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自分を生かす

他人からみた自分

先日のお話しですが、スーパーで買い物をしている時に、店員さん同士の会話が耳に入ってきました。「何をグズグズしているの!そんなんじゃ、冷凍の商品が解けちゃうじゃない!」そのきつい言葉を聞いた時に、かつての自分を思い出したのでした。

お前は仕事が出来ない、ドジでのろまで役立たず。僕が社会人になって、はじめて就職した会社で、言われ続けた言葉でした。そう言われ続けた僕は、勝手に自分をドラえもんに登場するのび太君だと思い込むようになっていました。そして、いつも失敗やドジばかりしているのに、落ち込んだり反省はするものの、めげていないのび太君を尊敬するようになっていました。そもそも彼は、人生の最大の目標であるしずかちゃんとの結婚したのですから、僕からしたら、本当に心から尊敬に値する人でした。

だって、僕にはどう頑張ってもなれなかったからです。強くなれなかったのです。同じように失敗ばかりしては、ふてくされていました。人のせいにしたり、言い訳しては、諦めていたし、いつも気持ちは後ろ向きでした。

自分が望んでいたのは本当の気持ちではなかった

僕は長い間、こうした自分に対して抱いたイメージを拭いきれませんでした。そして、何事も器用にこなすことが出来るような人間になりたいと、望むようになっていました。

でもそれは、本当に僕自身が望むものであったものではありませんでした。無駄だとは言えませんが、本来望む自分になるために使える時間と労力を、別のものに使ってしまっていたのでした。だから、夢も叶わないし、目標もなかなか達成することが出来なかったのです。

それは、自分のことを知らなかったからです。自分の気持ちを何も分からずに理解しようともしていませんでした。

本当の自分の歩むべきだった道に戻るためには、自分を知ることが大切せあったのです。もっともっと知るべきだったのです。

言えば、他人は僕の一部分しか、見ることは出来ないものです。人と言うのは、さほど人に興味を抱いていないというものなのに、他人の何が分かるというのでしょう。何も分かっていないし、理解出来ていないのです。自分のことですら全てを理解し得ていないのです。あなたのことはちゃんとわかっているという人がいるけれども、それは自分の主観でしか捉えていないものなのです。しかし、僕のように多くの人は、他人の描いた自分のイメージを信用してしまうのです。本来の自分の姿が見えていないのです。

そんな他人からのイメージを、そのまま受け入れてしまい、自分を決めつけてしまうのです。だから、歪んだ目標が出来てしまうのです。ですので、自分のことを知らないでいると、本当に自分が望んだものではないものを望んでしまっているかもしれないのです。

僕は、器用な人間になりたいと望んでいたけれど、本当はそうではなかったのです。別に器用でなくてもいい、僕は不器用でもいいから、自分らしくありたかった。これも、自分を知っていくうちに気づけたことでした。

自分を生かすために

自分を知り得ないかぎり、自分を生かすことは出来ないというものです。植物を育てるにしても、その植物それぞれの特徴を知り、こまめにお世話をしなかればいけません。しかし、それが出来れば成長し、見事に花を咲かせるものです。自分自身も同じだと思うのです。自分自身を理解すること。自分のことを良く知ることによって、自分の限界だって、意識的に超えるようになれるものだと思います。

人が幸せになれる通りは、人の数だけあるものだと思うからです。だから、自分が幸せになるためには、自分独自の幸せのかたちを見つけ、自分独自の方法を探しださないといけないのです。

同じ食材であっても、味付けも調理の仕方も、無数にあるし、人それぞれの好みも、人それぞれです。自分自身が美味しいと感じられるためには、自分の好みの味付けや調理の仕方を知ることで近づくことが出来るものです。さっぱりしたものが好みなのか、揚げ物が好きなのか。何が苦手なのか。そういうものだと思うのです。

自分を生かすために、自分を知ることが大事であるのです。

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メルシー

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