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映画や本や作品の感想

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記事一覧

読書感想文『死後の恋』(後半)

耽美さを裏書きする、証拠なき証言

「死後の恋」の終わり方は最後の一言が有名。

アナスタシヤ内親王殿下……。

日本軍人にアナスタシヤ内親王殿下の面影を見たのか。
それともアナスタシヤ内親王殿下が生きており、日本軍人に変装していたのを、このキチガイ紳士が見抜いていたという話なのか。

キチガイ紳士という呼び方に統一しましたが、彼が本名を名乗っているとは思いづらかったからです。加えて彼の名前がこの

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読書感想文 『死後の恋』(前半)

『死後の恋』夢野久作

ハハハハハ。イヤ……失礼しました。嘸かしビックリなすったでしょう。前まではキチガイ紳士が言うことを丸ごと信じていたのに。最近になって物語を読み返したら胸が悪くなってしまいました。
これは作り話で、幻想の中にのみ存在する恋の相手だ!というふうに解釈が変わってしまったのです……アハアハアハ。イヤ大笑いです。

自称キチガイ紳士を支配している『世にも不可思議な死後の恋』
これを肯

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争いの連鎖

戦争・内乱など、
世界中の武力紛争に武力をもって介入し、戦争根絶を目指す。「平和のための武力行使」という矛盾を抱えたガンダム00を、物凄く一生懸命観ていた。

争いの連鎖を断ち切るために、圧倒的な武力を行使するガンダム四機。

それぞれに忘れられない過去と自己矛盾を抱えながら平和を願って…。ガンダムシリーズの中で、私はガンダム00が一番好きだ(他のシリーズはちゃんと全部観たことがない、ガンダム00

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クトゥルフ神話

確か、ニコニコ動画で初めて知ったんだった…。
静止画を組み合わせて作られた映像に素人のアフレコ。何となく面白いと思って観てたけど、やはりそこはニコニコ動画。テンションだけの笑いとチープな仕上がりでストーリーの深さはなかったと思う。

クトゥルフ神話を引き継いだ漫画を読んだ。
個人で活動している作家さんや、水木しげる先生の漫画もあった。
静かな狂気、這い寄る混沌。…人肌を感じる優しさ。
神秘的な世界

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お酒について

日本経済新聞のインタビュー
町田康「酒をやめて生産性上がった」2分位の動画がある。

酒を飲んでいるうちは仕事が終わったら酒、他のことはどうでもよかった。ネギを買いに行くと自分の前をおじいさんがよちよち歩いている。そんな時、町田さんは「ネギ買うねんボケェ!」(わかりやすく言うならと注釈をいれている)と、思っていたらしい。言わないけど思っていたらしい。
でも酒をやめてからは「おじいさん、大丈夫?」と

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映画:バタフライ・エフェクト

あらゆる物事は理由があって起こる。

この世界に起きる出来事は全て理由があって、日常生活で起きてくる物事一つ一つにも、全てちゃんとした理由がある。

劇中、エヴァンはなぜ包丁を持って立っていたのか?
→ダイナマイトを破壊するための道具を探していたから。
事情を知ったところで事実は何も変わりません。刃物を持った、ただ危険な男の子です。
でも、包丁を持つ意味が彼にはあった。理解不能な異常性にも理由があ

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スティーブン・スピルバーグ監督『A.I.』

デイビッドはロボットだけど、人間の子どもような『夢を持つロボット』。

彼は願いを叶えるために冒険をし、2000年眠り、そして目覚め、その願いは1日だけ叶う。

叶うまでに掛かった時間の長さ=幸せな時間の永続性ではない。
どんなに短い幸せだったとしても、自分の中では永遠のながさにする事も出来るのだと教えてくれた気がする。

瞬間の幸せを抱きしめる大切さ。

努力に見合った報酬を求めない。

自分の

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映画:アメリカンサイコ

冒頭

パトリック・ベイトマン 27歳

体には気をつかい—ダイエットやエクササイズをする
朝 顔がむくんだ時は
アイスパックを当て腹筋をする 1000回はできる

その後 ローションで毛穴の汚れを落とし(ロクシタン)
クレンジングジェル(イブサンローラン)で体を洗う
ボディ用スクラブと
フェイス用ジェルスクラブ
ハーブミントのマスクを塗って10分間—
ひげ剃りの準備をする
アフターシェイブはアル

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映画:『パプリカ』

夢は科学が踏み入ってはいけない聖域とされる。夢は、最後に残された人間的なものである。そして現実世界は、科学が暴走した非人間的なものである。

「友達と夢を共有できたら素敵だと思わない?」「DCミニによる患者への深い理解…」
他者の夢を共有できるテクノロジーが悪用され、人々の夢が飲み込まれていく。

乾理事長は足を悪くして歩けない。小山内は天才の時田と自分を比べ、劣等感を抱く。彼らにとっては現実から

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