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勇気が持てないときこそ

泣き言を言っている場合じゃない。でも…。

雨は嫌い。とってもナーバスな気持になってしまいます。鬱々としていたあの時の気持ちを思い出してしまうからです。あの時も雨でした。僕は不安な気持ちを抱えながら、傘をさして再就職先の所に向かっていました。とても気が重かった。怖くて仕方なかった。また、失敗するのではないかと思うと、くじけそうになって、足が進みませんでした。

そんな気持ちを、雨がより一層重たい空気を演出しているように感じるのでした。

かつての僕は、全てにおいて自信を失っていたのでした。これまで、2年近くも仕事をしていませんでした。以前勤めていた会社が、とても酷い労働環境でした。売り上げ目標を達成出来ない奴は、奴隷のように働き貢献しろと言われていましたから。僕は、そこでいつも結果を出せずにいました。だから、会社に何もかも捧げなければいけませんでした。寝る時間も、家族との時間も、友情も売り上げに変えるように指示されていたんです。友達に、商品を売りつけました。そうなると、友だちは、本当に離れていきました。どんどん追い込まれていく状況に為す術がありませんでした。しまいには、電卓が打てなくなるくらい精神を病んでしまいました。医者からは、重度のうつと診断されて、何もかもを失ってしまったのでした。

それから、入退院を繰り返し、やっとの思いで社会復帰が許されたのです。

でも、ご覧の有様で、気持ちを新たにすることが出来ませんでした。不安ばかりが先行し、大きくなるばかり。どうしても踏み出す勇気が持てなかったのでした。

もう、生きていくお金も尽きていました。泣き言を言っている場合じゃありませんでした。でも、そう思えば思うほど、自信がないとか考えてしまうのでした。そう言い聞かせれば言い聞かせるほど、まるで僕はへそをまげてしまったかのように、前を向けずにいたのでした。

雨が強まった時、遂に僕は、逃げ出したのでした。交通事故に遭ってしまったと嘘をついてまで。とても残念そうな声が返ってきたけれど、僕の中は安堵の気持ちで一杯でした。

勇気が持てないときこそ、人を応援しよう。言葉は偉大。

そんな時くらいに、友人から電話がありました。僕がどんな状態であっても、気にかけてくれた友人でした。彼の人生も、僕は、どんなものかは知っていました。とても、順風満帆には見えませんでした。でも、僕と大きく違っていた。彼はいつもチャレンジしていました。

その時の電話は、今度マラソンに挑戦するから、見に来て欲しいと言うものでした。僕は、人の応援している場合ではないと、何度も断ったのですが、その友人があまりに何度も誘うものだから、しぶしぶ行くことになりました。

当日、彼の所にいき、今回で何度目の挑戦かと訪ねると初めてだというのです。自信はないけれど、練習はしっかりと頑張ってきたんだと。僕は、いくつかのポイントを先回りしてみることになりました。スタート直前のスタンバイの時では、かなりの人数でごった返しているように見えて、彼の姿が何処にいるのか分かりませんでした。スタートしたとたん、選手たちが一斉に走り出しました。あっという間に、ばらけていき、その中間地点で彼の姿をみつけました。

遠くからではありましたが、彼の、あまりの真剣で必死な姿に、僕の気持ちは熱くなりました。僕は、彼の姿が見える度に何度も何度も頑張れと大きな声で声をかけました。自分のこと以上に、本気になって熱くなっていました。

そして、彼は見事に完走したのでした。

それ以降であっても、胸が熱くなったものは、なかなか消えることはありませんでした。

感情は伝染する。言葉は偉大で大きな影響力を持っている。それはまさにそうで、人に必死になって応援しているうちに、いつの間にか、僕の気持ちは前を向いていました。彼を必死に応援しているようにみえて、どこか彼を通して、自分に頑張れといっているように感じたのでした。

僕も頑張らなくちゃ。そう思ったのです。

再び、気持ちを持ち直すことが出来た僕は、自分で言うのもおかしな話ですが、僕はがんばりました。一から、新たに面接して、自分を必死にアピールしました。そして勇気を持って踏み出すことができたのです。再就職することも出来ました。一歩一歩、前に進めることができました。そして、見事な復活をすることが出来ました。

誰かを応援することが出来るということは、自分自身にも応援できるというものです。誰かに応援してもらえることは、非常に力になるものであります。

一番身近にいる存在である自分が応援してもらえるのは、自信にも似たような感覚を持てるのではないかと思うのです。だって、自分を信じて応援するのですから。

ですので、勇気が持てないときこそ、誰かを応援する。それが自分に勇気をもたらすものになり得るのです。

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メルシー

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