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困ってる人ほど相談できないその背景

支援機関を利用したくても躊躇してしまう。だから、相談のハードルを下げること、わざわざ行かなくても相談できる社会的環境をつくっていくべきだと語っていたのは、関東を中心に若者支援を行っているNPO「育て上げネット」の工藤啓さん。
「日テレニュース24」で紹介されていた。

認定NPO法人「育て上げネット」が、ひきこもりや矯正施設の退所者で無職の若者に調査を行った。「支援機関の利用に迷ったか」という問いに対し、約半数が「迷った」と答え、相談に躊躇した経験があることがわかった。
その理由については…
・何を話したらいいかわからない (55.9%)
人に相談するのが苦手 (51.7%)
自分が場違いじゃないか心配 (38.4%)
支援を受けるのはダメな人だ… (30.6%)
と相談する前に多くの戸惑いがあることが見てとれる。

困ってる人ほど相談のハードルが高い。ここが難しいところだなあと思う。
育て上げネットさんのようにスカイプやLINEなどでもアクセスできるってのは利用する側としてはいいなと思う。意外に受付は電話だけってところも少なくなかったりするので。

相談に躊躇するのは、そもそも若者が社会との接点を失ってしまっている前提がある。接点を失ってしまうのは、過去に誰かに傷つけられた体験があって、人に不信感・恐怖感があることが要因のひとつだと思っている。
人を前にすると嫌な体験がフラッシュバックする。もう二度と同じ思いをしたくない。だから、支援機関であっても他人には変わりないわけで、そうそう簡単に打ち明けられない。

でも、内心では助けがほしい・社会に出たいという気持ちも強く強くある。人がこわい、けれど、人と関わりたい。躊躇している人はこの矛盾・葛藤した心の状態を抱えていると思う。
イメージ的には自分という人間が左右から引き裂かれるような感覚。そんなだから自分は狂ってしまってるんじゃないか、おかしいやばいヤツなんじゃないかって、悪い方にばかり考えてしまうんだよね…。

僕が支援先につながったときホッとしたのは、この心の状態を「なにもおかしくないし、むしろ、当然だと思うよ」と声をかけてくれたこと。へッ!?そうなんすか、いいのね、いいのか、そっかあ〜って。
矛盾・葛藤した状態でもいいのでは〜と肯定されて随分と楽に落ち着けたのだ。

だから「相談」となると、相談内容をまとめなくちゃとなるも、なにを相談したらいいのかそれを相談したいのじゃ〜ってなって、そんなことも恥ずかしくて言えないから相談をあきらめてしまいがちになる。まいっちゃうよね、僕もあった。
なので、まずはあなたの心の状態ありのままを言葉にしてみることから一緒にやってみませんか?というような投げかけ・スタンスが躊躇する人に響くんじゃないかなと。

本人が望む支援の形を知るためにも、支援者にとっても、心や感情を整えることが大切だと僕は思う。

〜おわり〜

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