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デザイン経営を「ことば」で加速させる。medibaエディターチームの試み

はじめまして、medibaのクリエイティブセンターでシニアマネージャーを務めております江村と申します。

現在、私たちのセンターには約50名のクリエイティブ職が在籍しています。UI/UXデザイナー、エディターが協働・共創しながらauブランドのサービスづくりを推進。「auらしさ」を体現するクリエイティブ制作を行っています。

今回、私が管掌するクリエイティブ領域のエディターについてお話しいたします。具体的には「デザイン経営」における役割の言語化を試みます。

「ユーザー中心文化のインストール」

まずは、この5年間の組織変遷と組織コンディションについて。

2018年、経済産業省が打ち出した「デザイン経営宣言」によって、「デザイン=経営資源」との認識が広まり始めました。これを機に、medibaでは、私を含むマネージャー4名で「UXデザインをベースとしたものづくり」のプロセスを定義。経営層との対話を経て、2019年から3カ年の中期経営計画のコアコンセプトの一つとして、このプロセスが採用されるに至りました。各プロダクトへのUXデザインプロセスの実装を試行錯誤しながら進めています。

UXデザインプロセスの実装。これはつまり、「ユーザー中心のカルチャーを組織にインストールすること」。実現に向けて、私たちは大きく組織を動かしてきました。

「創るヒトをつくる」

当時、クリエイティブ職のプロパーは15名もいなかったと記憶しています。抱えるサービスの数に比して、マンパワー不足は明らかでした。そこで、私たちは、コミュニケーションデザイン本部という実験的な組織を創設。非クリエイティブ職を含む100名のメンバーへUXデザインプロセスの浸透を図りました。

これは「デザイン経営」を念頭に、「売上はユーザーの課題を解決した結果であり、利益は健全な経営で必ず出せる」という解釈からスタートしています。つまり、ユーザーの課題をデザイン思考で解決できる人材が多ければ多いほどビジネスがスケールする。そして、ユーザーへ価値提供できてWin-Winというモデルです。ユーザーを知り、課題を発見・解決し、振り返って、その次へ向かう。ユーザー中心な発想・振る舞いができる人材を増やす試みを「創るヒトをつくる」と定義して、基礎体力向上に努めました。

「ことばをデザインする」

コミュニケーションデザイン本部は2年間でその役目を終えて、100名のメンバーはそれぞれの道へ進んでいます。その中で、私たちクリエイティブセンターの50名は、UXデザインプロセスをもとにユーザーと向き合う最前線にいます。

世の中を見渡せば、デザインの概念は拡張し、デザイナーのみがデザインする時代は終焉を迎えつつあります。誰もが価値を生み出せる社会において、各自が各自にできるデザインを行い、共創していく必要性が強調されています。

コンテンツを扱うエディター領域においては、ライティングやコピーライティング、キュレーション、UXライティングなどのスキルが「デザイン経営」の源泉と言えます。メンバーに対して、私はこんなメッセージを投げかけています。

「ことばをデザインしよう」

  • 情報が整理・設計されており、ストレスなく読めること(可読性)

  • 判断軸に沿って、適切なことばを選択すること(正確性)

  • ことばが持つテクスチャーに敏感であること(高品質)

  • ユーザーの感情に届くセンテンスを紡いでいくこと(態度変容)

言い換えれば、UXデザインプロセスの文脈の中で、ことばをどのように機能させるか、というイメージです。ことばで正しく意図を伝えてユーザーをゴールへ導けるか。ここでのゴールはサービスごとに設定するKPI。コンバージョンであれば売上、エンゲージメントであればブランドに効いてくるはずです。ですので、ことばの品質を担保できるかどうかは経営に直結します。ことばが、ユーザーが抱える課題解決に資するという意味では、この表現のほうがふさわしいかもしれません。

「ことば”で”デザインする」

具体的な取り組みに関しては、またいつかお話しできればと思います。
それでは、引き続きよろしくお願いいたします。


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