マガジンのカバー画像

【note集】はじめての麻酔科

36
麻酔って、なんでそうするんだろう? はじめて麻酔の現場をみる人向けに 「麻酔科医がなにを考えているのか、やさしく解説する」をコンセプトにしたnote集📚 全35記事 1記事…
運営しているクリエイター

2020年12月の記事一覧

【挿管】介助者が大事な話【ポイントは2つ】

【挿管】介助者が大事な話【ポイントは2つ】

挿管というと、
「喉頭展開」に意識がいきがちです。

喉頭鏡でぐいっ、とやるおなじみの光景ですね。

挿管する手前の一番重要なところ、
というイメージですが
他の下準備にも注目するべきです。

他の手技にも言えることですが、
成功の9割が下準備にかかっています。

きちんと計画する、ちゃんと準備する。
それでほぼ決まり。
あとのことは細かいことなんです。

挿管の下準備、
それは「流れ」をちゃんと

もっとみる
【開口】挿管で大切なことはすべて志村けんが教えてくれた。【解剖の解説】

【開口】挿管で大切なことはすべて志村けんが教えてくれた。【解剖の解説】

挿管の時に「口が開かないな、、」ということありますよね。
開口がイマイチな患者さんは確かにいます。

でも、ちょっとまってください!

やり方の問題で開口できていないだけかもしれません。

この記事では最大開口させるための基本と、
その解剖学的解説をしていきます。

意外と教科書に載ってないんですね!
図解で説明します。

すぐに実践できるので試してみてください。

この記事は1600文字で 3分

もっとみる
点滴は麻酔科医の生命線である。

点滴は麻酔科医の生命線である。

点滴をとる。
そもそも点滴をとる目的はなんでしょうか?

手術室では、薬を入れる、急速輸液する、輸血をする、の3つが考えられます。

全身麻酔導入では「薬を入れる」が点滴の主な役割です。

最低限、薬が入れば細い点滴でもなんでもよいということです。
が、確実に血管内に入っていなければなりません。

点滴は麻酔科医にとって生命線です。

眠くなる薬も、痛みを取る薬も、血圧を調整する薬も全て点滴から入

もっとみる
【ポイントは2つ】麻酔導入直後の呼吸器設定

【ポイントは2つ】麻酔導入直後の呼吸器設定

昔、人工呼吸器がなかった頃
麻酔中は麻酔科医がずっとバックをもんで「手動で」換気をしていました。
今はこれを自動でやってもらうわけです。

その為には指示(呼吸器設定)をしなければなりません。

挿管直後の人工呼吸は「とりあえず」の設定でOKです。

なぜなら呼吸器設定はバチっとはじめから決まるものではないからです。
患者さんの状態をみながら調整していきます。

とりあえずスタートしてみて、それか

もっとみる
実は最も困難な手技、胃管挿入

実は最も困難な手技、胃管挿入

麻酔科の数ある手技の中で、一番難しい手技は胃管挿入です。

え?挿管とかCVとか、硬膜外麻酔じゃないんですか?

そう思う人もいるかも知れません。
が、最も手こずるのは胃管なんです。

報告にもよりますが、
文献上でも意識のない、挿管されている人の
胃管挿入初回成功率は50%程度です。

胃管挿入が難しくて、手術開始が遅くなってしまうこともあります。

「なんで胃管ごときが入らないんだ。」

そん

もっとみる