる。料理をはじめてみる。気になるものを試すのです。それは、言えば無限にあると思います。それだけで、憂鬱な気持になっている暇もなくなります。

それは、自分を喜ばすことと、僕はイコールであると感じるのです。そうしたもので自分を埋め尽くしていくことが、豊かで幸せである人生ではないかと思うのです。

憂鬱な気持ちを乗り越えた先に、喜びがあり、その喜びが幸せを感じられる要素になるのです。

そう思うと、憂鬱と言うものに対してのとらえ方も向き合い方も、少しは変えることが出来るのではないでしょうか。

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メルシー