古畑佑奈(こばたゆうな)

訪問介護、特養のソーシャルワーカーを経て、看取りに関することに携わりたいと思っています…

古畑佑奈(こばたゆうな)

訪問介護、特養のソーシャルワーカーを経て、看取りに関することに携わりたいと思っています。人のくらしにまつわることを聞くのがすき。社会福祉士/精神保健福祉士 時間があるときは何を食べるかを考えている。電車に乗ることと石集めもすき。

マガジン

  • 介護職による介護職のためのカルチャーマガジン

    • 6本

    介護職が好きなことや思うことを発信するマガジン。 カバーガール、俳優、東大卒、召喚士の介護職4人が 好き好きに介護についてほんの少しだけ触れます👵🏻👴🏻

  • さいごのおやつ、何がいい?

    看取りについてのインタビュー集であり、おやつマガジンでもある。 「さいごのおやつ、何がいい?」 まずはじめはこの質問から、「さいご」について考えていることを深堀りしていきます。 読み終わったあと、おやつを食べたくなるかもしれないし、誰かと話しをしたくなるかもしれないし、誰かの好きなおやつを知りたくなる、かもしれない。

最近の記事

いつかやりたいこと

「いつかやりたいと思ってるんだけどさぁ。もう少し考える」 そういって、違う話題に変わった。 電話を切ったあとで、もう1度考えてみる。 いつかいつか、と思って、いつかが来なかったことがいくらでもある。 いつか観に行きたい、と思っていたバンドは解散してしまった。 いつか食べようと思って大事にとっていたおやつは賞味期限が切れてしまった。 いつかゆっくりお風呂に入れてあげようと思っていた祖母は死んでしまった。 いつか読もうと思っている本はずっと傍らに積まれている。 なぜか私は、い

    • 記憶を思い起こさせる味/清水翔太さん

      このインタビューでは、はじめにみなさんに、「さいごに食べたいおやつ」を伺います。それをきっかけに、「さいご」について考えていることを深堀りしていきます。今回は、介護職の清水翔太さんにお話しを伺いました。 清水翔太(しみずしょうた)/東京都町田市出身。特別養護老人ホームに勤務して5年目。好きなものは水滸伝(北方健三)、カイロプラクティック、ベース、ジブリ、ジム。 twitter:@shota_gakudan facebook ―今日はよろしくお願いします! さっそくですが、

      • 目が覚めるような/小野寺美佳さん

        このインタビューでは、はじめにみなさんに、「さいごに食べたいおやつ」を伺います。それをきっかけに、「さいご」について考えていることを深堀りしていきます。今回は、介護職の小野寺美佳さんにお話しを伺いました。 小野寺美佳(おのでらみか)/千葉県出身。新卒から特別養護老人ホームに勤務してこの4月から4年目。最近の趣味はラジオ。知らない国の料理を食べるのが好き。note:https://note.com/mikasayama36 ー小野寺さん、さっそくですが最期に食べたいおやつを

        • 冷たいストロベリーの/ゆみさん

          このインタビューでは、はじめにみなさんに、「さいごに食べたいおやつ」を伺います。それをきっかけに、「さいご」について考えていることを深堀りしていきます。今回は、介護職のゆみさんにお話しを伺いました。 ゆみ/大学卒業後から介護の仕事に従事。介護付き有料老人ホーム、グループホームで経験を積み、今現在は都内の看多機にて就業中。趣味はハンドメイド。刺繍やミシンソーイングが好き。note:https://note.com/floweribon ―ゆみさん、はじめまして。さっそくなん

        いつかやりたいこと

        マガジン

        • 介護職による介護職のためのカルチャーマガジン
          6本
        • さいごのおやつ、何がいい?
          4本

        記事

          「すばらしき世界」が問いかけるもの

          映画「すばらしき世界」を観てから、ずっと余韻に浸っています。 監督の演出1つ1つに込められた意図を考えながら、胸がちくちく。 ここから先はネタバレを含みます。 ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー いやぁ。 まず、最後にタイトルが出てきたのが最高でした。 鑑賞直後は「なんて皮肉が効いたタイトルなんだろう」と思っていたのですが、余韻を感じている間に描写を頭で思い返して、単なる皮肉ではないと考え直しました。 更生を誓う強い決意。力にな

          「すばらしき世界」が問いかけるもの

          レーズンのあれ/加藤沙季さん

          このインタビューでは、はじめにみなさんに、「さいごに食べたいおやつ」を伺います。それをきっかけに、「さいご」について考えていることを深堀りしていきます。今回は、介護職の加藤沙季さんにお話しを伺いました。 加藤沙季/新卒で介護をはじめ、もうすぐ4年。特別養護老人ホームで働いていたが、最近異動があり、訪問介護をしている。好きなものは美味しいコーヒーとお酒、趣味は旅行。 ―ではいきなりですが、加藤さんのさいごに食べたいおやつ、なんですか? もう、いっぱいありすぎて困るんですが

          レーズンのあれ/加藤沙季さん

          まちは死ぬこともありうるから

          昨日、なんでも拾いをした。 なんでも拾いとはなにかというと、ごみ拾いである。 周辺は釣りスポットということもあり、釣り関係のごみから、なんでこんなものまで?と思うものから、とにかく大漁、いや、大量だった。 「なぜそんなにモチベーションを持って取り組めるんですか?」 なんでも拾いのきっかけとなった、シティープロモーションイベントのメンバーに聞かれた。当時、縁もゆかりもない土地である鹿児島市に引っ越してきて3ヵ月。いきなり知らない土地で謎に張り切っているわたしをみて不思議

