- 運営しているクリエイター
2022年7月の記事一覧
今日も、読書。 |イタリアらしい恋愛とは?
2022.7.24-7.30
内田洋子|どうしようもないのに、好き イタリア15の恋愛物語
イタリア人の「恋愛」をテーマに紡がれた、15編の短編集。各短編の恋愛物語は、内田さんが実際に知り合った人々の話をベースにして書かれている。
内田洋子さんの鋭い観察眼や、相手の懐に入っていく温かな人柄、切れ味の鋭い考察、そして表現豊かな文章が、余すことなく楽しめる一冊。人と人との関係性を深掘っていく「恋
今日も、読書。 |スマホを捨てよ、山へ出よう
2022.7.17-7.23
パオロ・コニェッティ|フォンターネ 山小屋の生活
装丁の焚火の明かりに導かれるようにして、手に取った本作。
余談だが、焚火が持つ魔力はすごい。私は根っからのインドア派であるが、野外で行われるキャンプファイヤーはなぜか好きだ。心を無にして、炎の動きを目で追っていく。火の粉が昇って消えていき、自分の心をどこかに運び去っていくような、不思議な感覚になる。
あらすじを
今日も、読書。 |書簡体小説はなぜ面白いのか
2022.7.10-7.16
エリーザ・プリチェッリ・グエッラ|紙の心
本作は、岩波書店の「STAMP BOOKS」シリーズの1作。外国から海を越えて届くエアメールをイメージしたデザインが、可愛らしい。
先日の読書イベント「読むしかできない」で、参加者の方にいただいた本だ。
著者のエリーザ・プリチェッリ・グエッラさんは、イタリア・ミラノ出身。期せずして、私が好きなイタリア文学だ。著者は本作
今日も、読書。 |大海を泳ぐ ~魚舟と暮らす海
2022.7.3-7.9
岡嶋二人|ツァラトゥストラの翼
皆さんは、「ゲームブック」というものをご存じだろうか。
ゲームブックとは、読者の選択によって展開や結末が変わる、ゲーム型の本のこと。本の中で読者に選択肢が提示され、その選択によって、その後の展開が幾通りにも分岐する。読者の選択によって、全く異なる小説が完成するというわけだ。
岡嶋二人さんの『ツァラトゥストラの翼』は、ゲームブックの中
今日も、読書。 |最近読んだ「大学生小説」2選
2022.6.26-7.2
吉田修一|横道世之介
人生のほんのわずかな期間、自分が誰かと出会ったことで、その誰かの人生の一幕に、ほんの少しだけ彩りを添える。そんなことが、あるかもしれない。
『横道世之介』は、毎日新聞で連載されていた、吉田修一さんの長編小説。2010年に柴田錬三郎賞を受賞し、同年の本屋大賞も3位にランクイン。高良健吾主演で映画化もされており、時代小説のような堅めのタイトルとは