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人間らしく生きていこう

自分に求めてしまっていたこと

人として正しくありたい。いつだってそう思い生きてきました。いや、人としてそうあるべきだと思っていました。正しくないといけない。真面目でないといけない。何に対しても一生懸命でないといけない。さぼってはいけない。失敗やへまはしてはいけない。いつだって前向きで明るくなくてはいけない。こうした思いは今でも根強く僕の中で残っています。

そうした思いを持つことは当たり前のことで良いことだとしか思っていませんでした。そうした思いが向上心となり目標となって、自分を高めてくれるものだと思っていたからです。また、誰もが向上心をもつことも当たり前のことだと思っていたのです。

ただ、いつしかその思いが、重荷となって自分の人生の足かせとなってしまったんです。そうあるべきだと決めていても、上手くいかないことばかりだからです。追い込まれた気持ちになれば、僕らは過ちを犯してしまうし、どうしても、前向きでいられないこともあります。時に失敗やへまをしてしまうし、どうあがいてみてもやる気が出ないこともあります。心が臆病になってしまえば、良くない方向に舵を切って逃げようとしまうこともあるものです。

僕はその度に、自分を責めて自分を否定してきました。それはダメなことだって。そう約束したのに、どうしていつも出来ないんだって。僕は、気が付かないまま自分に完璧であることを求めてしまったんです。年齢を重ねていく度に、人は成長し、完璧な人間に近づけるものだと、心の奥底で思っていたからなのかもしれません。仕事だって、はじめは上手くいかないものだけど、月日を重ねていくうちに、慣れるものだし、出来ないことが出来るようになるものだから。きっと、人生も同じように捉えてしまっていたんだと思います。

こうあるべきだと自分に言い聞かせることが増えていきました。そうしたことが増えていくからこそ、自分をどんどん追い込んでしまい、ずっと生き辛さを感じては苦しむようになっていました。そこから、外れてしまう自分がどんどんと許せなくなってしまい、次々と自分を否定してしまっていくようになっていました。いつしかそれが耐えられなくなって、色んなことから逃げるようになりました。自分との決めごとや体裁を守るためには、何もしないことが一番だと思うからです。その方が何と言っても楽なんです。でも、そんな風に出来ない自分が嫌いだったし、臆病な自分も嫌いでした。どんなことからも逃げ回っている自分に、幸せになれるはずもないと思っていました。

出来ない自分を受け入れられるようになったのは

自分に厳しくしていたことで、人に対しても厳しくなっていました。これだけ、自分の中で迷い苦しみを感じながら生きているのに、何の努力も見えないで生きているように見える人が許せなくなっていたのでした。

仕事で絶対にミスをしないと決めて必死な思いでいるのに、目の前で誰かがあっさりとミスをしてしまったら、当然として怒りの感情が込み上げてしまっていたのでした。一向に上手くいかない人生に焦っていたこともあったと思います。そうした思いが重なって、とても厳しい人間になっていたのでした。そのことで、壊れてしまった人間関係も少なくはありません。僕といれば、息苦しかったに違いありません。友だと信じていた人とも疎遠になってしまったのです。

そんな感じだった僕は、ある時に、いつにもまして力んでしまっていたのか、大きなミスをしたり、同じようなミスを何度もしてしまったことがありました。酷く落ち込んでいると、当時、直属の上司だった方が、こんなことを言ってくれたのでした。

「君も人間らしい部分があるんじゃないか。見直したよ。」

はじめは、嫌味か冗談なのかと思いましたが、月日が経ち、様々な人間関係を経て、その意味が少しずつ理解することが出来るようになりました。

人間らしい人だからこそ、愛される存在であるということなのです。

完璧である人間なんて存在しないはずです。もしも、完璧な人がいたとしたらどうでしょう?勉強も出来てスポーツも万能で、話し方も上手でお金持ち。どこをとっても完璧な人を僕らは、応援するだろうかと思うのです。逆にその人に魅力に感じないし惹かれないと思うのです。

僕らが惹かれるのは、いつも人間らしい部分です。どこか不完全だからこそ愛されるのです。自分と同じような欠点を持っている人が自分の前に表れたとき、お互いに共感しあうことが出来るものなのです。人は凸凹だから、助け合ったり協力し合うことが出来るのです。

完璧であろうとする必要はなかったんです。僕らが人間らしく生きることを受け入れることで、人の欠点を許すことが出来るのです。つまり、心の器が大きくなるものなのです。年齢を重ねていく中で完璧になっていくのではなく、人間らしく生きていけるようになること。それが、あるべき姿なのかもしれないし、目指すべき境地なのかもしれません。

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最後まで読んで頂きありがとうございます。
今日も自分をご機嫌に。
メルシー

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