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【詩】

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心に浮かんだまま書き殴られたものたち。
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#私は私のここがすき

【詩】愛焦がれ

【詩】愛焦がれ

漸く病が大人しくなってきた
喜ばしくなかった結果と焦燥
酒に溶かして飲み干してやったよ

ツーシーターの助手席は今日も不在
心に決めた素敵な人に乗って欲しい

いつか持っている負荷を全て降ろしたら
邪魔する重荷を全て捨てる日が訪れたら
私に寄りかかってくれる人が現れたなら
全身全霊をもってその人を幸せにしよう

浴槽を泳ぐ一匹の小さな八ツ足
泡で消毒して排水口の彼方へと

憧れる夢がある
その夢は

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「解体」

「解体」

昨日の早朝
蛍光灯が三本の内一本しか灯かなくて
一式分解してみた
けれど結局部品が壊れていて
相変わらず蛍光灯は一本しか灯らない
これは業者にお願いして
より精密に分解してもらおう

ここ数日で
車の右側のスピーカーが鳴らなくて
音楽が命の私にはとても不快で
工具を買ってきて解体して
直してあげようと思っている
十万キロメートル以上走ってくれている
可愛い愛車だから
少しでも長く、気持ち良く乗って

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「鳥肌」

「鳥肌」

寒い時
ぞっとする話を聞いた時
皮膚の表面に鳥肌が立ちますよね

私も勿論そうなのですが
素敵な音楽が心を響かせた時
全身に鳥肌が立つのです

昨日朋輩に聞いてみました
-音楽聴いてて、鳥肌立つことってある?
「いや、俺は無いなぁ……。」

当たり前だと常に思ってたことが
当たり前では無かったのに驚いた

音楽で鳥肌が立つ時は様々で、
新譜を聴いて「好き!」と感じたら起こるし
何十回も聴いた曲でも

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【入浴日記】「己を語る詠」

【入浴日記】「己を語る詠」

私の名前は或樹木
苗字との画数から決めたらしいが
詳しい事は二、三度聞いたけど
画数以外は覚えてないな。

私は極めつけのの貧乏人
陥らない術もあったが、
知るのが余りにも遅すぎたね
あの四年間は色々な意味で
良い経験だったなぁ。

私は借金に追われて毎月を送る

親父から借りた引越の初期費用
調子に乗っていたクレジットカード
お袋から利子をつけるくらいならと
四年間通わせてもらった大学費
そのお

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「月夜の川面」

「月夜の川面」

月夜の晩に 窓から見える
ひとつの球体 今宵は素敵

部屋から見ると その月は
川面に映り 美しく

外から見ると その月は
朧に隠れ また綺麗

月夜の晩に 橋の端にて
紙巻煙草 燻らせる
これを吸ったら 橋を離れて
帰路に着こうと 煙を吐いた

窓から見えた 川面に映る
川面に光る まんまるの月

「またあの月が 見れますように」

月夜の晩に 祈りをひとつ
紙巻煙草 ちりちりと
吸い終える頃

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