          まちは死ぬこともありうるから

          新しいルーティンをつくる

          どうせやるなら、完璧なものをつくりたい。 間違いはあってはならない。 そんなハードルが、頭の中にいくつもあった。 それに加えて生粋のめんどうくさがりやということもあり、頭で考えていることはあっても、行動に移すまでいかないのが悩みのタネであった。 でも、今年は。 そのハードルを飛び越えながら走りたいと思う。 この記事を読んで、終始うなづきっぱなしだった。首がもげなくてよかった。 結局、「恥ずかしさ」と戦うしかないのだと思う。 上を見上げたらキリがないが、自分がど

          新しいルーティンをつくる

          看取りのストーリーを聴かせてほしい

          看取り経験のある、介護職の方。お願いがあります。 経験談を、聴かせていただけないでしょうか。 インタビュー内容を記事にして、まとめたいと思っています。 なんのためにそんなことをするのか。 もし、興味を持ってくださる方がいましたら、少しお付き合いいただければうれしいです。 死のとらえ方今まで生きてきて、最初に「死」を意識したのはいつだろう。 記憶に残っているのは、小学校低学年のころ、「死んだらお母さんに会えなくなっちゃうんだ」と思って、悲しくて布団の中でしくしく泣い

          看取りのストーリーを聴かせてほしい

          なんでも流せるまち最強説

          人生谷あり山あり。 この言葉が、私たちの活動のすべてを表している。 埼玉から鹿児島に引っ越してきたタイミングでみつけた、「PLAY CITY! DAYS」というイベント。 鹿児島市のシティプロモーション事業で、「まちを楽しむ」ことを目的としたものである。 鹿児島市内のいくつかのエリアでチーム分けがされ、私は住んでいる「谷山」というエリアのチームに入ることになった。 今年はすべてオンライン開催ということだったが、チームでプロモーション動画を作成したり、感染症対策をしつ

          なんでも流せるまち最強説

          墓場でも聴きたい曲を伝えておくということ

          「俺の葬式では、この曲を流してほしいなぁ~」 休日のおだやかな昼下がり。のほほんと夫に言われた。 えっと、今葬式の話? わたしは動揺した。 2人であれこれ聴きながら、結婚式で使う曲を決めているところだった。 「そんなこと言わないで」という言葉がのどから出かかって、ぐっとこらえた。 「へぇ~。わかった」 平静を装ったつもりだったが、ぶっきらぼうに答えてしまった気がする。 人間、誰しもいつそのときが来るかわからないと、頭ではわかっていても、やっぱりそういう話をするの

          墓場でも聴きたい曲を伝えておくということ

          旅とインターネット

          「ミンガラーバー」 ミャンマー語で「こんにちは」の意。 「チェーズーティンバーデー」 ミャンマー語で「ありがとう」の意。 インターネットで検索すれば、言葉は一発で出てくる。この世のことは、なんでも知ることができる気分になる。 旅行が好きで、仕事の長期休みを利用して年に1度は海外へ出かけていた。気の合う友人と2人でミャンマーに旅行に行ったのは、2年前のことだ。 いつも、出かける前には必ず現地の言葉を調べる。 とにかくまずは「こんにちは」と「ありがとう」だ。とりあえず連

          旅とインターネット

          十五夜にケアを考える

          昨日の夕方、団子を求めて店をはしごした。 残念ながらどこも売り切れで、でももうお腹の気分は団子だったので、白玉ののったデザートを買って帰った。あんこと生クリームが甘くて幸せだった。幸せはこんなにも身近なところにあるんだなぁ、と月並みなことを思った。 中秋の名月。 月がとても明るく光っていた。 以前働いていた特養に、月を見るのがとても好きな入居者さんがいた。 毎晩のように、「今日も月見に行ってもいい?」と事務所にきて、職員に声をかけてくれた。一緒に外に出て、今日はどん

          十五夜にケアを考える

          肩書きのない自己紹介

          はじめまして。古畑佑奈(こばたゆうな)と申します。 ずいぶんと前からnoteを書くぞ、書くぞ!と言ってアカウントを作ったものの、しばらく放置していた。 昔から書くことは好きで、でも日記などは三日坊主で、今年の目標は「言語化」なのだけれど、何にもせずに半年が過ぎていて、あぁ、このままじゃいかん…と思っていた矢先。 同じ介護業界で働くご近所仲間で、マガジンを書くことになった。 なにをするにもきっかけというのは大事で、どうしても怠け心が出てしまう私にとっては絶好の機会。そん

          肩書きのない自己紹介

          本の貸し借りが、歴史を変えるかもしれない

          Uさんとはじめて話したのは、職場の歓迎会だった。 「え、あの本屋の?!」 思わず声をあげた。 私は特養で働いていた。Uさんは職場の後輩である。2019年4月に新卒で入職した、とてもフレッシュさん。大学で介護の勉強をしていたわけではないが、介護職として入職してきた。 偶然にも地元が同じで、私は勝手に親近感を抱いた。しかも、ただ単に地元が同じというだけではなかった。彼の実家は本屋さんで、私は小中高と、もれなくその本屋に教科書を買いに行っていたのである。 そんな偶然あるの

          本の貸し借りが、歴史を変えるかもしれない