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最近、短歌が面白い。

最近私の中で、短歌がアツい。

特に『あなたのための短歌集』を読んでから木下龍也さんのファンで、木下さんの歌集を中心に、短歌の世界を少しずつ楽しんでいます。


というわけで今回は、お気に入りの歌集5選をご紹介します。

ここで選んだものはどれも、短歌初心者の方でも楽しめる作品ばかりだと思います。

気になる作品があれば、ぜひ一度手に取ってみてください。



木下龍也、鈴木晴香|荻窪メリーゴーランド


現代短歌界で活躍されている歌人、木下龍也さんと鈴木晴香さんのお二人が、短歌だけで男女の恋愛物語を紡ぐ連載企画です。

短歌は、わずか31文字で感情や情景を表現する”引き算”の芸術

文字数に制限があるからこそ、読み手は行間から、男女の物語を思い思いに想像します。


ふたりとも 黙ってしまう そのあいだ
海が喋って いてくれるから (鈴木晴香)

p20より引用

閉じるべき まぶたが二枚 増えてから
夜がぼくらに 手こずっている (木下龍也)

p83より引用



穂村弘|短歌くださいシリーズ


短歌界の重鎮、穂村弘さんがダ・ヴィンチで連載している人気企画、「短歌ください」の書籍版。

月替わりのテーマで一般読者から短歌・自由詠を募集する企画。


思わずくすりと笑ってしまう歌や、ハッとするような感性が光る歌など、とにかく生き生きとした短歌が楽しめます。

それぞれの歌には穂村さんのコメントも付されていて、テンポよく読み進められます。

ペガサスは 私にはきっと 優しくて
あなたのことは 殺してくれる(冬野きりん)

じゃんけんで いつも最初に パー出すの
知っているから わたしもパーで(須田千秋)

「あたしも」と 必ず後から 手を挙げる
心のなかで、生きてたことも(小林晶)



木下龍也、岡野大嗣|玄関の覗き穴から差してくる光のように生まれたはずだ


新世代を担う二人の歌人、木下龍也さんと岡野大嗣さんによる共著。

男子高校生ふたりの視点で、7月1日から7日までの七日間の物語を描いた歌集です。

最近こういう、歌人が歌を詠み合ってひとつの物語を紡ぐ形式の歌集が好きです。


ナナロク社さんの装丁が素敵。

書籍に半透明のカバーをかけると、窓の景色にふわりと白いカーテンがかかる仕様になっています。


ボス戦の 直前にある セーブ部屋
みたいなファミマ だけど寄ってく?(木下龍也)

p36より引用

倒れない ようにケーキを 持ち運ぶ
とき人間は わずかに天使(岡野広嗣)

pより引用



清川あさみ、最果タヒ|千年後の百人一首


千年の時を超えて読み継がれる百人一首に、最果タヒさんの詩と清川あさみさんのイラストによって、新たな命が吹き込まれた『千年後の百人一首』。

最果タヒさんの美しい言葉による新訳は、ともすれば古めかしい印象を受ける百人一首に現代的な感性を乗せ、親しみやすくしてくれます。

そして清川あさみさんによる布、糸、ビーズなどを用いた100のイラストが、活字のみだった歌の世界に、さらなる奥行きを加えています。


田子の浦に うち出でて見れば 白妙の
富士の高嶺に 雪は降りつつ(山部赤人)

ごらん、
田子の浦の浜辺にでれば、
見上げるとそこに富士山だ。
ごらん、
きみの瞳のなかの、その白い高嶺に、
今も、雪が降っている。(最果タヒ)

p7-8より引用



木下龍也|あなたのための短歌集


以前「今日も、読書。」などでもご紹介しましたが、改めてこちらのnoteでも、『あなたのための短歌集』を推させていただきます。

本当に素敵な本で、涙がこぼれそうになります。何度でも何度でも、おすすめしたい作品です。

大切な人に気持ちを込めて贈りたい、そんな大切な本です。



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