2022年9月の記事一覧
今日も、読書。 |世界を動かすのは、いつだって個人の努力と好奇心だ
J・ティプトリー・ジュニア|たったひとつの冴えたやりかた
聞き惚れてしまうような、美しいタイトル。
原題は「The Starry Rift」。直訳すると「星の亀裂」とでもなるのだろうか。浅倉久志さんの邦訳の、素晴らしさが光る。
J・ティプトリー・ジュニアさんの『たったひとつの冴えたやりかた』。本作は、3つの中編作品から成る。
宇宙の大図書館で、連邦草創期の人間(ヒューマン)に関する3つの文
今日も、読書。 |ダンテ『神曲』をめぐる追跡劇
ダン・ブラウン|インフェルノ
「インフェルノ」とは、「地獄」のことである。
ダン・ブラウンさんの『インフェルノ』は、ダンテの『神曲』<地獄篇>を題材としており、「地獄」が重要な鍵を握る。そして、物語に隠された「インフェルノ」のもうひとつの意味に気付くとき、読者は戦慄する。
ちなみに私は、ダンテ の『神曲』は当然の如く未読である。
『インフェルノ』は、『ダ・ヴィンチ・コード』で一躍有名になっ
今日も、読書。 |「Vシリーズ」を読み終えてしまいました
森博嗣|Vシリーズミステリ好きなら誰もが知っている『すべてがFになる』から始まる、「S&Mシリーズ」。
本シリーズを読み終えた私は、しばらく犀川・萌絵ロスから立ち直れずにいたが、やがて導かれるように、『黒猫の三角』から始まる「Vシリーズ」を読み始めた。
そしてとうとう、Vシリーズ全10作品を読了した。初めは犀川・萌絵ロスがあまりに大きく、保呂草や紅子ら、Vシリーズの登場人物たちになかなか馴染め