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今日も、読書。 |幼い頃のワクワクした読書を、無意識に探している
幼い頃、読書は今よりももっと新鮮で、キラキラしていた。そんな気がする。
私が本格的に本を読むようになったのは、大学生になってからだ。
しかし、高校までの期間にも、ごくたまに本を読んでは、「読書って楽しい」となんとなく感じていた。
小学生の時には、エミリー・ロッダのファンタジー小説『デルトラ・クエスト』に夢中になった。中学生の時に伊坂幸太郎さんの『ラッシュライフ』に度肝を抜かれ、高校生の時に森見登美彦さんの『夜は短し歩けよ乙女』に衝撃を受けた。
本を開き、全く知らない世界に飛び込み、その先に待ち受けている感動に浸る。高校までは、あまりたくさんの本を読んでこなかった。しかし、その分、一冊の本から受け取る感動の量は大きかったように思う。
あの頃の読書は、未知の世界に触れるという冒険に満ちていた。
最近は、本を読むことがすっかり当たり前になってしまったせいか、あの頃ほどの感動が味わえていない気がする。ついつい、似たようなジャンルの本ばかり読んでしまうことも増えた。
ほんの少し読書の経験値がついてしまったばっかりに、物語の展開の予想がつき、新鮮味が感じられないこともある。あの頃のままの、純粋な読書体験を味わうのは、なかなか難しい。
幼い頃のワクワクした読書を、私は無意識に探している。
きっとあなたは、あの本が好き
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この本を読めば、きっとあなたに最適な1冊が見つかるでしょう——10人の作家・翻訳家・書評家が、とっておきの本を紹介する読書ガイド!
『オスカー・ワオの短く凄まじい人生』の翻訳で知られる都甲幸治を中心に、芥川賞作家や翻訳家、書評家たちが集まって、ヨーロッパやアメリカから日本まで、不朽の名作からベストセラーまで、縦横無尽に語り尽くします。
共通点は、読んで面白かったこと、という一点のみ。トールキンなんかのファンタジーからホームズものなどのミステリー、それから、日本近代文学の王者、谷崎潤一郎や太宰治まで。伊坂幸太郎の青春や『不思議の国のアリス』の少女ワールド、そして江國香織から村上春樹まで。大島弓子や萩尾望都についても熱く語ります。
著名な10人の作家、翻訳家、書評家が集結。三人一組の対話形式で、不朽の名作からベストセラーまで、好きな本の魅力を語り尽くす本作。
取り上げる本のジャンルは様々で、ファンタジーからミステリ、純文学、エンタメ、童話、耽美小説まで。村上春樹からコナン・ドイル、トールキン、伊坂幸太郎、そして太宰治と、あらゆる層の本好きに刺さるセレクションになっている。
「村上春樹が気になる人に」「ルイス・キャロルが気になる人に」という形で、作家ごとに章立てがされている。好みのジャンルの章を読むと、新たな視点や関連作品、同ジャンルの似ている作品などを知ることができる。
本にまつわるプロたちの会話は、知識に富んでいて勉強になる。目から鱗が落ちるような解釈や考察、小説の読み方、感想の言語化。参考になる点が非常に多い。
とにかく面白い本を読みたい。みんなそう思ってるけど、実行するとなるとなかなか難しいですよね。
たとえば、今月のおこづかいを握りしめて書店に行く。小さい本屋はあんまり本がないから、今日は大型書店がいいかな。で、店に着いた途端、あなたは本の洪水に飲み込まれてしまう。いったい何万冊あるんだろう。気になったタイトルや装丁の本の冒頭をちょっと立ち読みしても、自分に合うかどうかはなかなかわからないし。
そこであなたは低い台に置いてある新刊書を見る。あるいは、「当店のベストセラーリスト」を眺める。聞いたことのある作家やタレントが帯文で、これはすごくいい本だ、絶対に読むべし、なんで叫んでる。じゃあここは信じて買ってみるか。
レジに持って行き、待ちきれないあなたは帰りの電車で読み始める。そして思うのだ。確かに面白いんだけど、何か違うんだよなあ。そりゃ次の展開は気になるし、文章もうまい。内容もバッチリ現代風なんだけど、心のなかにいつも抱いていた、もやもやした感情をバチッと言葉にしてもらったときのような、驚きと喜びが混ざった体験とは違う。
上に引用した文章を読み、少しでも共感する部分がある方は、ぜひ本書を手に取ってほしい。
本作を読めば、読書の初心を取り戻すためのヒントが、きっと見つかる。純粋で、自分なりの読書の楽しみ方が、ここにはある。
本作の大きな魅力は、以下の3点だ。
①三者三様の視点で、作品・作家について深く考察されている
②関連するテーマを扱った作品や、類似作品が紹介されている
③なぜ本を読むのか、なぜ本を読むことは楽しいのか、気づきがある
先日、「好きな本の類似作品を探すのは難しい」という話を書いた。もう一度同じ感動を味わいたいと願っても、なかなかバチっと来るような作品に出会えない。
『きっとあなたは、あの本が好き』は、そんな迷える読書家の、大きな助けになってくれるだろう。
幼い頃に経験した、ワクワクするような読書体験。この本を読めば、あの頃の読書体験にもう一度出会う、最初の一歩が踏み出せるはずだ。
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