見出し画像

自分の見方を変えるために大事なこと

自分のことを決めつけてしまっていた

僕は自分のことを、意気地なしで意地汚く、弱い人間であると思っていました。そんな自分が嫌いで仕方ありませんでした。そんな風に、自分を見ているから、自分を意気地なしにしていました。そんな風に見ていたから、自分を意地汚くさせていたのです。そんな風に自分を弱いって見ていたから、自分を弱くしていたのです。

そうやって、自分を前提として意気地ないで意地汚くて、弱い人間だと仮定して決めつけてしまうから、自分のそういう部分にしか見えなくなってしまっていたのでした。

そうした見方は、自分のことをちゃんと理解してあげていなかったからです。自分のことを知った気になっていただけなのです。そのことに、僕らは気が付かないといけないものだと痛感しました。

大切な友を失った

そのことを教えてくれたのは、僕にとっての親友とも言える存在でした。今は、もう、連絡することが出来ません。彼の連絡先も分からなくなってしまいましたのですから。かつての僕は、彼を利用するだけ利用してしまっていたからです。いつか、偶然会うことが出来たら、きちんと謝罪したいと、心から願っています。

当時、僕はある飲食店で店長をしていました。しかし、売り上げは良いものだとは言えませんでした。僕はその会社で厄介者として扱われて、お荷物的な存在になってしまったのでした。僕なりに必死になっていました。しかし、どの世界も同じですが結果が全てだったのです。

僕は、毎日売り上げが悪いと詰められるようになっていました。お店の予約が入っていないのなら、知り合いに片っ端から連絡してお店に連れてこいと強制的に言われました。そんな時に、頼れるのは彼しかいなったのです。中学生のときから、お互いに夢を語り合えるくらい仲が良かったから。社会人になっても、ときどきあ互いの話をして、お互いに気に掛ける存在だったのです。

そんなに困っているのならと、彼は来てくれたのでした。僕は、その時に心から感謝しました。僕はそこに甘えてしまったのです。何度も何度も、彼に電話しては、助けてもらっていたのです。更に、知り合いを紹介して欲しいと無下にしつこくお願いするようになりました。彼が困っていると知っていても。

そして、お店の周年祭をすることになった時に、会社からは、何が何でも絶対に個人で集客して売り上げを作るように、要求されたのでした。僕はその時に、また彼に電話したのでした。その時、彼が断わったのです。僕は、焦りました。そして、ちっとも友達のこと分ってくれないと冷たい奴だか薄情な奴だと言ってしまったのです。

その時に、そんなお金の亡者なんか友達ではないときっぱりと言われたのでした。後に聞いた話だと、彼も会社の人間関係で上手くいかずに、仕事を辞めていたことが分かったのです。だから、本当は外食するどころではなかったはずです。相手のことを分かっていなかったのは僕だったのです。僕は自分のことしか考えていなかったのです。

後悔を振り返り学んだこと

当時はそこから学ぶことさえ出来ませんでしたが、後悔として、ずっと心のどこかで残っていました。時々、思い出しては、自分を情けなく思うのです。そして、ついこの前のことですが、そのことから学ぶことが出来ました。

かつての僕は、人とは、どこか絶対に分かり合えるものだと思い込んでいました。彼とは、もっと友情といったもので、深い部分で繋がっていると思っていたくらいです。だからこそ、配慮することが足りなかったのです。優しさが足りなかったのです。そもそも僕が、誰かと関係性を築くときに、分かり合える前提でいるから、言葉も配慮もたりなかったのだと思うのです。

もし、人とは分かり合えるものではないと、自分の中で理解することが出来ていたら、ちゃんと気持ちも伝えただろうし、彼の話も聞いていたに違いありません。そうした、自分の中で、決めつけたものは、思うだけで無数にあることに気が付きました。

あの人はこういう人間だということ。お金持ちは意地悪だとか。サラリーマンはせっかちだとか。警察官は?弁護士は?政治家は?宗教は?男性は?女性は?日本人は?子供は?大人とは?先生とは?芸能人とは?考えれば考えるだけ、僕はいつの間にか、それぞれに偏見を持って接していた訳だったのです。

そのどれも、本当に正しいものなのでしょうか。そうした偏見で、想定して接してもいいものなのでしょうか。そうではないはずです。それは、あまりにも優しさに欠けているものではないでしょうか。もっと、ひとりひとりとその時その時に、きちんと向き合ってみることが必要ではないのでしょうか。

そう思うことが出来た時に、気が付けるはずです。自分に対しても同じことが言えるのではないかって。だって、10年前の自分は、今の自分と同じではないはずです。もっと言えば、昨日の自分と今日の自分ですら同じではないものです。気分でも変わります。体調でも変わります。ある時、自分にとって人生を変えるものに出会えた時は、その瞬間から大きく変わることだってあるのです。

かつての僕だって、自分のことしか考えていなくて、意気地なしで意地汚くて弱い人間だったかもしれない。けれど、だからといって、今の僕も同じであると決めつける必要は何処にもないのです。

今の自分を、もっとちゃんと見てあげることが必要だったのです。

自分自身も人も、決めつけることなく、その都度その都度、その瞬間を見てあげることが、大事であるのだと、今更ながらに学ぶことが出来ました。


最後まで読んでいただきありがとうございます。
メルシー

この記事が参加している募集

#この経験に学べ

54,673件

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?