どんな自分にも変えられる

いつまでも変わらない自分

生まれ持った性格だからとか、親から引き継いだ性格だから、自分を変えることは、どんなに努力したところで出来ないもの。そんな風に思っていました。こんな風になれたらいいのになと思うことはあっても、なりたい自分として志そうとはしなくなってしまいました。もちろん、過去には必死に努力して、自分を変えようとしていた時もありました。そのどれもが、自分には変えられないものがあるのだちいう証明になってしまったのでした。

人見知りが激しく、人と深く関わることを避けていました。とても、消極的な人間だったんです。小学生の頃は、あまりにも友達が少なくて、本が友達だと思っていたくらいでした。

そんな自分を変えたいと思い、学生時代は人見知りを克服することに全てを注ぎこんでいました。そのおかげで、確かに友達と言えるような関係ができました。たくさん遊んだし、たくさん笑った記憶があります。でも、それ以上にたくさん気を使っていたのでした。友達の輪からはみ出さないように。自分の気持ちを正直に言えば、たちまち嫌われてしまうかもしれない。みんながイエスというものを僕もイエスといえるように、必死だったんです。

そんなことも、学生時代で終わりだと考えていました。必死になって自分を装っている自分が嫌になったからでした。それと同時に自分は根底からは変わらないものではないかと感じるようになっていました。仲間のみんなが大学に進学したけれど、僕はしなかった。ひとり、専門学校に行きました。自分を知らない場所で、今度こそ変わりたいと思ったからです。ですが、そこでは勇気を出せずに、すっかりと一人に慣れてしまいました。

社会に出たとき、露骨に自分の性格が仇となりました。人から嫌われ、酷いいじめに遭ったこともありました。そのせいで、余計に自分の殻に閉じこもるようになってしまったんです。信頼すれば裏切られる経験もした。その時に、僕はもう誰にも心を開かないとさえ心に誓っていたのでした。

思い返せば、両親は自分の本音を隠す人でした。そんなことを僕も受け継いでしまったのだと感じました。これまで何度も頑張ってきたけれど、気が付けば、もう自分は変わらないと、どこかで悟ってしまったのかもしれません。

どんな自分にも変わることが出来る

かつての僕は、人見知りで気が弱い人間を変えることが出来ずに、人にも自分にも心を閉ざしていました。誰も信用することが出来なくなっていたんです。

ですが、人は変われることを知ったのです。

それは、僕自身が無知だったことを受け入れられたからだと思います。

人に合わせるために、確かに僕はずっと努力をしていました。流行りのものを探したり、人に合わせるために、その人の好きなものを深く知ろうとしていました。ですが、思うようにはいきませんでした。

そんな現実を受け止めて、僕は何も変わってないと思っていたのでした。けれど、そんな僕の姿を見て、ある方が君は凄く成長したと言ってくれたんです。

「はじめて君を見た時は、やばい人間だと思ったよ。何があったのか分からなかったけれど、人を寄せ付けない雰囲気を出していたよ。目が死んでいたよう見えたから。」「今の君は、人のことを理解しようとしている。それって、すごく大切なことだし、あの頃の君と比べたら十分に成長しているよ。」

僕は、自分の成長していることも知らなかった。それに、考え方や捉え方には、たくさんあることも知らなかった。自分がそう思ったことが全てだと思いたからでした。

色んな捉え方で過去を振り返ってみると、学生の頃にあれだけ勉強したのに、今ではほとんど忘れてしまっています。それは、ひとつ言い換えれば、新しい知識を得てたくさんの価値観を得たから、古い価値観を手放したといえることも出来ます。それは、自分が大きく変ったのだと言えることなのです。

これまで、僕が無意味だとおもっていた努力は、間違いではなかったと思えるようになりました。ただ、僕が無知だったから、その変化に気付くことが出来なかっただけだったんです。自分が変っていないとしか思うことができなかったんです。

僕自身が、これから何を思い、どう行動していくかは分かりません。ですが、こんな自分になりたいと思い、選んで行動していくことで、変わっていけるのだと、今は思えています。

それは、大きく自分を変えようとすれば変わらないように見えていただけだったんです。ひとつの瞬間でみれば、大きな変化を感じられるものなんです。

自分が人見知りを変えたいと思うのなら、自分から挨拶してみる。相手の興味のあるものを自分も興味を持って調べてみる。話し方の本を読んでみる。そうしたひとつひとつの経験が、目には見えないかも知れないけれど、自分を少しだけ成長させてくれるのです。それが積み重なって、大きな変化になるのだと思うのです。

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今日も自分をご機嫌に。
メルシー