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侵食と多様性

この世界は多くの価値観に溢れている
そして、その価値観は他の価値観へと侵食を始めることもある。


身に覚えのある胸騒ぎが私のもとへ訪れた。
何も考えられないほどの混乱と強いめまいが
同時に襲いかかった。
私は誰かの基準、価値観に侵されている。
期待、責任、役割、苛立ち、蔑んだ眼差し。
それらを同時に処理し切れなくなった
私に告げられたのは
適応障害という4文字だった。



私自身がこの先をどのように歩むべきなのかを
問われた瞬間で、他人の基準や価値観に
応えることのできなかった私自身と
私の価値観がまるで侵食されたかのような気分だった。
決して混ざり合い調和することのない色のように
私という色が輝けるキャンバスは
もうそこにはなかったのだった。



私がこれまで積み上げてきたものが
僅か数ヶ月で無駄になるはずがないと、
どこかで思っていた。
現実は残酷で弱い者は強者に喰われるそんな時代で
多様性を受け入れることの本当の意味や
自分が目指していたもの、
作りたかったものは何なのかを
ずっと考えさせられた時期だった。


価値観同士のぶつかり合いや侵食が生み出すものは
綺麗な色ではなく濁り歪んだものになるのなら
濁り歪んだ色が輝ける
そんなキャンバスがあっていいと私は思っている。
誰が見ても綺麗な色を持つ人たちが
強く輝くことのできない未完成の色を持つ人たちの
手を取り合うそんな未来が来てほしいと
私は願っている。
いや、この手で作りたいと思っている。
たとえ私が触れることのできる
半径5センチ内のキャンバスだけだったとしても。


あなたは目の前のキャンバスに
どの色を使って未来を描くのだろうか。
純白の未来を輝き溢れるように彩るのは
あなたか?それとも…


めろんだいふく


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