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PM必見!イシューを特定し、効果的な課題解決に導くための新たな開発フローとは

2022年2月で創業から5周年を迎えたミツモア。これまでスピーディなプロダクト開発を進め、サービスを改善してきましたが、2022年3月現在、ミツモアのプロダクト部は35名を超え、これまでの開発フローを改めて見直し、新たな開発フローを設けました。
新たなフロー導入によって、習熟したプランニング経験者でなくとも、イシューの解像度を高め、解決に導くためのプランを練ることができるようになったそう。今回ミツモアではどのような開発フローを設けたのか、CTOの柄澤に聞いてきました。

柄澤史也 Fumiya Karasawa
株式会社ミツモア 共同創業者 兼 取締役CTO ヤフーにて4年間勤務。ヤフオクにてプロダクト開発、オフショアマネージメントに携わったのち、CTO室に異動。ヤフー全体を横断した技術支援などを担当した後、ミツモアを共同創業。東京大学大学院 理学系研究科卒。
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スピード重視の開発で見えてきた限界

ーこれまでの開発は、どのように行われていたのでしょうか?
きちんとした開発フローが整備されているというより、各自が「こんな課題があり、改善したい!」と発見した課題をどんどん改善していったような流れでした。
ミツモアはスタートアップで、創業当時からスピード重視で開発を進めてきました。改善案があればすぐに実装し、なるべく早くリリース。プロダクトを通じて、お客様の反応を見て、さらにサービス改善をするというサイクルを繰り返してきました。そのおかげで、リリース後の4年あまりの間で新機能がどんどん追加され、サービス自体も成長していきました。
しかし、プロダクトの成長・組織の拡大と共に、以前のやり方が上手くワークしなくなったタイミングが訪れました。

ーどのような課題が顕在化したのでしょうか?
組織が拡大したこともあり、別々のチームが少し類似する機能の開発を進めていたり、新機能を実装しリリースしたものの、ユーザーにとって便益が少ないようなものになってしまったりといった課題が発生するようになりました。

イシューの特定・プランニングの精緻化の重要性

ー改善に至ったきっかけがあれば教えてください。
社外のPdMに現状を伝えて相談をし、改善のためのアイディアをいくつか探りました。プランニングフェーズにおいては、まずユーザーのニーズをしっかりと調査して、イシューにきちんとフォーカスすること、そしてプランを精緻化すること、解決方法を比較検討することの重要性に気づき、今回の開発フローを取り入れることになりました。

ー具体的にはどのようなフローを取り入れられたのでしょうか?
ICEスコア※を活用したプランニングシートを作成し、各PMに埋めてもらうことでプランニングの精緻化を図りました。
※ ICEスコア: Impact(重要度・インパクト) / Confidence(信頼度) / Ease(実装の容易性) を総合したスコアリングで、プロダクトの改善施策の優先付ける手法

  • プランニングシートの記載項目は下記の通りです。

  1. イシューの定義:どのユーザーががいつ、どこで、どういった状況になっているのか

  2. 初期調査と調査方法:イシューに対する調査手法の記載。ログデータの数値分析なのか、ユーザーインタビューなのか、アンケート調査なのか、何人を対象にするのか

  3. 解決手法:思いついた解決策ありきにならないよう、2つ以上の施策案を記載する

  4. 影響範囲:加えた変更によって発生しうる影響範囲と関連部署の洗い出し

  5. サクセスクライテリア:成功の定義

  6. ガードレールクライテリア:失敗の定義。かけたリソースを回収しようとするあまり、ガードレールを踏み外さないように失敗の数値も定める

  7. ICEスコア:デザイン・開発・サービスの観点から評価を行う

  8. プランニングのワイヤーやUXのストーリー

プランニングシート作成後は、レビュープロセスに入ります。ウィークリーで行っている経営会議でレビューを行い、ボードメンバーの承認を経て、実際の機能開発に入ります。今では、週に4−5本のプランニングシートを見て、経営陣からフィードバックをしていますね。

新規開発フロー導入で得られた成果とは

ーこの開発フローを取り入れるにあたって、社内ではどのような反応があったのでしょうか?
これまでは、スピードを重視した開発方法を取っていたため、解決策ありきで、誰かのアイディアを割とすぐ実装していたような形でした。そのため、このフロー導入にあたっては、一部から「スピード感が落ちてしまうのでは」「スタートアップならではの素早い開発を大事にした方がよいのでは」といった声も聞こえました。しかし、導入後の効果への期待もあり、今回のフロー変更に関してはポジティブなメンバーが多かったように思います。

ー実際、フロー導入後の成果は上がっているのでしょうか?
新規で行う施策のヒット率は目に見えて向上しました!また副次的な効果として、開発した機能の成果が見えるため、開発メンバーのモチベーションも向上したように感じています。プロダクトとしてはまだまだやりたい改善が多い中、開発の優先順位を明確にすることで、本当に取り組むべき課題を明らかにでき、良いプロセスを作れたと感じています。
導入時を振り返っての反省点としては、ICEスコアの各数値の定義を明確に行っていなかった点が挙げられます。数値に対して、各々のイメージでスコアリングをしてしまうと、評価がぶれてしまうため、今は各数値の定義付けを行い、プランニングに反映してもらうようになりました。

ー今後、更に改善したいことはありますか?
シーズンに関連した施策など、例外的な理由で優先度が変更になる場合もあります。こうした例外的な取り回しなどもうまく回せるようにしていきたいです。また、実施した施策の振り返りや効果検証のための明確なフローがまだ設けられていないので、改善していきたいと考えております。ミツモアでは、色々なメンバーがプランニングを担当することもあり、全てのプランナーが分析能力に長けているわけではないので、全体の質を向上させるための振り返りのフローも整備する必要があると考えています。

未来のユニコーンとなるために。ミツモアCTOの求めるエンジニア像

ー開発メンバーのチーム編成なども変更されたのでしょうか?
これまでは、新たな施策が必要になったタイミングで、空いているチームが臨機応変に担当することが多かったです。フロー導入後は、このチームは主に決済まわりを担当するなど、対応する開発メンバーをある程度固定するようになりました。その方が、各チームにおける開発の知見も貯まりますし、進捗やリソースも確認しやすいと感じています。

ー今後、ミツモアでどのようなエンジニアと一緒に働きたいですか?
ミツモアでは、エンジニアもプランニングに携わっていただく機会があります。開発工数の見積もりといったプランニングのサポートもあれば、エンジニアリングに寄ったイシューについて、自分自身でプランニングする場合もあるかもしれません。
そのため、プロダクトを改善したいという意識を強く持っていて、課題に対してエンジニアならではの視点で改善方法を提案できる方は、特にご活躍いただけると思います。
現在のミツモアのエンジニア組織は、35人程度の規模感ですが、直近1−2年では、倍の数字にしていきたいと考えています。プロダクトを通じてさらに世の中に価値を提供していき、その先、ユニコーンになることも目指しています。そのために一歩一歩、課題を解決していける人とぜひ働きたいです!(インタビュー・編集・ライティング:伊賀あゆみ

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